根本的なやる気、集中力の育て方

人間誰でも好きな事にはやる気も出るし集中力もでる。またカフェインやエナジードリンクを飲んでも一時的にやる気・集中力が出てくる。しかし前者は好きな事にだけ出るものだし、後者はカフェインやエナジードリンクを飲んだ時だけ出てくるものだ。

今回はそういったごく限られた場合にしか出ないやる気や集中力ではなく。基本的かつ根本的なやる気や集中力の高め方について書いていきたい。
そして例によって今回も少し長くなったので先にまとめを書いておく。

★まとめ
◎根本的なやる気・集中力を育てる方法は依存断ち+運動+生活改善。
◎やる気は脳の報酬系システムが関わっている。
◎報酬系のシステムは大昔からさほど変わっていない。
◎現代社会の短絡的な快楽は報酬系を狂わす。
◎甘いモノ、ゲーム、ネット、スマホ、ポルノも危険
◎ライフスタイルの改善をすれば脳は甦りやる気・集中力も出てくる。
◎ライフスタイルの改善は無理せずバランス良く。

今回の方法は魔法のようにやる気・集中力を一気に高めるものではないが(人によっては劇的に効果が出るかもしれないが)、良く理解してしっかり実践すれば人生を強力にサポートする力になると思っている。

先に結論を言ってしまうと依存を断って、運動しライフスタイル全般を健康的なものにすれば根本的なやる気、集中力さらには理解力、記憶力も大幅に上がってくる。もっといえば気分も改善し体重も適正になり健康にもなりと効果をいちいち書いたらきりがないくらいだ。

そして自分は毎回同じような事を言っているが、本当にこれが35年間悪戦苦闘してきた中で見つけた答えなのだ。だからこれからも同じような事を何回も言っていくだろう。

なのでこの方法も前に書いたコミュ障改善の方法と基本的には同じで脳の正常化と活性化に重点を置いている。
そしてまず脳の正常化と言っても脳のどこを正常化させるかという事だが。今回の場合主に脳の報酬系システムを正常化させていく。

何故ならばやる気やモチベーションといったものはこの報酬系のシステムが関わっているからだ。具体的には脳に神経伝達物質のドーパミンが放出されると人は喜びを感じ、それを学習し再びその行為を行いたいという意欲も出てくる。

例えばある人がケーキを食べたとする、そのケーキがおいしければ脳に大量のドーパミンが放出される。そして快楽、多幸感を感じる、するとその人の脳はこのケーキがおいしい、このケーキを食べると快感が得られるという事を学習しまたケーキが食べたいというモチベーションが形成される。そしてそのモチベーションに動かされケーキ屋に足を運ぶ。そしてまたケーキを食べ快感が・・(略)。まあ報酬系のシステムとはこういった感じだろうか。

この報酬系のシステムはもともと生物が生き残るために編み出したシステムで、このシステムのおかげで人間だけでなく全ての動物は食べたりセックスしたりといった。身体を維持し子孫を残すといった生物の根本的な目的を達成できていた。なので食べる事やセックスに関わる欲求というのはとても強力なのである。これはすべての動物の本能に組み込まれている。

人間が他の動物と少し違うのは、そういった本能的な事以外にも、お金やモノを得たり、仕事や目標を達成したり、美しいものを見たり、知的好奇心が刺激されたり、人に評価されたり、また未来に向けて夢や理想をイメージしたりする時にもドーパミンが放出されて快感を感じるようになっている事だ。これは人間の知能が発達して社会的な生活を営んでいくうちにこのようなシステムになっていったんだろうと思う。そしてこのシステムは昔であればほぼ何の問題もなく機能していた。

