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サウナ 36 おじいちゃんの遠い想い出

このnoteの記事のタイトルに、

1話~22話まで「トトノワナイ」と付けていました。
23話~32話までは「トトノウカナ」と付けていました。
そして、それ以降の33話からは何も付けていません。

サウナの不思議な魅力に、特に「トトノウ」というよくわからない感覚を求めてサウナを始めたのですが、何度もサウナに通うようになって、「トトノウ」ということには、だんだんこだわりがなくなってきていました。

とはいっても、トトノウことを諦めたわけではなく、サウナに行くと今でも期待と楽しみのようなものを楽しんでいます。もしかしたら、もうトトノッテいるのかもしれません。

サウナでは、トトノウこと以上の楽しさを感じています。
そこにいる人たちが楽しいのです。

今回のnoteもそんな話題です。

過去noteです。(おすすめ記事です!! 目次ではありません ♪ )
サウナ初心者のおっさん(46歳)が「トトノウ」というよくわからない感覚を求めてサウナに通う話
サウナ 15 青春ローリュー おすすめ!
サウナ 16 海の見えるサウナ おすすめ!
サウナ 19 なぞの砂時計 ←1番人気
サウナ 23 ぶっキマりサウナ ←2番人気
サウナ 27 イメージトレーニングはバッチリ ←3番人気
サウナ 32 海の見えるサウナ2 ←おすすめ!
サウナ 33 おかわりローリュー「1回で」 ←おすすめ!

最近よく釣りに行っています。

釣り自体は、父親に連れて行ってもらっていた頃からなので、40年以上続けています。(釣り好きは遺伝するのでしょうか?兄も釣りバカです)

釣りをほとんどしたことがない人にとっては、釣りというのは始めるときのハードルが少し高いらしく、新たに始めることが難しいようです。

「永遠に幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という中国の古い諺(ことわざ)にもあるように、「ひとりの楽しみ、家族との楽しみ、友人との楽しみ、費用に応じた楽しみ、時間に応じた楽しみ、年齢に応じた楽しみ」など、あらゆる場面で役に立っています。

子供のころから「釣り」に親しんできた環境を、親に感謝しています。


と、いったところで、釣り帰りのサウナです。
朝から昼まで岩場を歩き回り、ルアーを投げまくり、ヘトヘトになった状態でのサウナです。


浴場に入り、身体を洗い汗を流し、少しのんびりした後のサウナインです。

定員10名弱ほどの広さのサウナ室には2人のおじさんが座っていました。
空いている場所へ座り、考え事をはじめます。


サウナ室に入って、「あ~気持ちいいっ!」っていう人がいるけど、サウナ室って熱くて息苦しいのに、なんで気持ちいいんだろう?
風呂に入って「あ~気持ちいいっ!」ってのは、わかるんだけどなぁ。

なんてことを考えていました。

サウナに入ったことによって、その先の水風呂や整いのことをイメージしてしまうような「先読み気持ちいい」ってことなんだろうなぁと、勝手に理由と名称をつけたりしていました。(ただ暑苦しいのが気持ち良い人なのかもしれません)

(いつもどうでも良いことを考えています。)
(ジョギング、草むしり、サウナなどは、どうでもよい考え事をする時間として重要です。)


釣りでの疲労が残っているので、身体は少々お疲れ気味。
サウナでしっかり温まり、水風呂でしっかり冷やすと、(この冷やすのが大事だと感じるようになりました)頭の中が少しクラクラ。

椅子に座りのんびりすると、身体の力が抜ける感じ。

のどの奥から通ってくる息が、冷たく感じていました。
この感覚は初めてのものだった気がします。


2回目のサウナインです。サウナ室には2名ほど。
上の段に座りじっとしていると、一人のおじいちゃんが入ってきて下の段に座りました。

しばらくすると、おじいちゃんが後ろを振り返り、みんなのいる方へ向かって、

「サウナってのは、痩せてなくて貫禄ある方が似合うなぁ」と。


私も含めた3人は「???・・・」

と、いうのも、3人ともそれほど体格が良いというわけでもなく、逆に痩せているわけでもなく。
さらに、おじいちゃんも、それほど痩せているわけでもなく。

だれかに向けて言っているような話ではないようです。

だれかに向けて話しているとしたら、おじいちゃん自身は痩せていて、さらに部屋の中の誰かが体格良く太っていてこそ、成り立つ話題です。(「自分は痩せていてサウナは似合わないけど、お兄さんは体格が良くサウナがよく似合ってるね」という感じ。)

そんなことを頭の中で考えながらも、「今日のサウナもおもろくなりそう」なんて思い始めていました。


だれもが返事をすることができず、しばらく無言が続いていましたが、もう一度おじいちゃんが振り返り、

「昔サウナが最初にできたのは、市場の前あたりだったんだよ。銭湯の3倍の値段がしてたんだよな。」

この町に始めてサウナが出来た時の話が始まりました。(いつの事?)

「この前その近くを通ったら、もう無くなっててね。」


話しかけられているのは、私を含めて3人。他の2人は聞いているのか全くの無反応。

私はウンウンとうなずいて聞いていると、ターゲットにロックオンです。
私に向けてのお話となってきました。

しばらくすると、2人は部屋から出ていきました。

おじいちゃんと2人っきりの、相席サウナ


「若い頃はサウナによく行かれてたんですか?」

「いや、そんなには行ってないんだけど、飲みに行った後にサウナに行くのがカッコよかったんだよな」と、おじいちゃん

サウナはファッションだったのか!!(おもろい話題)


「飲みに行く前にもサウナに行くこともあったな。おネエちゃんに会うのにきれいにしてな。キャバレーやダンスホールなんかに行ってたなぁ」

えええっ!!(おもろー!!)

「いいっすねぇ!!」

ディスコやクラブでもなくダンスホール。
尾崎豊の歌にしか出てこないようなダンスホール。

カッコいいっ!!

「ダンスホール、どこにあったんですか?」

なんて聞いてみたり。
おじいちゃんも楽しそうに話してくれました。


しかし、ここはサウナ室。熱くて苦しいサウナ室。

おもろい話をしたいのですが、耐えられず水風呂へ向かいました。

おじいちゃんは、まだしばらく出てきません。


椅子に座ってのんびり目をつむっていました。

しばらくして、目を開け水風呂の方を見てみると。

うつぶせになって両手両足を前後にだらんと伸ばしてプカプカと浮いているおじいちゃんが。(水死体のように)

おじいちゃん、元気だなぁと感じたサウナでした。

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