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【風呂酒日和112-2】 法師人(ほうしと)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


実は前々から玉の湯に行ったら行こうと目星をつけていたお店がある。というか、むしろそこに行きたいがために付近で銭湯を探し玉の湯を見つけたと言ってもいい。
目指したのは居酒屋さんではなく、お蕎麦屋さん。
その名も法師人ほうしと。ちょっと変わった名前。


誰かに聞いたのかお蕎麦まとめサイトっぽいところで目にしたのかうろ覚えだが、私がお店の名前を覚えていたのはその営業時間に驚いたからだ。
なんと土日の17時半〜20時半までしかやっていない。

え、週末の夜3時間だけってすごくない?それで生きてける?平日は普通に働くサラリーマンの趣味を兼ねたライフワーク...とか?
でもこの短時間の営業でもどこからか情報が流れてくるということは、きっととっても美味しいんじゃないのかい?


そんなわけで法師人を目指すことに。玉の湯からまっすぐ道を歩いていく。
あれ、ここにも蕎麦の文字。でもこれじゃないよね。
Googleマップを確認すると、面白いことにその一角にだけ集中して蕎麦屋が3軒表示された。なんじゃこりゃ。
他にもお店がたくさんある場所というわけでもないのに、こんなに蕎麦屋が集中してるってちょっとおもしろい。住宅街に突如現れる蕎麦エリア。
この辺に住んでいる人はとりあえず蕎麦には困るまい。

地図の通り歩いていくと、看板が見えてきた。ここだ、法師人。
外観はちょっと地方にある一軒家タイプのお蕎麦屋さんとか、もはや家みたいな感じ。というか、2階はもしかすると住居なのかもしれない。

人の家にお邪魔するような気持ちで入口を入っていき扉を開けると「いらっしゃいませ〜」と穏やかな声が聞こえた。出迎えてくれたのは女性の店員さん。奥さんだろうか。法師人と書かれたオリジナルTシャツを着ている。

「あの〜1人なんですが…」

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