しかし高度な社会を発達させた人類は皮肉にも自らを蝕んでしまう危険な快楽をも生み出してしまった。そしてこれが問題なのである。
これがどんなものかというと具体的にはアルコール、甘いモノ、ハイカロリーな食品、タバコ、薬物、ギャンブル、ゲーム。それにさらに最近は、ネット、スマホ、それに関連するポルノだ。これらは昔は無かったか、あったとしてもそんなに簡単に手に入れたりしたりできるものでは無かった。しかし今の先進国であればどれも簡単に手に入れたり出来るようになっている。

そしてこれらの共通点はドーパミンを大量に放出させる。そして依存性があるという事だ。これらは現代では容易に得られる上、ドーパミンを大量に出す、すると当然快楽を感じるので人は何度も何度もそれを求めやってしまう。そしていつのまにかそれ無しでの生活は考えられなくなってしまう。そうなるとりっぱな依存症である。

もともとドーパミンの報酬系のシステムは種の保存の為のシステムで、それは大昔から基本的には変わっていない。人間も他の動物より少し社会的な方向に発達したぐらいで、ドーパミンつまりは快楽を強く求めそれを得るために行動を起こすという基本構造は変わっていないのだ。

そういったシステムはそのままの所に、安易にドーパミンの大量放出が出来てしまう快楽の数々をもってくると当然バランスを崩す。今までは本能的なものにしろ社会的なものにしろその快楽を得る為にはそれ相応の努力と行動が必要だった。例えば大昔は食べ物を得るためには長い間歩き回って木の実を集めたり、走り回って命がけで狩りをしたり。また時代が少し下って農業をするようになっても必死で田畑を耕し、作物を守り育て、稲刈り脱穀をしてと長い努力が必要だった。

また社会的な評価を得るのも大変だ、常に自分を磨き、人に嫌われないように立ち振る舞いに気をつけ、相当の努力を積み重ねて仕事をなしとげようやく人から評価が得られる。

つまりかつてはドーパミンという快楽を得る為には当然のごとく多くの努力と行動が必要とされていたのだ。しかしこれらは大変だったがメリットもあった、簡単に快楽が手に入らないから自制心は高められ、数多くの努力と行動をすることで脳や身体は自然に鍛えられた。また良く動くので運動によって脳の神経物質のバランスも整えられ心身ともに健康でいられた。
(極端な飢餓や栄養不足じゃないかぎり)
そして脳の報酬系のシステムもそういった長期的な努力に耐えられるよう少しづつドーパミンを放出し長期的な努力と行動が出来るようになっていた。

しかし現代に出現した安易にドーパミンの大量放出を促すモノそして環境は。大きな快楽を一気にそして短期間のうちに何度も人に与えてしまう為に人を簡単に依存症にしてしまい。またその大きな快楽の刺激に慣れてしまうと、他の小さな刺激ではもう満足できなくなる。つまり日常的な小さな喜びも感じなくなるし、長期的にコツコツ努力し充実感を得るといった事は出来なくなってしまうのだ。

これらはドーパミンの受容体が変容してしまう事によって起こる、ドーパミンの大量放出が続くとドーパミンの受容体(ここでドーパンを受け取って初めて快感が生じる)がダウンレギュレーションつまり数を減らしてしまい。ドーパミンの反応低下、つまりドーパミンの効きが悪くなってしまう。
そうなってしまうとうつ、無気力、意欲や集中力や記憶力の低下等が起こる。それによってまたストレス+禁断症状のストレスでまた依存対象にのめり込む、そうなるとまさに悪循環だ。

そしてそれが長期間続くと慢性的な無気力になってしまう、薬物依存者や長期のアルコール依存者がなってしまうように。ちなみに薬物や酒の飲みすぎが危ないのはわかるけどネットやスマホ、ゲーム、甘いモノとかも同列に語るのはおかしいんじゃない?という人もいるかもしれない。

