【詩】夏影
仄々明け
海岸へと続くゆるやかな坂
にぎりしめた記憶
ウミネコの繊細な羽
清も濁もいつくしむことができたなら
あふれやまぬ焦燥感を
すこしは手放せただろうか
何もない日なんてないこと
心の隅になつかしい音色
夏影に君は咲く
終わらない宿題は今でも散らかったまま
まわりを見てばかりの扇風機は
いつからだろうか
跡形もなく消えていた
晴れた日の午后
レモネードに氷がとける
僕はこぼれてしまったそれを拾う
また小さく光る
画像:お借りしました
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