【詩】杪夏
窓辺に日は射す
ほったらかしの文字は
どうしようもない僕に比例する
君は僕にやさしさを教えた
とけている僕らに
ことばはいらなかった
忘れた心音が響きわたる
気まぐれに雨は降る
燕はもうじき去るだろう
追い風にのって
またくる春をその羽に待って
大人になっても
分からないことだらけだ
でも、全てそのままでいいから
君のいる記憶だけは
消えないでほしいと願う
杪夏
君のワンピースがゆれている
どこにも行けない空蝉は
ひとり影を落としたまま
画像:お借りしました
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?