マガジンのカバー画像

乳がんの記録

34
健康診断から、乳がん宣告、手術…の流れをまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

34.髪の毛

34.髪の毛


ヘアドネーションがん宣告される少し前、長男の卒業式を控えていた私は伸ばしていた髪を切った。
そしてヘアドネーションをした。

ヘアドネーションとは、小児がんや先天性の脱毛症など、頭髪を失った子どものために、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供する活動の事で、日本にもいくつか活動を行なっている団体がある。

以前、娘がヘアドネーションをしたのをきっかけに、私も髪を伸ばしていた。
息子の入学か

もっとみる

33.副作用、現る!

8月19日
それは突然やってきた。

13日に抗がん剤をうってから一週間、副作用らしきものもなく、のほほんと過ごしていた。
明日は主人が仕事で、私は食塩水注入のための形成外科の方の病院である。
23時ごろ、テレビを見ながら、軽く胸焼けがするので、炭酸水にカットしたライムを加えて、チビチビ飲んでいた。

急に下半身がだるくなった気がした。

あれ?
力が入らない。
だるくてだるくて、足に力が入らない

もっとみる

32.副作用、軽い?

8月15日(日)
終戦の日の全国戦没者追悼式典を見ながら、のんびり過ごす。

大雨のニュースを横目に、微妙な晴れ間と睨めっこしながら、主人はせっせと洗濯物をしてくれた。
「辛くない?大丈夫?」
(ハイ辛くないんです…私も何かします…)

全然辛くないのに洗濯を任せているのが申し訳なくて、私は入院中放ったらかしになっていたであろうキッチンの片付けをする。

明日から主人が仕事なので、食材の買い溜めを

もっとみる
31.抗がん剤治療1回目!

31.抗がん剤治療1回目!

8月12日(木)午前9時20分。
大雨の中、傘をさして20分歩き、病院に着く。
スカートの裾がびしょびしょだ。
今日から一回目抗がん剤治療のための入院!
そして入院前のPCR検査!

前回の手術の時、
「入院前にPCR検査しないといけないんですー」
と言われ、例の二回目の手術の時は、もう入院してるから要らんだろうと思ってたら、
「手術前はしないといけなくなって」
と言われ、じゃあ今回は手術ないから

もっとみる
30.乳房再建について

30.乳房再建について

私は乳がんのため右乳房を全摘出した。
手術の説明の時、乳房再建をどうしますかと聞かれた。

(えっ、そんなにすぐ決めないといけないの?)

手術の話の流れでそのまま聞かれたので、ちょっと驚いた。
元々再建しようかなと思っていたので、しますと答えた。
ちなみにすぐ答えないといけない理由は、手術の時に、再建の下準備をするかどうかだけと知った。

ちなみに、再建は、すぐしなくても後から出来る。
手術後の

もっとみる
29.病理検査の結果

29.病理検査の結果

7月26日、退院後初の受診。
傷の状態を確認するという形成外科の先生の受診予約に合わせて、乳腺外科の先生も「僕もここに予約入れとこ〜」と同じ日に合わせてくれた。
生検の結果が出るので、説明をという事らしい。
ドキドキ。

まだ車の運転が出来ないので、主人に連れられ病院へ。
月曜日の待合室は人で溢れていた。

退院してから、傷が痛くて意外と家事が出来ず、ご飯を作ったり、入院の荷物を片付けたりをのんび

もっとみる
28.退院

28.退院

7月21日、乳腺外科のM先生が朝の回診に来られる。
「今から管抜くね」
えっ!
心の準備も何もない…。

前日、同室の女の人がドレーンの管を抜いた。
「私、痛いかなって構えてたんだけど、痛くなかったわよ」「先生も痛くないっておっしゃってけど」
昨夜そう話をしていたのに。

先生、その手に持っているのは何ですか……?

「痛み止めの注射打ちますね」
嘘嘘、やっぱ痛いんじゃーーーーーーーーん!!!!

