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お仕事紹介:出版社Website・鳥さんイラストエッセイ(KKベストセラーズ)#009

今までのイラストのお仕事について振り返ってみるシリーズ。

今回のお仕事は、イラストのお仕事であると同時に、文章のお仕事でもあり
また、初めての連載のお仕事でもありました。

私の「鳥好き」が高じて、鳥に関するWeb連載を
出版社のWebsiteでさせていただけることになったのです。


Web連載「ニッポンの県鳥さん」

タイトルは「ニッポンの県鳥さん」。
2013年の夏から秋にかけて数ヶ月間描かせていただきました。

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現在は残念ながら、このWebsiteは閉鎖されており
ご覧になることはできません。

かわいいバナーも作っていただきました。
(イラストはもちろん私です)

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Websiteのトップにはこんな感じでした。

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わかりにくいですが、白く抜かれた下の方にバナーが貼られています。


実際に載せたイラストと原稿


当時掲載されていたのは、リアルで細密なイラストです。

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今だったら、こういうイラストは描かないと思うのですが。。。


このあたりは比較的、今のイラストに近い感じかもしれません。

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文章も全部私が書いています。
ライティングのお仕事は、2007年頃から時々させていただいていましたが
担当編集、というものがついたのは初めてでした。
そのはじめての担当編集さんについて、書いてみたいと思います。


本を出したい、という想い


私は「本を出したい」と思い続けて、それを目標にしていました。
今までに知り合った方の中には
「一緒に本が作りたい」「陽菜さんの本を出したい」
と言って下さる方が何人かいらっしゃいます。

その中のひとりが、KKベストセラーズの敏腕営業のKさんで
ある時上京することを伝えると
「陽菜さんに会って欲しい人がいる
見た目に似合わずできる子なんだよ」
と言って紹介されたのが、同社の編集Sさんでした。

Sさんはとても可愛らしい感じの女性でしたので
Kさんがおっしゃる意味が理解できました。

実はSさんは、その可愛い外見には似合わず
すごく行動力のある女性で
(そうでなければ、女性編集者は務まりませんが。。。)
しかも、とても有能な方でもありました。

気になる著者候補にはどんどんアタックして
素晴らしい本を書かせてしまうんです。

何と言っても
優秀な営業マンが買っているような女性なんですから
当然ですよね。

でも実のところ、一緒にWeb連載をしているときには
私には本当の意味でSさんのすごさがわかっていませんでした。


書けているから


ここで初めて、私は「著者」として原稿を書くことになりました。

著者が書く場合、編集さんと意見のすり合わせや方向性が決まったら
基本的には好きなように書いて、日本語のおかしいところや
わかりにくいところなどに編集さんの「赤字」が入ります。

でもなぜか、Sさんからはほとんど赤字が入りませんでした。
私は不安になりました。

普通なら「ちゃんと書けてるんだな、よかった」
と安心するところですが
恐ろしく自己評価の低い私には、そうは思えなかったのです。

「Sさんは、自分より年上の私に気を遣っているんでは」
と最初は考えました。

でもよく考えなくてもわかることですが
本の著者さんって当時40代前半の私よりずっと年上の
しかも学者さんや経営者の方などが多い訳で
いちいち変な気を遣っていたら仕事になりませんよね。

次に考えたのは、本当に失礼な話ですが
「Sさんはきっと他にもたくさんの著者さんを抱えていて
お忙しいだろうから、私の原稿なんて手を抜いてるんじゃないか」
なんてとんでもないことでした。

ホンットに何て失礼な!!
Sさんに平謝りしたいほどです。

でもね、自分なりに本気で悩んでいたんですよ。

そこで私はあるとき、思い切ってSさんに聞いてみました。
「どうして赤字を入れないんですか?」

すると、Sさんからは
「だって、ちゃんと書けてるからです。直すところが無いんです」
という、当然といえば当然の答えが返ってきました。


自信のなさが物事をダメにする

初めての担当編集さんに
「ちゃんと書けている」
という喜ばしい言葉をいただいたというのに
その後も私は自信を持つことができませんでした。

連載自体も大きな成果を上げることなく
終わりを迎えることとなりました。
打ち切られたわけでなく、自分から終わりにしてしまったんです。

もともとは、書籍化を目指して始めた連載ではありましたが
それも果たすことなく。。。無念でした!!

