30歳、2回の転職を振り返る
私は過去2回転職しており、現在3社目になります。1社目から2社目、そして2社目から3社目に転職するには当然転職理由があります。今回は1社目から3社目までの転職について、簡単に振り返りも兼ねて整理したいと思います。
これまでのキャリアやら転職遍歴やら
1社目から3社目にかけて、どんな会社を選んでどんなキャリアを歩んできたのかをお伝えします。
キャリアとしては、インフラエンジニアとしてキャリアをスタートして、そのインフラスキルをベースに情シスやセキュリティといった専門性を積み上げてきた感じです。
職種としては一貫してエンジニアの職種になります。エンジニアというとプログラミングとか開発できるイメージがあると思いますが、私はほとんどできません。そういう意味で自分がエンジニアだと思ったことはあまりないですし、エンジニアだと誇れることもこれといってありません。まだまだ中途半端な人間です。
【1社目】客先常駐のインフラエンジニア
新卒入社として入った1社目はいわゆるSESの会社でした。正社員として雇用されながら大手SIer等に常駐(派遣)で働くパターン。2年半ほど働かせていただきました。
私も大手SIerに常駐して、VMware製品を使った独自IaaS基盤の管理運用を行っていました。VMware製品の操作や、Linux,Windows Server等のサーバの初期構築・ciscoのスイッチを中心にネットワーク機器の基本操作を学びました。
【1社目】から【2社目】の転職理由
理由は大きく2つ。
・裁量権をもって働きたかった
・インフラ上流スキルをもっと身に付けたかった
当時の仕事は、DCでのサーバやネットワーク保守、もしくはその運用作業の手順書作成や管理表の作成といったドキュメント整備が中心。
もちろんそこで学べることは大いにあるのですが、数ヶ月すれば慣れてきますし、1年経てば余裕も出てきます。
運用保守はシステムいわゆる下流の仕事で、私はより上流、設計や構築の業務を行いたいと考えていましたが、上流をやるのは常駐先の会社のプロパー社員。たまに自社で同じく常駐している優秀な先輩が主導て行うプロジェクトの一部として携わらせていただくこともありましたが、今の職場で多くの上流経験は難しいと考えるようになりました。
上流経験ができるプロパー社員を羨ましいと思う反面、それは派遣の立場からすればお門違いだし、至極当然だなと思いました。派遣はプロパー社員をサポートするのが主たる目的だからだと思うので。
私も2社目以降で派遣を雇って仕事をする立場になってわかったことですが、基本派遣で人を雇う会社って人手が足りないもしくは正社員より安いお金で人を雇って働いてもらう目的で派遣を雇うのがほとんどだと思います。
そういった人に任せる仕事は主に運用保守や事務処理的なの仕事が中心になりやすいです。言い方悪いですが、ぶっちゃけ誰でもいいわけです。
もちろん、例外的に派遣の立場でもプロパーと引けを取らないスキルで上流の仕事をしている人はいます。でも、新卒でとくにITスキルに長けているわけではない自分で任せてもらえる幅が限定的になってしまうのは当然のことでした。
今の環境にいる限り、裁量権を持って、上流経験が出来る仕事は難しいと考えて、それができる会社に転職しました。
【2社目】SaaS企業の情シス
1社目から転職して入ったのはいわゆるSaaSサービスを提供するIT企業の情シスでした。前職の知識も活かしつつ、内製化された社内インフラの管理運用や、オフィス移転、Google WorkSpace等のSaaS運用、セキュリティ製品(UTM,FW等)の管理等幅広く行っていました。ここでは約4年ほど働かせていただきました。
2社目の会社は、いまでこそグループ全体の従業員数は2千人を超え、CMもバンバン打ち出していて、東証プライム市場にも上場して業績好調している、知名度もそこそこある会社ですが、私が入った当時は東証マザーズ市場(今のグロース)に上場にして間もない、従業員数も500人程度の会社でした。
所属していた情報システム部は、入社当時はアルバイト含めて6人程度と非常に少数。そのため業務はたくさん経験させてもらいましたが悪く言ってしまえば非常にぐちゃぐちゃな状態で、業務もだいぶ属人的になっていました。その中で情シス未経験として入社して、組織が拡大していく中でぐちゃぐちゃな状態からすこしずつ整理していったことはとても貴重な経験でした(大変だったけど)。
もちろん自分一人の力ではありませんが、下っぱながらシステム導入やオフィス移転のプロジェクトを任せてもらえていました(そもそも人がいなかった)。そうして自分が"作った"オフィス環境やシステムを社員が問題なく利用している環境を見ることはとてもやりがいを感じていました。
【2社目】から【3社目】の転職理由
理由は大きく4つ。
・1社目から2社目の転職目的がある程度達成した