しかし自分はネット断ちの効果が凄かった件1まとめ、で書いた通りネットとそれに関連するコンテンツにハマって人生廃業寸前まで追い込まれた。他にもそういう人は大勢いると思う。こないだのニュースで見たのだが高齢引きこもりも含めると日本の引きこもりの人口は100万を超えるらしい。で、これは日本でけじゃなく他の先進国でも事情は同じらしい。そしてやはり自分は実体験も含めて引きこもりとインターネットとの関わりを強く感じるのだ。これについても後日書いて行きたい。
またネットと同じくスマホも危険だ、スマホやタブレットはベッドにももっていけるのでついつい寝る前にもやってしまいブルーライトの影響で睡眠リズムをがたがたに崩す。
そしてスマホのゲームやSNS等もドーパミンを大量に出させ人をハマらせる(SNSは特に自己承認欲求に関連してドーパミンを放出させる)。

そして次はゲームだ、これもあまり甘く見てはいけない。例えば覚醒剤を静脈に注射した時にドーパミンは2.3倍に増加するのだが、ゲームを50分した時もドーパミンは2倍に増加する(ロンドン・インペリアルカレッジの研究者による調査1998年)。つまりゲームは時として覚醒剤に匹敵するのだ、そりゃみんなハマるわけである。自分もネット依存とセットでゲームにもはまって寝食を忘れてゲームする事があり。あんまりし過ぎた時はよく幻聴が聞こえていた。結構本気でヤバかったのだ。
ちなみに今いったネットやゲームは圧倒的に男性がはまりやすい、そしてネットに関連するポルノも同じく圧倒的に男がハマりやすいという調査もあるので男性諸君は要注意だ。

そして甘いモノも意外に危険だ。甘いモノは脳に大きな快楽をもたらす。
特にストレスがあるとついつい甘いモノに手がのびてしまう。
何故かというと砂糖は人の脳に大量のドーパミンを放出させる。そして人に幸福感を与え一時的にリラックス効果を与えてくれる。そしてまた依存性も高い。なので人をたやすく虜にしてしまうのだ。実は人だけではなくネズミを使った実験ではなんと覚醒剤より中毒性が高いという結果も出ている(フランス、マガリー・レノア博士の研究)。
というわけで甘いモノも要注意だ、甘いモノはどちらかというと女性がやっぱりハマりやすいように思うが、近年はスイーツ男子という人々もいるので男女問わず注意が必要なようだ。かくいう自分も昔ハマっていた。

今みてきたようにネット・スマホ・ゲーム・甘いモノも油断できない、そしてポルノもそうだ、それについては前にこのnoteで書いた。もちろんこれらも健康的な生活の中で節度をもって、または努力したご褒美として使用するぶんにはそこまで問題はないがいかんせん依存性が高いので注意するに越したことはない。

まとめると安易な快楽にも総じて危険が伴うという事、そして依存症にまでなってしまうと脳の回路自体も変わってしまいやる気、根気、集中力、記憶力も全て失ってしまう。さらに深刻になると身体のも悪影響を及ぼす。
そして心身共に壊してしまう事になる。

ただしかしこのメカニズムというか構造さえ理解してしまえば依存症の予防もできるし、また万が一依存症になってしまっても回復の道筋も見えてくる。
まずこの構造をしっかり理解して安易な快楽は可能なかぎり遠ざける、そして依存を断つ。理解しておけばやめやすいし、自分的には一気にやめたほうが楽だった。ただ付き合いで甘いモノや酒が出てくる事もあるのでそのへんは柔軟に対応するのもありかなと思う。
ともかく依存対象をなるべく断っていくうちに脳は少しづつ正常化していく。

そして運動である、今まで自分が依存していたものを断つと心にぽっかり穴があいたようになり、時にはイライラや禁断症状が出るかもしれないし、それが長引くとつらい。しかし運動はその穴を埋めてくれるし、気分も向上させイライラなども鎮めてくれる。そして回復も早めてくれる。


