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さと
2024年5月20日 09:24
リコリスが咲いているときどき白く迷いのない赤さを振りまく正しさを選ばず言葉に臆することなくただ風のままに佇むかつて君にこう言われた「逃げることができてラッキーとか思ってるでしょ」取り憑いて回る過去なんで?どうして?それから?奇妙な変遷は人の心を掴む嫌でも否は選べない分からないよ君には永遠にこの苦い痛みが分かるわけもないよ突風に吹かれて好奇心なんて飛んでいけ
2024年5月15日 21:20
母母ひとつの文字ひとつの発音母母いくつもの呪縛いくつもの恐怖あなたの知る私はあなたの鏡本当の私はあなたから見えない場所でひとり泣いている窓辺のサボテンが静かに溺死するほど画像:自作
2024年5月12日 19:13
詩を束ねるとき言葉を結うとき常々あなたを想い浮かべているのでしたがうと私はあなたのために書いていることになります。波が消えていくあらゆる塵を含んだまましとしと彼方へ向かっていく感情がつんのめって前へ進めないときにはその口ぐせを愛しますまだまだこれからまだまだこれから。知らない街の知らない笑顔が私を擽る心は呼吸を知った隙間なくカモフラージュしても
2024年5月8日 19:40
少し寂しくなった月の夜の中 君は白く消えて僕のままで追いかけた足跡だけがまだついてくる心の糸をなぞったら君の名前にたどり着いた紡いで気づくきれいな世界と傷の色ふくれ雲が浮かぶゆらいだ記憶の反対側にまだ知らない君がいる漣だけが今は懐かしいいつか会いに向かうよまだ裸足だけれど何遍もの詩を綴りながら僕はきっと大人になります画像:個人撮影
2024年5月2日 19:23
手のひらにつたわって腕をとおって肩をすぎて喉までとどいて口からでた「 好き 」あ。でももう遅い私の顔を凝視する君風が運んでくる涼しさに遠のいた煌めきが戻ってきそう無人駅に等身大の影がふたつ「 うん 」アイスキャンディーみたいな冷たい返事なんて思って見たら真っ赤な君が隣にいた汗ばんだまま古びたバス停まで歩いた夏霞の中で溶けてぽたぽた落ち
2024年4月27日 22:00
世界と対峙する心を持つそれは風に吹かれても雨に打たれても私はここにいるということ及第点私は私のままでいることで私という存在のしなやかさを磨くことができるということ人という生き物を特筆すべき理由はいくつもある見渡す限り人知の産物あれもこれもそれもこれもいらぬ言葉に踊らされて食いちぎられて見るも無惨な姿 滑稽な装い罪深きを知るものは自らを律することに徹
2024年4月25日 20:56
あなたはわたしをいともかんたんにていぎするていぎするていぎするぬるいことばでそのうつろなせかいでねずみほどのしりょくでちっぽけなおくそくでたかがすうじゅうねんのけいけんでうちゅうではじめてのわたしをていぎするていぎするていぎするがむしゃらにいきるわたしのさいぼうをけとばしさけぶこえをほうりなげききなれたことばでこっぱみじんでもわたしのことなんて
2024年4月22日 12:06
ねえ君は何が書きたいの知らないわからないでも言いたいの言いたい何かが喉の奥につっかえてるだから書いた本能に支配されてばかりの獣も人間らしく人間を生きる自分も届かないあの人への祈りもたぶんきっと書いてきたそれなのにまだ空っぽになれなくて全部全部ここにいて変われない自分を生きている何度タイプしてもやっぱり楽になるなんてことない幸せはここにあるわけじゃない
2024年4月14日 21:21
廻る線をすこしだけ引っ張る何もくっついてこない糸が意図を絡みつけて眼前に迫るまでただこの部屋で息をするそうこうするうちに次の頁がいなくなる君の母は偉大だ君のような世界をその体だけで生み出せるのだから頭が生きている分かろうともがいているそんな気持ちがひた走る人生の中の人生にもぐり俄かに信じがたい彼らを気づけば再び愛している画像:自作今日、久々に本を読みまし
2024年4月12日 18:18
こわいこわい息を止める寸前みたいに生きてたら社会とかいう周回軌道上に乗っかっちゃってうまく笑えてる?上手にできてる?そまることに慣れてしまうのは悲しさだって叫ぶことさえできない檻の中それっぽいことをそれっぽくやって寝るそれっぽいことをそれっぽくやって死ぬ意思のない怪物みたいだよこわいこわいそんなふうに生きるのがこわいでも、こわいじゃなくて怖いを知っ
2024年4月8日 20:40
覗けるところは覗いたし歩けるところは歩いたしそれでもずっと見つからないいきなり土砂降り泥まみれでも気にしない見つけたいの探し物が何なのか知りたいのぬかるむ道を歩く転んですりむいても気にしないわからないの自分が誰なのか知りたいの人波が教えようとするお前は偽物だってどっかいけってどうでもいい存在だってうるさいくらいに光る星を右手でつかもうとする君は今もそこにい
2024年4月5日 15:32
ふと蘇る声歩く町の風忘れるのはきっとゆれる桜の中もう大丈夫って言い聞かせるだけじゃ体は動いてくれない木漏れ日に濡れたアスファルトを跨ぐ会いたいって言ったら君は何て言うかな水槽を泳ぐ魚みたいにきれいに泣けたらコップの中は満たされたかな今分かることだけで息をする今日を少しでいいから照らす何かが君の春にもきっと訪れますように画像:自作
2024年3月31日 20:07
裸のまま私のまま歩いていただけ生身のままありのまま歩いていただけただそれだけだったいつからかなぜだろうか殴られて叩かれて蹴飛ばされて罵倒されてもう何も感じなくなるくらい森の中で目が覚めた小鳥が鳴いているなんてことはなくって綺麗なお花も咲いていなくってただこんなところまで来ていたことに驚くばかりそれでも私はまた歩き出した前にしか進めないことを
2024年3月30日 20:39
街灯ひとつとってもいろんな個体がいて謙虚に俯いたまま通りすがりの人を照らしているよく見て息をしているものと息をしていないもの本当に分けることができる?かわいそうを乱用して更なるかわいそうが生まれることを本当に許せる?他がためだけにそこに居座るあれこれを当たり前に当たり前と呼んで君は今日も平穏を手に入れるよく見て君を囲うすべての事象を君を誘うすべての存在