【詩】勿忘草
野に咲く勿忘草に
君をさがしている
湖に映りこんだ月光は
きらきら瞬く記憶へと帰る
僕が僕でいられたこと
風になびく教室のカーテン
君の放った言葉
さかのぼる景色を抱きしめる
春のかたみを拾い集めた
初蝶が舞っている
ひらひら ひらひら
星に紛れてあの日の君が呼んでいる
此処にいるよ
あふれた僕が滔滔とながれていく
もっと君を見せて
思い出せなくなった声を
もう一度聞かせて
いつまでも僕を覚えていて
夜もすがら
猫の恋は通りすぎて
うららかな日常がむなしく疼く
そそ風に吹かれた花びらは
いつになく青く染まっている
画像:個人撮影
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