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畳とは?

皆さん、こんにちは!樋口畳商店の樋口です。今回はブログでも人気があった「畳とは?」をnoteでも紹介したいと思います。ブログ読んだことがある方はもう一度、無い方はこの機会に読んでもらえたら嬉しいです。

畳とは?畳の効果とは?畳の歴史とは?|畳職人が語る畳論

そもそも畳とはどういった敷物?

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畳とは藁を圧縮して縫い止めた床材に、藺草を編んで作られた畳表を張り付け、畳縁を縫い付けたもの。これが一般的な畳と呼ばれるものです。

とはいえ、最近は藁床の代わりに、木製のチップを圧縮して作った建材とカネライトフォームを縫い合わせた建材床で製畳したり。

安い畳床

藺草の代わりに和紙や樹脂製の畳表が使われたり

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畳縁が付いていない縁なし畳が増えています。

縁無し畳ブログ

私個人的には、畳の素材、姿形が変わっても、空間に和みを与える存在であるのなら、それが畳だと思っているので、どんなでも構わないと考えています。

ちなみに余談ですが。
皆さまがよく縁なし畳の事を「琉球畳」と呼びますが、琉球畳とは琉球表(現在は七島藺)を使った畳のことで、目積織りの熊本藺草を使った縁なし畳は琉球畳ではありません。

もっと言えば、琉球表を使ってさえいれば、縁なし畳だろうが、縁あり畳だろうが、琉球畳です。まぁ一般的に馴染んでしまった言葉なので今更どうこう言うつもりもありませんが、この記事をご覧の皆さまには知っておいていただけたらと思います。

琉球畳のデメリットは?|和室を洋風にしたい方に人気おすすめ縁無し畳

藺草の効果とは?

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藺草の効果は主に四つです。

1.藺草の香りには、人間をリラックスする成分が含まれている
2.藺草には、抗菌作用がある
3.藺草には、吸湿効果がある
4.藺草には、有害物質を吸着する効果がある

これら藺草の効果について詳しく解説すると、文字数がものすごく長くなってしまうので、興味がある方は私のブログもしくは藺草を研究している北九州市立大学国際環境工学部助教授 森田洋( 農学博士)のHPをご覧ください。

▼藺草について:https://phkkoomde.com/tatami/now-the-rush/

畳の歴史

有職畳作ったお

畳とは何か考える時に、歴史はとても重要なものになってきます。
畳の歴史は今から1300近く前、天皇陛下や皇族の方々、王族、貴族などが畳を使っていたと言われています。

元々は、マゴモを4〜6枚くらい重ねて畳床を作り、手織りで織ったイ草を縫い付けて、錦の縁を付けたもの。これを畳として使ってきました。通称、御床畳(ゴショウノタタミ)です。

御床畳は、床材とか敷物というより家具的な役割(今で言うベットに近い)で使われてきました。

畳が床に敷かれたのは鎌倉時代ごろ。身分の高い者が座敷に畳を敷いて使っていたと言われ、そのあと室町時代に入ると、武家が台頭し、書院造りが広まっていくことになります。

畳が広まった理由は茶道がキッカケ?

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そもそも畳は高貴なもの。皇族や貴族、武士などの身分の高い者が使っていた床材で、一般家庭には浸透していなかったそうです。

畳が一般家庭に敷かれるようになったのは、安土桃山時代。ある男が侘び茶を大成させ、畳を敷きこんだ茶室を作り出したことから広まったと言われています。

その男こそ、茶人千利休です。

彼の目指した空間、哲学は多くの方に共感を呼び、茶道は平民にも知られるようになります。それに伴い、畳の活用方法も民に知られるようになったと言われています。

もしこの世に千利休がいなければ、今もなお畳は高貴な身分の方だけのものだったかも・・・しれません。

【歴史】畳が広まった理由は茶道?|畳年表でみる畳の歴史

コロナ後の畳

江戸時代〜明治を迎えると洋室と呼ばれる空間が登場します。この頃はまだ和洋折衷で何とか畳を敷いた空間が使われてきましたが、その後、激動の昭和、そして平成を迎えるとライフスタイルが変化し、和室が不要な空間に変わってきました。

しかし、最近はコロナウイルスの影響もあり巣篭もり需要が増加。子供を遊ばせるスペースに、テレワークに、お昼寝スペースに、オンライン趣味のスペースに、勉強するスペースに置き畳が人気を集めています。

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なぜ置き畳なのか。これはジョイントマットやプレイマットより汎用性が高く、カーペットよりソフト素材であり吸音性が高い。また、ジョイントマットの匂いが嫌いなどなど理由があるようです。

置き畳について詳しくは私のブログを読んでください。

折りたためる畳マットとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

▼置き畳のメリット、デメリット:https://phkkoomde.com/tatami/tatami-place/

▼子供にオススメの置き畳:https://phkkoomde.com/life/huroa/

まとめ

畳の歴史を調べると面白い事実に気がつきます。畳は時代の要所要所で、使い方に変化が起きていたことです。

家具として使われていた畳が、いつの間には床に敷かれ、茶道に用いられるようになる。その後も時代が変わるのと同時に畳は少しずつ姿形を変えながら使い方を変化させてきました。

この使い方の変化こそ、畳をはじめとしたモノづくりで重要な視点なのかもしれません。私も畳職人として、そういったことに注視して畳作りに邁進していこうと思います。

最後まで読んで下さりありがとうございました。もし良ければ私のブログもよろしくお願いします。

▼ブログ:https://phkkoomde.com/

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