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決められた道を外れること

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高校生→医学生→研修医→専門医・大学院生という医師としてのド定番を逸れるとはどういうことか。日記みたいなもの。
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#医者

浅井という男④

浅井という男④

しばらくは初期研修医の活動を1ヶ月ほどこなすだけの日々が続いた。

どうしたら良いか分からなくなっていた。

浅井自身も、

「しばらく海辺に住むわ」と言って2週間ほど帰ってこなかった。

あとあと聞いた話だが、千葉県のどこかの海岸沿いに木で小屋を立てて、サーファーと住んでいたとか、いなかったとか。

この時期、自分は地域医療を学ぶローテートをしており、ほぼ1ヶ月の間、外部の医療機関に出向くことが

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「浅井」という男

「浅井」は大学の同級生である。
彼は唯一、大学の同級生の中でビジネスライクな考え方を持っていたと思う。

大学を卒業したはいいが、本当に医者をやりたいのか。
その疑問に対し、一番早くに行動を起こしていた。

自分は東京都小平市にある病院で研修を行なっていた。
そんなある日、突然連絡があった。

「今から東京に引っ越すけど、家に住ませてくれない?」

よく分からなかったが、即OKを出した。
(当時、

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医者はエリート洗脳民である

2009年春、医学部に入学した。
入学までの自分はいわゆるガリ勉優等生であった。
と同時に、「自分は優秀なんだ」という感覚を持っていた。
医学部に入学した学生の90%以上は同系統なのかもしれない。

医学部は、一般的な学部と異なり、極めて閉鎖的社会である。
一般的な大学生はサークルや部活動を行う場合も、あらゆる学部生が参加するだろう。しかし、医学部は異なり「医学部生だけのサークルや部活動」に参加す

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