父と娘。 あるステップファーザーの悩み

先日、なかなか難しい悩みを聞いてしまった。

仕事で付き合いのある人が、お子さんとあまりうまくいっていないと言う。
数年前に結婚した彼は、奥さんに連れ子のいる、いわゆるステップファーザーだ。

クリエイティブな仕事をする彼。
世にいう「普通の会社員」の仕事をしたことがなく、フリーランスとして色々と経験してきたため、自分がなかなか一般的ではないことを自覚しているそうで、そのこともあってか良くも悪くも新しく「お父さん」となるにあたり悩んでいたこともあったという。

それでも結婚して数年、奥さんとも娘さんともうまく生活できているようだったのだが、今、彼はその娘さんとの関係性に悩んでいるようだった。

「娘がたまたま同じような業種に進もうとしててさ、春から専門学校に行くんだけど。ちょっと彼女も性格的にむずかしいところがあって。シャイというか内向的というか、あんまり積極的じゃないタイプなんだよね。
だからつい、どうしてもそれじゃこの道では上手く行かないよとか食ってけないぞって思っちゃって。
俺としては、その畑だからこそ知ってる、ホントは長年こなさないとわからない真理とか裏技みたいなものとか、チートじゃないけど、とにかく何かしら力になりたくてさ。
自分の経験からこうだったからこうした方がいいよって話とかをしてるつもりなんだけど、どうも上手く伝わらないっていうか、何言ってもあんまり聞いてないような感じなんだよね。」

「なるほど...。」

確かに、それはかなり難しい問題だ。
父として、本人が少し気にしているステップファーザーという立場として、そして仕事の経験者、先輩として、色々伝えたいことはあるのだろうけれど、一体何をどうすればいいのか、どうしたら彼女のためになるのかと彼は悩んでいるようだった。

私が娘さんの立場だったら、果たしてどう思うだろうか。

途中から現れた「お父さん」。
しかし話を聞く限り、関係性も悪くないし将来の夢にも協力的だ。一緒に仕事について考えてくれたり学費やその他色々な面でもとても助けてくれる。いいお父さんだな、と思った。

1つ思うことがあるとしたら、その娘さんは、彼のことを「誰」だと思っている比重が大きいかが少し関わってくるのかな、なんて思った。