見出し画像

アートは難解である(後編)

※この記事は前編・後編の2記事に分かれますが、単独でも読めます。
前編はこちら↓↓↓


わかりやすいアート

アートは、昨今変化してきている。前編でも書いた大衆化、マス化のために、今までの「わかる人だけわかればいい」から、「わかりやすいですよ」という作風に変化してきているのである。

音楽でもイントロやギターソロは飛ばして聴く人が増えて、曲頭からサビ!何を歌っている曲なのかすぐわかる曲が流行している。動画は内容を早く把握するために倍速で見る人が増えている。TikTokでは数十秒間のコンテンツを素早く見て楽しむ。このような、瞬間に素早く内容を把握し感想を共有できるコンテンツが昨今好まれている。
じっくり見て時間をかけて作品を楽しむ絵画鑑賞は時代に逆行してしまっているわけだが、それに反発する勢いで美術業界側が「わかりやすいですよ」という方向にシフトしてきているのだ。

大衆向けにウケているのが、体験型アートである。代表的なものにteamLabの展覧会などがある。

体験型アート

身体ごと没入し、他者と共に世界と一体となる
超巨大な4つの作品空間と2つの庭園からなる「水に入るミュージアムと花と一体化する庭園 」。

人々は、他者と共に「Body Immersive」というコンセプトの超巨大な作品に身体ごと没入することによって、身体と作品との境界を曖昧にし、自分と他者と世界との境界を連続的なものに変え、私たちと世界との境界のない新しい関係を模索する。

はだしとなって、身体ごと没入し、他者と共に世界と一体となる。

チームラボプラネッツ TOKYO 豊洲 公式チケットストア - 入場チケットの販売

映像が動くなど仕掛けが散りばめられていて、どう体験したらいいかわかりやすい。また、写真撮影・SNS掲載も可能(フラッシュ・三脚・商業目的の撮影は不可など注意事項あり)で、ガヤガヤと感想を言い合うことも大きなリアクションをすることもOKなのである。

美術館企画展

近年では通常撮影NGの美術館の企画展でさえも、撮影可能な作品を限定で設けて展示し始めている。期間が決められていたり、作品は限定されていたりするものの、写真撮影・SNS掲載が可能(フラッシュ・三脚・商業目的の撮影は不可など会場毎に注意事項あり)な美術館が増えてきているのである。自分は周りの人と同じ感想か、自分の感想は正しいのか、気になってしまいがちだった美術鑑賞が、このようにSNS掲載する人が増加したことで、作品の情報や感想の共有が容易になった。


ここから先は

2,981字
この記事のみ ¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?