もっとみる
27.抜糸と注入

27.抜糸と注入

7月19日、いよいよ本日は抜糸の日。
手術から毎日様子を見てくれていた形成外科の先生が、「今日は抜糸をします」
という。

抜糸というと、出産の時、会陰切開をして縫った後、抜糸してもらった時の事を思い出す。
あれは痛かった。
「い゛っ!」
痛がるワタシに先生が、
「アンタ出産の方が痛かろうて、なに今更…」
と言って笑ったものだ。
何回やろうが痛かった。

アレを思い出して緊張した。
正直手術室に向

もっとみる
26.再手術のその後

26.再手術のその後

貧血問題再手術のその後、経過は良いが、先生は貧血がひどいという。
やはり血が出過ぎた。

「ご飯しっかり食べて自分で作ってくれるんが一番なんじゃけど、無理そうなら輸血を考えています」

ーーー輸血?!

それは是非とも避けたい。
鉄剤を飲み、ご飯をモリモリ食べて、一日で僅かではあるが改善が見られたためとりあえず輸血は回避した。
ほっ…

それからも二日おきに採血されてチェックされているが、こうやっ

もっとみる
25.まさかの再手術

25.まさかの再手術

翌朝は、ちょっと寝不足だが、すっかり元気になっていた。
点滴からも解放されて、痛みも少ししかなく、自由にお茶を注ぎに行ったり、トイレに行ったりしていた。
ちょっと体液を排出するドレーンの量が多いかなと心配されていたが、概ね良好とのこと。
色がやたら綺麗な赤だったので、先生も気にしていた。

昨日午前中は痛くて処置室に行くことも出来なかったけど、今日は一人で歩いていける(といっても同じフロアのナース

もっとみる
24.手術

24.手術

いよいよ手術の日。
昨夜はぐっすりと寝たので、気持ちの良い目覚めだった。

朝食は抜きなので、10時まではOKだと言われたお茶をすする。
朝早く、先生が回診に来られて、笑顔で「今日は手術するからね!」と。こんなに笑顔見せる先生初めてかもしれない。「よろしくお願いします!」と答える。

歯磨きをして、未練がましくお茶を飲んでいると、看護師さんから、RI室に行くように言われる。
行けます?と心配された

もっとみる
23.入院

23.入院

昨夜から激しい雨。
昨日寝室のエアコンが壊れたのを皮切りに、夜中に地震が起きるわ、朝起きれば大雨洪水警報、土砂災害、河川洪水…色んな事のオンパレードフルコース。
スマホにはびっしりと防災速報が来ていて、一体何が起きているのかと思った。
外は雷が引っ切り無しに鳴り、窓を打つ激しい雨が降っている。
しかも電車が止まっていて高校生の娘と息子が学校に行けないと言う。結局自宅待機という形になり、息子はオンラ

もっとみる
22.術前口腔クリーニング

22.術前口腔クリーニング

6月17日、今日は予約していた口腔クリーニングの日。
病院で書いていただいたお手紙を持って、いざ近所の歯医者さんへ。

前回一つあった小さな虫歯を治療してもらい、クリーニングをして貰う。
病院の歯科衛生士さんには、「大丈夫ですよ!」と一応OKを貰ったのだが、歯科医の歯科衛生士さんはさすが厳しかった…!

「少し歯石が付いてたのと、歯茎がちょっと腫れてるのが気になります。歯肉炎、入院までに治ると良い

もっとみる
21.入院前、最後の通院

21.入院前、最後の通院

6月14日は病院だった。
医療ソーシャルワーカーさんとのお話。
「今は、生活面や金銭面、精神面などを、手術前から色々サポートしますよ!」
との事。
悩みや問題が有れば、その方面の専門に連絡を取って解決してくれる。

とりあえず、体調はどうか、気分はどうか、沈んでないか、心配事はないか…
色々聞かれる。
体調は特に変わりなく、気分も沈むこともない。
ただ、「0」って書いたら『何の悩みのもないアホな子

もっとみる