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ショートショートのようなもの

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2000文字程度のお話しです。 それぞれに出されたお題を入れて書いたものです。 後から文字数を増やしたお話しあり。
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#2000字のドラマ

お題 働く妖精の一日 2000字以内。

お題 働く妖精の一日 2000字以内。

 私は弟の創にお話を聞かせるのが大好き。創も楽しみにしている。さあ今夜も始まるよ。
✴  
 妖精の国ベルレーナ。
沢山ある妖精の国の中で、ここベルレーナは歌、ダンス、お芝居、ご本を作る国。今朝も妖精は一生懸命お仕事を為ているよ。
創君は木陰から見てて。
「だからこの歌はこのダンスに合わない」
「どうして? 私は良いと思うよう」
そう言うと、桃色の羽を付けた妖精が楽しそうに飛び始めた。
それを呆れ

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俺とあいつ

俺とあいつ

「2000字以内で、
始まりは
振り替えるとそこには、
終わりが
この冬の残暑は酷かった」

 振り返るとそこには一匹の犬が俺を見ていた。迷子いや迷い犬か?そんな目で見るなよ。俺は無理だからな。俺は犬猫、そう所謂ペットを飼ったことがない。
親が興味無いと、必然的に子供も疎くなる。まあ大袈裟に言えば触った記憶さえないのだ。
 見なかった事にしよう。
俺はシラッと歩き出した。
よかった! 付いて来る気

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お題クロスロードの鳥2000字以内「掴む1」「掴む俺side」

お題クロスロードの鳥2000字以内「掴む1」「掴む俺side」

 お互いの心と体が交差し、その中心にいるクロスロードの鳥を掴まえることが出来るのか?もう見ない振りして通り過ぎたくない。
 あなたとは立ち止まり、見つめあいたい。そしてできることなら寄り添い同じ道を歩きたい。
なのに、決して迷うような道ではないのに。何故……私たちは交われない? 一度掴み損ねた事があなたを臆病にしている。
だから? それが何? 私は、
私であって他の誰でもないのよ。
それでもふたり

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お題 忘れられた城  第13番聖典    俺は再起出来るのか

お題 忘れられた城  第13番聖典    俺は再起出来るのか

2000字以内
 目の前に何かが落ちて来た。
危ねえ! 上を見たが、そこに見えたものはどんよりした空だけ。オフィス街で物が降ってくるなんてねえよ。
俺は足元に落ちてる手帖を拾った。スマホのアラームが鳴る。
アポの時間か、これから四件の営業だ。
拾った手帖を上着のポケットに捻じこみ、俺は戦いに向かった。
「お疲れ様です。成果は?」
後輩の本木に声をかけられた。
「本木くん? 桐山だよ!四件頂きました

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俺の季節

俺の季節

お題 冒頭振り返るとそこには
終がこの冬の残暑は酷かった。
 振り返るとそこには、小綺麗な女が立っていた。
年の頃は三十代前半か?
「暫くじゃない。出て行ってから何年になるの?」
「ああ~暫く……」
誰だっけ、薄らした記憶を無理矢理引き出そうとしている俺の顔を、面白そうに見ているその女。
「もう、十五年は経つな」
「思い出した? 私のこと」
適当な名前をあげても良いが、それさえ億劫なほど疲れている

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親友か?兄弟か?それとも……

親友か?兄弟か?それとも……

お題待ち合わせの階段 2000字以内。
 お前はどうして俺を置いて行った?
「直也!下りてきなさい!危ないんだから」
「判ってる!もう降りるから」
母親は、今だに心配いてるんだよ。お前を追って飛ぶんじゃないかってさ。流石にそりゃしないでしょう。
お前が逝って暫くは、無意識に登っていたからな。
もの干し場を乗り越えて、屋根に寝そべる俺を見るたび心臓止まるかと思ったとさ。
お袋、本当ごめんな。
いやぁ

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最後の夜は摩訶不思議

最後の夜は摩訶不思議

お題……今日ピアスを買った。で始まり、最後は雪じゃなくてポップコーンが降り積もった。
2000字以内。

 今日ピアスを買った。
前から欲しかったものだ。
右に三つ左に二つ。
このピアスには不思議な力があるらしい。アハハ、まあね裏情報だから。
本当かどうかはやってみなきゃ
判らない。
成功してるとは書いてはあるけど。ネット情報だから~。
それに誰でもが買える訳じゃない。ってところもみそでしょう。売

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変わらない想い

変わらない想い

お題……あの時と同じ風

「なぁ、明日出かけよう」
「はぁ?どこに?」
 お前はそうだねと言う言葉を知らないのか?
はぁ~気持が萎えるんだよ。

「いや、別にどこに行こうとは決めていないけど」
「ふ~ん、何にも考えていないんだ」
いやいや、決めていたらそれはそれ文句言うだろう?
「どこか行きたいところあるのか?」
「別に……」
「じゃぁ止めるか……」
「何でそうなるのかなぁ、一緒に考えようとか言え

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