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分析・品質管理の自働化の動向

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現在、世界中の鉄鋼やセメント業界の多くの現場で、ハルツォクの試料調製装置が稼働しています。正しいサンプリングから自働化の運用方法まで、分析の前処理工程を専門に30年培ってきたノウ… もっと読む
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分析・品質管理の自働化の動向①

分析・品質管理の自働化の動向①

                    ハルツォク・ジャパン株式会社
                    技術・プロジェクト担当取締役
                            小須田 道彦

はじめに"日本製品の品質は世界のトップクラスである" 今日で世界の常識のように言われております。しかしながら、私が小学生の頃の半世紀以上前には、主に欧米製品を称し舶来品(はくらいひん)とい

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分析・品質管理の自働化の動向②

分析・品質管理の自働化の動向②

機器分析におけるサンプリング・搬送・試料調製前の記事で付帯作業であると述べたサンプリング・搬送・試料調製でありますが、機器分析において重要な核になる要素であります。一般的に機器分析から生じる総エラーを100とすると分析装置のエラーは 5(100に対しての割合)サンプリングで80、試料調製で15と言われております。従って、多くの分析値のエラーはサンプリング及び試料調製に由来する事が多いと評されていま

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分析・品質管理の自働化の動向③

分析・品質管理の自働化の動向③

試料搬送一般的に試料採取カ所と分析を行う箇所にはそれなりの距離があります。勿論、分析装置を試料採取の現場に設置するケースもあります。しかしながら、周囲環境に影響を受けやすい過敏な分析装置を現場で管理する事は難しいことと考えます。各サンプリング箇所から高速で試料を分析室まで搬送し、迅速に機器分析を行うことが世界的なトレンドとなっております。また、現場からの搬送を人による搬送としますと時間的にも又、搬

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分析・品質管理の自働化の動向④

分析・品質管理の自働化の動向④

粉砕・プレス / ビード一般的に鉱物等の非導体の機器分析にはXRF分析装置(成分分析)・XRD分析装置(鉱工業では主に化合物の分析)が広く利用されています。前記事までで述べたように、代表試料を汚染の無いように搬送し、その貴重な試料を分析装置で測定できるような状況に処理しなければなりません。
この処理が適切に行われないと、高価な分析装置から出てきた分析結果は全く意味のないものになってしまいます。機器

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分析・品質管理の自働化の動向⑤

分析・品質管理の自働化の動向⑤

全自動化前記事までの概論を含めた各要素を連結し自動化すれば、自動化の完結。となる訳ですが、そう簡単ではありません。ここで重要な事は、各要素・処理を物理的に連結するだけでなく、大切に採取されたその時々の代表試料を迅速に搬出し適切に前処理して分析を行う全工程を確実に管理・運行する事であります。即ち管理・運行するとは、分析試料の適正な搬送、試料毎の前処理の最適な選択、またそれらの過程を履歴として全て残し

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