運動は脳内の神経伝達物質のバランスを整え、そしてBDNFという脳神経の成長因子を放出させる、これは脳神経の成長を促し傷ついた箇所を保護してくれる。依存症でダメージを負った脳をいわば治してくれるのだ。
そして新しく健全な脳神経を作り上げてくれる、これについては「脳を鍛えるには運動しかない!ジョン・j・レイティ著2009年」に詳しく書いている。この本は科学的根拠も豊富に示し、さらに実生活にもかなり活用できる為凄くおすすめだ。

またこの本の中の依存症の章に書いているが、アメリカの薬物依存症のリハビリ施設では実際にジョギングやランニングなどの運動が積極的に取り入れられている。そして運動は脳の血流も活発にし脳を活性化してくれる。

このように依存を断って運動することで速やかに脳は正常化&活性化していくが、それに加えて食事や睡眠の改善にも取り組むとさらに効果倍増だ。そして個人的にはヨガや音読も取り入れるともっと効果が大きく早くなると思う。

つまりはライフスタイルを大きく健康な方向に変えてしまうのだ、そうすると脳の基本的なパワーが底あげされて行き持続的な集中力・やる気も育ってくる。自分も2ヶ月前からネット断食をきっかけに生活改善をした結果、集中力ややる気も格段に上がった。昨日はこのnoteを長時間書いた末にPCがバグって書いた記事全てが消えてしまう悲劇が自分を襲った、今までだったらそれでめげて放り出してしまっていた所だが今はまたやってやろうという気力がまた湧いてくる。そもそも今までの自分だったらこんな長い文章など絶対に書けなかったのにそれが出来ている事がなによりの証拠だ、自分にとってはだが。

また生活改善に総合的に取り組んでからはだんだんと働けるようにもなり先週は大半の日をフルタイムで働けたし、集中力がほんとに続くようになったなと思う。そしてついでにいうと今まであれだけ情緒不安定だってのもだいぶ落ち着いて安定している。まだまだ一般の健康な人には及ばないがいい感じに回復してると思う。

最後に依存を断ったり運動に取り組んだり、また食事や睡眠の改善などに取り組む人に向けて注意点を書いて行きたい。
ライフスタイルを変えるということは良くも悪くもストレスがかかる、最近一番痛感したのだが人をそしてライフスタイルを根底から破壊する一番の原因は大きすぎるストレスだ、ストレスがかかると人は甘いモノや酒やタバコが欲しくなり、ネット、スマホ、ゲーム、ポルノにハマってしまいがちだ。
そして運動や食事の事などどうでもよくなってしまう。

なのでライフスタイルの改善はストレスが溜まり過ぎない範囲で行うのが重要だ。あんまりストレスがかかると自律神経が乱れるし、ストレスホルモンが出すぎるとかえって脳に良くない、なのでライフスタイルの改善は自分の身体や心と相談しながら無理の無い範囲で行ってほしい。

また依存を断つと楽しみが減ってしまうことは事実なので何か他の楽しみや趣味を見つけるのも大事だ。自分は本やマンガを読む時間が増えたしハーブティーを飲んだりしてストレスを解消するようにしている。

前のnoteでも書いたがハーブやアロマは確かな薬理作用があるのでリラックス効果もかなりある、なのでイライラした時はカモミールなどのリラックス系のものは有効だ(ラベンダーやリンデンも試したがそれらもしっかり効果有りだった)。ただし薬理作用が確かという事は飲みすぎると効果が出すぎる。たとえばカモミールティーを飲みすぎるとリラックスを通り過ぎて眠くなったりする、なので仕事中や運転中は要注意だ。また妊婦はのんではいけない等、けっこう用法・用量に注意が必要なのでしっかり調べるか詳しい人に相談してから自己責任で使ってほしい。(あとアロマの一部は猫にとって毒になるものもあるので要注意!)。

またヨガや腹式呼吸も自律神経を整えてくれるし、マインドフルネス瞑想も正しく行えばストレス解消には有効だ。これらを使ってストレスをうまく発散してライフスタイルを改善できれば格段にQOLを上げることが出来るだろう。


長くなってしまいましたが最後まで見ていただいてありがとうございました!

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