とにかく生き延びろ!第14回 人間はいずれ死ぬ。

「絶対というものがあるとすれば、それは人間は死ぬということだけ」という言葉を聞いたことがあります。

当たり前ですが、人間はいつか死にます。

しかし、その死を待つのが苦しい瞬間がある。

毎日は、ただ過ぎていくのではなく、ふとした瞬間の積み重ねであるのではないか、と思うことが多々あります。

死にたい瞬間というのは、もうそれ以上に何か考える手段がない状況です。

「人間はいつか死ぬ」とわかっていても、そのいつかを待つ余裕なんてないことばかりだと思います。

私はもう35歳になって、なんとなく人生の半分くらいが終わった気がしています。

もう半分しかないと思うと、足りないと思う日もあるし、この先今の体力が衰えていく一方かと思うと、気が滅入ることもあります。

それでも、死までの時間が昔よりも途方のない時間のようには思わなくなりました。

それに身近な人がポツリポツリと亡くなっていくと、ボンヤリと幻想のようだった死が輪郭を帯び、クッキリと身近なものに感じるようになりました。

若い頃は生きているのが辛かった。

これは私に限らず、多くの人が感じていたと思います。

1年1年が今よりずっと長く、果てしない時間に感じたあの頃。

例えば10歳の私は、1年を10回しか経験していません。

35分の1と、10分の1、1の重みが違います。

その1年の出来事が自分に重くのしかかるのは、当たり前のことのような気がします。

しかも学校は、無作為に地域で括られ、強制的に同じ部屋に入れられる。

たまたま合わない人ばかりでも、それしか経験がなければ自分が特殊な人に思うこともあるでしょう。

そして、若い頃はそれを運と流す余裕もありません。

若い頃の運の悪さを、人生ずっと続くと思わないで欲しいし、そしていつかはちゃんと死ぬ日が来ることを思い出して欲しい。

そして上手くいかなかったら、運が悪いんだと思ってとにかく逃げて欲しい。

もし運悪く熊やライオンに遭遇したらどうしますか?逃げるでしょう?

この世には、人間の顔をした熊やライオンみたいな人が沢山いるのです。

熊やライオンと戦う必要なんてありません。

そして、熊やライオンに遭遇した自分の運の悪さを、自分の責任には思わないはずです。

世界は広いし、人間はいつか死ぬ。

戦うなら、広い世界に向かうために戦いましょう。

その方がよっぽど生産的に人生を送れます。

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