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夕空晴れて~ありがとう『はね駒』 20.9.19

(2018年9月19日のツイート)

BSプレミアムで再放送中だった朝ドラ『はね駒』が本日最終回を迎えた。

ここでも何度か書いているが、ころな騒動で本放送の朝ドラも含め新作ドラマが次々と中断・開始遅延を招く中、朝ドラ再放送なので当然ではあるが、日曜の再々放送も含めて毎日放送され、不安な世情にくじけそうな心の支えになっていた。

主演は斉藤由貴さん。前年にアイドルデビューし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのころ。
ストーリーは、おてんば娘のヒロイン「りん」が、自分の縁談を破談にして、女学校に進学し、別の男と結婚後、新聞記者になる――という、男性社会で奮闘する半生記。
基本的にはコメディタッチだが、時代背景により、兄弟や親戚の何人かが命を落としたり、重い障害を負ったりと、重い展開も随所に見られる。

ちなみに、放送開始の1986年4月に「男女雇用機会均等法」が改正された。

本放送時もリアルタイムで観ていて大筋は覚えていたのだが、細かい部分は忘れていたところもあって、特にクローゼット・ゲイ? にも見える梅沢のことはすっかり記憶から抜け落ちていた。
総集編はビデオに録画していたが、当然彼の出番はカットされていたので。


平均視聴率が40%以上最後の作品であり、まさに朝ドラ黄金期の作品。
安易に「昔はよかった」話はしたくないが、今の朝ドラと比べると……やはり面白い。

もちろん、現代の感覚で見れば「??」なところも無くはない。
たとえば、りんが(今でいう)バイトで女中奉公をしていた時、屋敷の男から手籠めにされそうになっても泣き寝入り、とか、職場でのお茶くみはあくまで女の仕事、とか。

それを差し引いても、胸を打つのは、脚本家が女性であり、りんとどこか似たような生き方をしてきたからではないかと推察。


ところで、『おしん』などに代表される、第二次世界大戦を隔てたいわゆる「一代記」物が多い中、この話は明治の時点で終了する。
少し疑問に思っていたのだが、主人公のモデルになった女性記者が、1918年(大正7年)、41歳で病のため死去したとのこと。
ドラマの最終回の6年後……。

ドラマはドラマ、現実は現実とは言え、この事実を知ったときちょっとショックだった。

現実、と言えば

ドラマでは貞淑な妻と夫を演じた斉藤さんと渡辺さん。
のちにリアルでどうなったかは……。

よしておこう。
自分から振っておいてなんだが。



ドラマに話を戻すと、このドラマでは音楽が重要な意味を持っていた。
この記事のタイトルの「夕空晴れて」とは『故郷の空』の歌い出し。
ことあるごとに登場人物がそれを口ずさみ、最終回へとつながる。
さらに、三枝成彰氏(最終回にも出演)が担当された劇中の音楽がまた泣かせる……。


最後に、個人的な思い出。
本放送当時、僕は高校二年だった。高校三年だったら受験勉強で見る暇がなく、人生でもっとも多感な時期にこのドラマを観られたことが、
そして、人生でもっとも不安な時期に再度このドラマを観られたことが、

本当に幸せだった。


ありがとう『はね駒』
ありがとうございました、寺内先生。



斉藤さんと渡辺さんは――

もう不●しないでね。

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