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分析・品質管理の自働化の動向④

粉砕・プレス / ビード

一般的に鉱物等の非導体の機器分析にはXRF分析装置(成分分析)・XRD分析装置(鉱工業では主に化合物の分析)が広く利用されています。前記事までで述べたように、代表試料を汚染の無いように搬送し、その貴重な試料を分析装置で測定できるような状況に処理しなければなりません。
この処理が適切に行われないと、高価な分析装置から出てきた分析結果は全く意味のないものになってしまいます。機器分析における分析結果は決して真値ではありません。
勿論、湿式の化学分析等とは異なる訳であります。非常に簡単に論ずると、分析時にX線を試料表面に照射し試料表面から反射された二次X線の強度(強さ)を事前の検量線を介して計算された値であります。従いまして、反射される試料の表面の状態が非常に重要な要素となります。また、一般的に照射X線は試料表面の深さ方向で2~5μm程度と言われています。勿論、試料等の条件により異なりますが。いずれにしても試料の表層の性質が顕著に現れるわけです。従って、試料表面がいかに再現良く平坦・平滑で、しかも偏析がない事が重要です。

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先ず、偏析の抑制は鉱物効果(複合鉱物による粉砕粒度の差異)が無い様な適正な粉砕。その後のプレスにおいては平坦・平滑の再現性が重要となります。これらの要素の維持にはやはり専門の自動装置により処理される事が最善です。自動装置は与えられた処理条件に従って可動し、それにより再現性は確保され、更に、その他の条件の具現化も可能となります。自動化により手動作業によるファジー性を無くす事を可能にします。
なお、鉱物効果の影響を無くすためには試料を溶融してガラス化する事が一般的であります。これらに付きましては数多くの事例・事象がありますが、紙面の関係上割愛します。

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写真1は、プレス時における鉱物効果の対比であります。両写真とも同様の倍率の試料表面ですが、左は鉱物効果が少なく、右は大きいことが分かります。

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