一人で好きでいた方が...

「マスター！もう一杯ください！」

「え〜、大丈夫？結構酔ってるんじゃない？」

「酔いたくて飲んでるんです！大丈夫、迷惑はかけないので！」

「いやまぁ、大丈夫ならいいんだけど...」

マスターはそう言いながら、わたしのグラスを引き取りドリンクを作り始める。

今日はもう、落ちきってから飲んでいるので全てがどうでもいい。仕事帰りにたまに立ち寄るバーで、わたしは珍しく酔っ払っていた。
醜態をさらすとまではいかないけど、普段はすまして嗜むくらいでおさめるくせに今日はもう、なんでもいいやって思っちゃった。

そういう時には行ったことのあるバーに限る。
マスターも優しいし、変に絡んでくるようなお客さんもいない。ここがわたしの安息の地。