ハルツォク・ジャパン

素材の試料調製、試料作成を行う分析前処理装置を専門に取扱っている会社です。 昔からある…

ハルツォク・ジャパン

素材の試料調製、試料作成を行う分析前処理装置を専門に取扱っている会社です。 昔からある地味でアナログな検査方法ですが、『日本の品質』を支えてきた大切な分野です。 装置メーカーの視点から、品質向上にお役立つ情報の発信、共有をしていきたいと思っております。

マガジン

  • 試料作成 消耗品の基礎知識集

    組織観察等で、試料作成をする際に使われる消耗品の豆知識をご紹介します。基本的なところから、ちょっと深い所まで、あなたのお役に立つ情報があるはずです!多分… 切断、埋込、研磨をやられているという方は一度覗いて行って下さい。

  • 精密切断は『日常メンテナンス』が命!

    クーラントの重要性、劣化の原因とその対策についてご紹介した内容です。

  • 分析・品質管理の自働化の動向

    現在、世界中の鉄鋼やセメント業界の多くの現場で、ハルツォクの試料調製装置が稼働しています。正しいサンプリングから自働化の運用方法まで、分析の前処理工程を専門に30年培ってきたノウハウをご紹介致します。

最近の記事

”スチレンフリー”の試料埋込用ポリエステル樹脂『アクア』のご紹介

「アクア」は2液性混合硬化型の試料埋込用のポリエステル樹脂です。最大の特長は、通常のポリエステル樹脂には必ず含まれている”スチレン”を含んでいないという点です。 スチレンは2014年に"特定化学物質"に指定されたことで、ポリエステル樹脂を取扱う状況は一変しました。しかし、この問題を解決する商品が登場します。それが「アクア」です。 ポリエステル樹脂のメリットポリエステル樹脂は、試料埋込用の常温樹脂として多くの現場で使われてきた歴史があります。メリットは「硬化時間が早い」「多く

    • 精密切断機は『日常メンテナンス』が命です!③【お掃除編】

      精密切断機のお掃除は切削屑を取除くが基本です。切断して終わりではなく、切断して切断屑をすぐに取るという作業までを一連のルーティンとしましょう。 ①切断室の掃除切断後には、切断室内に切削屑が飛び散っている状態です。塊りとなった切削屑を取除き、細かい切削屑はウエスや雑巾で拭き取り出来るだけタンクへの流入を減らしましょう。この時、切断室の側面の壁、天井も切削屑が付いていれば拭き取りましょう。 一日の終わりには、砥石を外して砥石カバーや軸回りに着いた切削屑を取除きましょう。テーブ

      • 精密切断機は『日常メンテナンス』が命です!②【クーラント管理編】

        金属イオン、異種金属接触腐食、バクテリアによって起きるトラブルに対抗するには掃除とクーラントの管理に尽きます。ここでは、クーラントの管理方法について詳しく説明していきます。 クーラントの管理方法クーラントを運用する上で大切なことは下記の3点です。これらが出来ていれば、精密切断機はトラブル無く清潔に長く使用出来きます。逆に、出来ていないと錆びだらけになりトラブル続きの短命な装置になってしまいます。これは、どのメーカーの精密切断機であっても同じです。 ・タンクの清掃 ・クーラ

        • 精密切断機は『日常メンテナンス』が命です!①【トラブル原因編】

          精密切断機の日常メンテナンスは掃除とクーラントの管理です。「切断消耗品の基礎知識③~クーラント~」でクーラントの運用方法等をご説明させて頂いておりますが、ここではもう少し掘り下げて何故、日常メンテナンスが大切なのというところを、ご紹介していきます。 精密切断機をお使いの方に、日常メンテナンスの大切さを知ってもらいたい理由は、殆んどの現場でこの日常メンテナンスが不十分が為に、装置に錆、腐食が起こり不具合を起こしているという現実があるからです。修理でお伺いすると、切断室は切削屑

        ”スチレンフリー”の試料埋込用ポリエステル樹脂『アクア』のご紹介

        マガジン

        • 試料作成 消耗品の基礎知識集
          4本
        • 精密切断は『日常メンテナンス』が命!
          3本
        • 分析・品質管理の自働化の動向
          5本