・組織としてある程度環境が整備されて満足した
・専門性を高めたくなった
・エンタープライズの規模で仕事をしたくなった
1社目から2社目の転職時の目標であった、インフラエンジニアとしてのスキルを高めること、設計構築といった上流経験を2社目では積むことができました。
また、会社としても私が辞める頃にはグループ全体で2000人規模の会社になっており、SaaS企業として売上規模的にも日本SaaS界のトップといわれるまでになりました。情シスも総勢20人くらいのちゃんとした規模の部署になってきました。業務もある程度整理されてきて、役割分担もされるようになってきましました。退職エントリーでも書きましたが、環境としては申し分ない一方で自分としてはどこか物足りなさであったり、目標を見失っていました。
このまま情シスという職種を引き続き同じ会社で極めていくのか、それとも別のエンジニア職種の道を選ぶのか。自分が今後どんなキャリアを形成していくのか、悩んでいた時期でした。
結局別の会社で情シスで働くことを選択し、特にセキュリティ分野に特化した形で働くことにしました。いくつか内定を頂いた中で、会社規模が一番大きく、求められるセキュリティレベルも一番高そうな金融機関の情シスを選びました。
【3社目】金融機関のセキュリティ担当
3社目は金融機関でのセキュリティ担当。前職と違い、部署の人数も100名近くおり、担当が完全に分かれていました。私は、社内及び一部提供サービスのシステムも含めたセキュリティ推進を行う部署で働きはじめました。いちおうセキュリティエンジニアという色に分類されるかもしれないですが、業務担当としては上流部分が中心で、実際に手を動かしてシステム導入の検証や構築を行うことはあまり多くありません。
殆どの案件は、ベンダーやコンサルと協力しながら外部内部設計や運用設計などを考えて、それを協力会社に依頼して作業してもらい、リリース後に運用やその後もろもろの改善を図っていくような仕事をしてきました。
自分としては初めていわゆる大企業という部類の会社に所属し、少し浮かれてるところもありました(笑)新卒就活当時抱いていた大企業コンプレックスが心のどこかでまだあったのかもしれません。
仕事自体は結構面白くもあり、大変でもありました。3社目の会社では、システム構成の都合上自社のみではなくグループ会社も含めたセキュリティ対策も合わせて行っていました。
そのため、会社全体での作業・導入展開に向けた調整や手続きには慣れるまで時間を要しました。やはり、金融機関という人様のお金を預かる仕事においては、ルールが重要視されていて、金融庁や外部機関が策定するガイドラインに基づいた対応が求められます。組織内部の規程としてもまたしかりで、ルールや根拠に沿った形で案件を進めることが求められてきます。
【3社目】からの転職(検討)理由
前提として、とても不満があっていますぐ転職したいというわけではないですが、今の会社に1年ほど働いていていくつかギャップを感じています。
・全体感が見えない中でトップダウンで違和感
・ベンダー任せにならざるを得ない環境
・会社独自のルールの多さへの対応
自分としては会社全体としてのセキュリティ施策を一緒に考えたり検討して、納得感を持って仕事をしていきたい思いがありました。
前職は組織・部署の規模的にも多くなかったこともありそれっぽいことができていたのですが、今の会社は大企業ということもあってかトップダウンで確定したことを下が淡々とこなす感じになっています。
また、システム運用を協力会社のベンダーに頼らざるを得ない点も自分としては物足りなく、どこか気持ち悪さを感じています。自分でシステムを直接触ることがあまりない分、ベンダーの報告やドキュメント情報からシステムを理解することは本当の理解とは思えず、その理解が浅いままシステムを管理することはどこか歯痒さを感じています。もっと現場に入って時には自分で手を動かしてこそ、理解を深まると思っていて、それができないのは少し残念なところはあります。
【3社目】から【4社目】へ
実は3月から3社目から4社目への転職が決まっています。4社目の転職活動の話はまた別の機会したいと思います。
正直3社目に大きな不満はなかったのですが、1年働いた中で将来目指す自分のキャリアと今の仕事の方向性にずれは少し感じていました。
いつかは転職するのだろうとは思っていたのですが、いいご縁があり意外と早く3社目を去ることとなりました。
上司からは第1声「はえーよ」と言われてしまいましたが笑
せっかくここまで育ててもらって、やっと慣れてきたところではあったのですが、自分の将来に妥協はできないので、心を鬼にして自分の将来を優先しました。
自分も気づけばアラサーです、あと何回転職をするのやら。ただ、いずれにしろ自分の気持ちには正直に、ときにわがままに生きたいと思います。自分の人生なので。