見出し画像

なぜ教員不足・教職不人気なのか?

教員採用試験の倍率が低下し、教員として優秀な人材の確保が急務*1との話が度々出ています。なぜ教員が足りていないのでしょうか?理由を考えてみました。

能力を活かさず使い潰すから

大学院修士資格をもつなど専門性の高い教員養成が必要だと言われています*2。しかし、いくら専門性が高い教員でも、初任者の立場では他の人が持ちたがらない負担の大きな校務分掌や部活動が押し付けられる事が多いです。教科指導よりも書類仕事や未経験のスポーツの部活指導に長時間従事させられ、専門性が活かせないことになります。

せっかく学んで身につけた専門性を活かすことができず、専門外の業務で長時間働かされるようでは、多くの人は教職を敬遠するのは当たり前です。

待遇が悪いから

講師の待遇は悪いです。講師は非正規雇用です。常勤講師の場合、正規教員と同じ職務・職責・勤務時間なのに、給与だけが低く抑えられています。非常勤講師の場合、担当する授業数に応じて給与が支払われます。時給は2,000〜3,000円ですが、授業準備や課題のチェック、授業と授業との間の待ち時間などを含めると、時給は実際には半額以下になります。

民間でも人手不足の今、このような待遇では、若者は教職を敬遠してしまうでしょう。

まとめ

求める人材と実際とが大きく乖離していることや、長時間労働や給与の面での待遇の悪さが、教員不足・教職不人気に拍車を掛けることになっています。果たして、このままでいいのでしょうか?

引用文献

*1 教員採用選考試験における競争率の低下― 処遇改善による人材確保の必要性 ―
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2019pdf/20191101018.pdf

*2 修士レベルの教員養成について 文科省
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo11/001/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2012/03/13/1312496_01.pdf



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?