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分析・品質管理の自働化の動向①

                    ハルツォク・ジャパン株式会社
                    技術・プロジェクト担当取締役
                            小須田 道彦

はじめに

"日本製品の品質は世界のトップクラスである" 今日で世界の常識のように言われております。しかしながら、私が小学生の頃の半世紀以上前には、主に欧米製品を称し舶来品(はくらいひん)といわれ、高価で高性能、高品質であるといったー般的な評価がありました。その後の先輩諸氏のたゆまぬ努力により日本製品の品質が向上し、今では日本製と言えば高品質・高付加価値な物である。このイメージが世界に定着した感があります。また、それにより戦後、高品質で安価な多くの日本製品が世界市場を圧倒しました。今後も先人が築き上げた日本ブランドのイメージを維持し、高品質製品が我が国経済に貢献していくことは必須であると確信します。
そのためには、分析又品質管理の自動化が重要と考えます。その顕著な例は韓国・中国の台頭であります。わずか、ここ20年ほどの間にこれらの国において分析・品質管理の自動化が急速に進みました。
それに比例して品質が向上したことが見られます。これは、自動化により分析の見える化が図られ、品質管理がより身近になり品質が向上した事が要因の一つと推測されます。日本では未だに多くの熟練技術者に頼ることが見受けられますが、その熟練技術を維持しながらも、機器分析では自動化を進めることが必要と考えます。

鉱工業をはじめ多くの日本の素材産業の品質管理・分析においては、蛍光X線を用いた機器分析による品質管理が行われてきましたが、付帯作業であるサンプリング・搬送・試料調製の多くは熟練者の手動操作によるものであります。
しかし、ここ2~30年の間の日本の人口変動、また若者の職業選択肢の変化等により、日本においても近年サンプリング・搬送・試料調製を含めた機器分析の自動化が進んでいることを実感し、今後も更に進んで行くものと推測します。機器分析の自動化は、人の省力化は勿論ですが、分析精度向上、分析品質管理の透明化、品質管理のエラーの追跡の容易化等数え切れぬ利点が挙げられます。
概論が長くなりましたが、次の記事より各々に付き説明し、最終項にてそれらの集合体の自動化システム 図1(品質管理における自動システムの概略図)の概念に触れます。

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