サウナ 65　反省サウナ

サウナに通っています。
安定した水温の水風呂は、とても魅力的ですが、季節によって変わる水風呂も、また違った価値を感じます。

そしてなによりも、サウナにはおもしろいおじさんがいます。
サウナにだけ、いるというのもおかしな話なので、普段の生活でも出会っているのでしょう。しかし、裸で、狭い場所で、しばらくの時間を、厳しい環境の中で過ごしているサウナは、その人のおかしな部分をさらけ出してくれるのかもしれません。

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ふざけた熱さの「ゆ～遊」ローリューの記事です！
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・エッセイ 18　新品８万の折りたたみ自転車の中古を、３万ちょっとで手に入れたら、追加でたくさんお金がかかったという話　← 長いです！

今回のおじさんは「反省おじさん」です。
これは初めてのおじさんです。おそらくとても貴重な行動です。

サウナ室の端で、ひとりずっと立っているのです。

座る場所はたくさん空いています。
ただ、立っているのです。

その方が入ってきた時に、私は３段ある座席の上の段に座っていました。扉が開きその方が部屋に入ると、周りを見渡しそのまま扉の横に立ち、腰にタオルを巻いて、私たちのいる座席を向いて直立不動です。

私は、この状況の理由を考え始めます。

・他のお友達が来るのを待っているのか？
・お気に入りの場所が空くのを待っているのか？
・より熱い上部の空気を頭に浴びたいのか？
・膝を曲げるのが不自由なのか？
・自分自身に縛りを設けて楽しんでいるのか？
・不思議な行動を取ることで、周りの反応を見て楽しんでいるのか？

その方が立っている眼の前、下の段に座っている方は、この不思議な状況の圧迫感を感じているようで、少々落ち着きがなく顔や頭を手で触ったりしています。

私は、この状況の顛末を見届けようと、頑張っていましたが、さすがに13分を超えたあたりに部屋を出てしまいました。
私が横を通り扉を開けても、その方は全く動じず反応することすらありませんでした。

水風呂からもサウナ室の中を窓越しに見ていました。休憩椅子に座っても、ときどきサウナ室の方を観察していました。
しばらくすると、その方はサウナ室から出て、水風呂に向かい、椅子でのんびりしていました。

ふつー

いや、ふつーではないのか？
いやいや、立ってただけです。普通にサウナを楽しんでいる方でした。

この様子は、教室の横で立たされて、反省している学生さんのようなものではありましたが、その立ち姿はなにも違和感を感じさせない自然そのものの立ち居振る舞いで、「反省おじさん」という名前をつけるには少しズレているような気もしています。

別の日ある方が、サウナ室の一番下の段で、膝をぴったりと揃えて背中を曲げ、顔を下に向け、視線はおぼろで膝の上に力なく置かれた指先をぼんやりと眺めている方を見かけました。
額から流れ落ちる汗が、悲しみの涙にも見えます。

まさに「反省おじさん」でした。

反省おじさんを二人見かけたので、この記事を書いてみました。