        記事

          試料研磨機を購入する前に、押さえておきたいポイント(後編)

          装置の仕様と価格帯で希望するモノが見つかったので購入へ、と行く前に装置のデモを行ってもらいましょう。装置が納品されてから、イメージと違った、ここがちょっと気に要らないなどがあると、メーカーとしても悲しいので、購入前に確認が出来れば、修正や手直しも可能な限り行ってくれるはずです。 また、試料研磨機は「研磨条件」が無ければ、希望している研磨は出来ません。研磨条件が出来ていなければ、納品後すぐに使える装置ではないのです。研磨条件を作るには、経験が無いと1か月以上掛かることもあります

          試料研磨機を購入する前に、押さえておきたいポイント(後編)

          試料研磨機を購入する前に、押さえておきたいポイント(前編)

          試料研磨機は、組織観察、断面検査、硬度測定、薄片試料作成で使われる研磨機で多くの業界、業種で使用されています。そのため、試料研磨機メーカーは10社以上あり、研磨機のタイプも様々です。ある程度、研磨機を使っていないと、研磨機の選定に苦労します。 そこで、試料研磨機の購入時に押さえておきたいポイントをご紹介します。 仕様書を作ろう何の情報も無いまま、すぐにメーカーや代理店に相談すると、心理的に主導権を販売側に委ねてしまいますので、大抵はオーバースペックの装置を買ってしまったり、

          試料研磨機を購入する前に、押さえておきたいポイント(前編)

          【30周年セール 第2弾!】 試料研磨機を30万円でご提供

          おかげさまでハルツォク・ジャパンは今年で30年を迎えます。そこで、30周年記念キャンペーン第2弾として、試料研磨機『FORCIPOL-102』を破格の30万円(税抜)でご提供を致します。通常では、ご提示出来ない価格ですが、弊社創業30周年の感謝を込めて利益還元MAXでやらせて頂きます! ただし、数量限定となっておりますのでお早目にお問い合わせ下さい。数量は10~20台の予定となっております。つまり早い者勝ちです! キャンペーン内容は?装置は1軸手動試料研磨機『FORCIPO

          【30周年セール 第2弾!】 試料研磨機を30万円でご提供

          分析・品質管理の自働化の動向⑤

          全自動化前記事までの概論を含めた各要素を連結し自動化すれば、自動化の完結。となる訳ですが、そう簡単ではありません。ここで重要な事は、各要素・処理を物理的に連結するだけでなく、大切に採取されたその時々の代表試料を迅速に搬出し適切に前処理して分析を行う全工程を確実に管理・運行する事であります。即ち管理・運行するとは、分析試料の適正な搬送、試料毎の前処理の最適な選択、またそれらの過程を履歴として全て残し、試料処理の身元を保存・管理する事にあります。 これにより、所謂トレーサビリティ

          分析・品質管理の自働化の動向⑤

          分析・品質管理の自働化の動向④

          粉砕・プレス / ビード一般的に鉱物等の非導体の機器分析にはXRF分析装置(成分分析)・XRD分析装置(鉱工業では主に化合物の分析)が広く利用されています。前記事までで述べたように、代表試料を汚染の無いように搬送し、その貴重な試料を分析装置で測定できるような状況に処理しなければなりません。 この処理が適切に行われないと、高価な分析装置から出てきた分析結果は全く意味のないものになってしまいます。機器分析における分析結果は決して真値ではありません。 勿論、湿式の化学分析等とは異な

          分析・品質管理の自働化の動向④

          分析・品質管理の自働化の動向③

          試料搬送一般的に試料採取カ所と分析を行う箇所にはそれなりの距離があります。勿論、分析装置を試料採取の現場に設置するケースもあります。しかしながら、周囲環境に影響を受けやすい過敏な分析装置を現場で管理する事は難しいことと考えます。各サンプリング箇所から高速で試料を分析室まで搬送し、迅速に機器分析を行うことが世界的なトレンドとなっております。また、現場からの搬送を人による搬送としますと時間的にも又、搬送の信頼性も低くなり、自動高速搬送が現在では、分析試料の最良の選択肢となっていま

