【風呂酒日和44-2】 味(あじ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。

【風呂酒日和】〜ついでのお風呂、のついでのお酒〜｜日野笙 / Sou Hino｜note

さて、塩湯に行く前に見つけてしまった「絶対ここやろ」のお店に向かってみる。
でもしんみち通りのへぎそばって書いてあった蕎麦居酒屋っぽいところも気になったんだよなぁ。
そうは思いながらも、やっぱりあの建て構えに惹かれ、目をつけていたお店の前に来る。
うん、やっぱりここな気がする。
大きく「味」と書かれた看板。潔い名前だ。
「み」じゃないよね。多分「あじ」だよね。
惹かれながらも常連さんがいっぱいいそうでおそるおそる扉を開けた。

静かに「いらっしゃい」と店主であろうおじさんが言ってくれた。
うん、信じられる。もはや声のトーンが好き。
穏やかで凛としたおじさんだ。

もっと内輪でどんちゃん系のお店かなと思ったがそうではなさそう。
入ってすぐ、カウンターが4席とテーブルの席が数席。予想通りのコンパクトなつくり。
奥さんっぽい女の人が荷物と上着をもらいに来てくれる。
「カウンターにどうぞ」とのことだったので真ん中あたりへ着席。