もう少し頑張っていれば、どうにかなったのかもしれませんが
自分に自信のなかった私は、こんな自分のために
多くの人をこれ以上巻き込むのが、どうしても耐えられなかったのです。


その時に交わしたメールはすでに消えてしまいましたが
内容は今も覚えています。

「こんな無名のイラストレーターが書いた鳥の連載なんて
楽しみにしている人がいるはずありませんよね
もう終わりにしたした方がいいですよ」
という、自虐的な私の半ば「逆切れ」気味な言葉に対して

Sさんは
「私は楽しみにしていましたよ」
とおっしゃいました。

無機質なメールの文字が、にじんだように見えました。


支えになった言葉


その後も、何度かSさんとはメールのやり取りをしました。

アトピー本の企画も、最初はSさんに持ち込もうとしたのです。
でも、企画書を見せるまでもなく、Sさんからは
ウチで出すのは難しいと言われてしまいました。

連載をして結果が出せなければ、それも致し方ないですよね。

それなのに、Sさんからは謝られてしまいました。
「私の方こそ、陽菜さんを振り回してしまったようで
申し訳なく思っています」


最後に、Sさんはこう言って下さったのです。

「陽菜さんは、本を出す力のある人ですから
絶対に諦めないでください」

その言葉がSさんの本心だったのか
単なる社交辞令だったのかはわかりませんが
その後、何かと声をかけて下さっていた
デザイン会社の社長の紹介で、無事出版することができました。


本を一冊書きあげるということは、なかなかに苦しい経験で
自己評価の低い私は、何度もへこたれそうになりました。


そんなときに支えとなったのは、アトピー本の担当編集・T氏の
「陽菜さんなら書けますから、大丈夫」
という励ましと同時に、Sさんからの
「ちゃんと書けてるからです」
という言葉でした。

頭の中で何度も何度も繰り返し
「書けてるから大丈夫、書けてるから大丈夫」
と唱えながら書いていたほど。

今ももしかしたら、文章を書くときにはいつも
心のどこかに、Sさんの言葉があるのかもしれません。

ホント、褒め言葉って
私のようなへたれには、何よりも原動力になるんです。


あてのないラブレター



私の出版と前後して、Sさんは退社され
Webサービスの世界へと移られました。

そこで生き生きと活躍されるSさんは、やはり行動力のある
デキル女性だったのだと改めて思います。

さらに数年後、敏腕営業マンK氏も転職してしまい
この会社とのご縁もなくなり。。。。


Sさんとは、今はもうやり取りはありませんが
こうしてWeb上に書き続けていれば
Sさんの目に触れることもあるんではないかな、なんて思いながら。

いつか、ご縁があれば
Sさんとまた一緒にお仕事がしたい。

この記事は、あてのないSさんへの手紙なのかもしれません。


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著書『アトピーの夫と暮らしています』(PHP研究所)。イラストのお仕事は、NHK・Eテレ『すイエんサー』、書籍『おいし なつかし なごやのおはなし』(戸田恵子著、ぴあ)など多数。現在2冊目の本の執筆中。ひよことプリンとネコが好き。 http://www.hiyoko.tv/

コメント6件

最近、鳥がだんだん好きになってきたので、鳥のイラストを見れて嬉しいドグ〜! 特徴が摑めていて素敵。(●´ω`●)

青森の県の鳥はクマゲラ……☆ 今年は、鶴田町へ鶴を観に行こうと思いますドグ。(●´ω`●)
鳥のイラスト、どれも素敵ですね。書籍化していたら買いたかったです。
それにしても仕事上で自分の力を認めてくれる人と出会えるって素敵なことですね。なんだか感動しました( ´ ▽ ` )
switch 山田スイッチさま コメントありがとうございます!鳥好きになられたんですね!ぜひ竪穴式住居の横に鳥の巣を(笑)クマゲラはキツツキの仲間ですね。是非鶴もクマゲラも見に行ってみて下さいね!
ダイセンブさま コメントありがとうございます!またまたそんな感涙なことを( ノД`)ウルウル。認めて下さる方はいても、なかなか結果に結びつけられていないのは、まだまだ実力不足のせいなのですよね。この話は、書くのに結構勇気が必要だったのですが、感動していただけてうれしいです。。。。またじっくり、全部の県鳥さんを描いてようかな、と思います☆noteに載せようかな~
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