          分析・品質管理の自働化の動向③

          分析・品質管理の自働化の動向②

          機器分析におけるサンプリング・搬送・試料調製前の記事で付帯作業であると述べたサンプリング・搬送・試料調製でありますが、機器分析において重要な核になる要素であります。一般的に機器分析から生じる総エラーを100とすると分析装置のエラーは 5(100に対しての割合)サンプリングで80、試料調製で15と言われております。従って、多くの分析値のエラーはサンプリング及び試料調製に由来する事が多いと評されています。 分析装置に関しては多くの分析装置メーカーにより切磋琢磨され、分析装置 の完

          分析・品質管理の自働化の動向②

          分析・品質管理の自働化の動向①

                              ハルツォク・ジャパン株式会社                     技術・プロジェクト担当取締役                             小須田 道彦 はじめに"日本製品の品質は世界のトップクラスである" 今日で世界の常識のように言われております。しかしながら、私が小学生の頃の半世紀以上前には、主に欧米製品を称し舶来品(はくらいひん)といわれ、高価で高性能、高品質であるといったー般的な評価がありました。その後の先輩諸

          分析・品質管理の自働化の動向①

          切断消耗品の基礎知識②~切断ホイール~

          切断ホイールは超砥粒と呼ばれる、ダイヤモンド砥粒とCBN砥粒の2種類があります。鉄系(炭素含有量が多い材料)はCBN、それ以外はダイヤモンドを推奨します。 切断ホイールは外周部に砥粒を電着させています。主に小型の精密切断機で使用します。切断ホイールは砥粒の粒度、集中度、ホイールの厚さに注意が必要です。砥石に比べると強い負荷は掛けられないため切断スピードは遅くなりますが、回転数は砥石より高速回転でき、曲がりにくいので綺麗で真直ぐな切断面を得ることが出来ます。 基板、セラミック、

          切断消耗品の基礎知識②~切断ホイール~

          埋込消耗品の基礎知識①~熱間樹脂~

          熱間樹脂は粉末や顆粒状の樹脂で、熱と圧力を掛けることで硬化し固まるものを言います。熱間樹脂で埋込を行う場合は「埋込機」を使用します。試料埋込はモールドと呼ばれる型に熱間樹脂と試料を入れ、プレス成型のように埋込試料を作成します。熱間樹脂で作成した埋込試料は、硬度が高く、上面と底面の平行性も良いので、個別荷重での研磨でも片研磨が起き難いのが特長です。             埋込機 ECOPRESS-52 熱間樹脂の種類弊社では熱硬化性のフェノール、エポキシ、ジアリルフタレー

          埋込消耗品の基礎知識①~熱間樹脂~

          切断消耗品の基礎知識①~精密切断砥石~

          切断砥石と言っても、その種類は多種多様ですが、試料切断で使われるものは、精密切断砥石と呼ばれる湿式用の薄い砥石です。補強材は入っておらず、柔らかめの設計になっています。レジン(樹脂)ボンドに砥粒を混ぜてプレスし焼き固められ製造されます。精密切断砥石で使用される大きさはΦ150~300mmが一般的です。 砥粒の種類砥石の砥粒はアルミナ系と炭化ケイ素系の砥粒を使用することが一般的です。アルミナ系(A, WA, HA)は鉄系材料に使用し、炭化ケイ素系(GC、C)は非鉄系材料やガラ

          切断消耗品の基礎知識①~精密切断砥石~

          精密切断砥石で試料を切る理由

          扱い難い精密切断砥石精密切断砥石は150~300mm程度と外径が大きい上、補強材も無く、薄く柔らかく作られる性質上、硬度の調整が難しく製造時の気温や湿度、保管時の期間や状態により、砥石の硬度が大きく変わってしまうという欠点があります。通常は気付かないレベルの差ですが、今まで問題なく切断出来ていたものが、同じ条件で新品の砥石に変えて切断したら切断面が焼ける、刃先がブレて斜めに切断されるといった事が起きたら、砥石の硬度不良を疑います。この場合、不良はロット単位で発生することが多い

          精密切断砥石で試料を切る理由