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短歌×随想

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エッセイというほど大層なものでもなく。 日記のような雑記のような。
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J研 〈短歌×随想〉

 という単語に青春時代を思い出す人はどのくらいいるだろうか。

 先日、部屋の片付けをした。昔の懐かしいものに思いを馳せ、なかなか作業が進まないというお決まりの展開であったが、片付けの終盤に、なんとなく初代携帯電話の電源を入れてみた。

 この携帯電話を使っていた当時は着メロ(着うた)全盛期だったと思う。
当時はパケット通信料を気にしながらのケータイライフで、動画サイトなどはもってのほかであったか

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大人になりたかった〈短歌×随想〉

 子供の頃、職員室が好きだった。

 コーヒーのにおい、仕事をしているという雰囲気、先生同士が「同僚」としてふざけあっている様子。
 常にスーツ、逆にいつもジャージ、上だけジャージを羽織るなど、先生それぞれのスタイルの過ごし方や、机に乗っているお菓子や私物を見るのが好きだった。

 思えばコーヒーが飲めない頃からコーヒーの香りは好きだった。幼稚園児の頃、親が役員をやることになり、会合などに連れてこ

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キュウリの話(ではない)〈短歌×随想〉

 タイトルをつけるのが苦手だ。
 思い付いたタイトルと全然違うところに着地してしまう。よって今回もキュウリが主題ではない。

 しかし、思い付いたところから話をさせてもらうと、私はキュウリが大好きだ。
 病めるときも健やかなるときもキュウリなら美味しく食べられる。
 特に好んで食べるのは、つい最近ちょっと話題になったファミマのお◯さん食堂、「胡瓜のおつまみ」だ。味はしっかりしているが、濃すぎず、針

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しなくてもよいこと〈短歌×随想〉

 ヤフーニュースに、養老孟司さんの記事が載っていた。愛猫「まる」の死について思いを馳せ、語られた記事である。
 「まる」の生前、養老さんは(おそらく寝ているであろう「まる」に気を遣い)音を立てないで縁側のそばを歩くようにしていたところ、今でもつい、まるが生きている感覚が抜けずに同じようにしてしまい、もうそんなことをしなくてもよいと気づいたとき、寂しくなるのだそう。

 私も同じことを感じたことがあ

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