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寿命が尽きる2年前、あなたは何をしますか?生きる目的は長生きですか?

今回は2月の読書から「寿命が尽きる2年前」(久坂部羊)の読書投稿。

何ともインパクトの強いタイトルである。

健康に向き合う本は売れるけど、死と向き合う本は売れないらしい

そりゃそうだろうな・・・

そもそも何のために健康に向き合おうとしているのか?
筆者はお金と健康を似たようなもの、と言う。
確かに、お金は何かをするための手段に過ぎないが、いつの間にか目的になってしまうことはないだろうか?そして、どれだけ手に入れても、もっと欲しくなるのが人間の性である。健康も同じで、人生における目的達成の手段の一つではないだろうか。

昨年、私は92歳で大往生した実父を看取った。
大往生と言っても、最後の1年近くは意識もなく、まさに「生かされている」状態だった。この本を読んで、あらためて「長寿」「延命」について考えされられた次第である。

ある程度長生きできれば、さらなる延命ではなく、足るを知る、という境地もあってよい。死を前にしたら、医療は無力なのである。
一番大切なことは、それまでどれだけ悔いのない人生を送ったかということであろう。

果たして死ぬ2年前を知ったら、どう生きていくのが良いのか。
(もちろん、医学的に2年前が正確にはわからないと筆者も語る)

たくさんの最後を看取ってきた医師の言葉は重い。

でも、希望の光に気づかせてくれる。

筆者は言う。

本当にやりたいことができるのが寿命が尽きる2年前

それは今(甲斐バンド?)

今でしょ(林修?)

どっちも古い笑

それはともかく、そう、

死へ向き合うことで、生き方を真剣に考えることができるのだ。

さてあと2年間、どう過ごそうか。

自分は1年前、新卒で入社以来、34年勤務した会社を退職、転職した。

おお、415のスキ!(2023年3月10日現在)

そして、国家資格キャリアコンサルタントに挑戦し一発合格!

もし1年前、寿命があと2年という覚悟があったとしたら。。。

今年は(まだ3か月未満とは言え)何か物足りない。
グローバル人材育成研修を提供する会社に転職したものの、何かが違う。仕事の内容も待遇も不満はないけれども、昨年一大決心して57歳の転職したゴールはここにはない。何のためにキャリアコンサルタントの資格を取得したのか?(現在の職場では活かせない)
一大決心して挑戦した割には随分安定路線に入っている自分に気がついた。

そう、寿命が尽きる年、新たなステップを目指そうと再び決心できた!

そして、生き延びたら、次の2年をまた楽しみたい。

自分にとっての意味、WAKUWAKUを求めて。

最後に、著書から引用文

あと2年で死ぬのだから、もう長生きのための努力は必要でなく、残りの人生を充実させるために自分のすべてを注ぎ込んでいい。
あらかじめある年齢を迎えたら、もう十分生きたと満足する心づもりをしておく。
「どうせ死ぬのだから」先に遊びましょう。

▼以下、著書要旨▼

🔹寿命とは何か
・健康寿命>平均寿命
 そもそもデータがいい加減(自己申告/厚労省)
・平均寿命の延びは環境改善のおかげ、人間の品種改良ではない
・矛盾した欲求ー長生きしたいが老いるのは嫌
・LIFESPANの信憑性ー人間の応用未知数(個人の感想レベル)
・大隅良則(ノーベル賞)ールビコン
・我々は十分寿命を延ばしている
 寿命を延ばす<楽しむ(自分を解放)
🔹寿命に逆らう苦しみ
・患者を見捨てない医者はヒーローか?
・老いと闘うなー治療が命を縮める危険(副作用/体力減)
・サプリメントー口から飲んだものが関節に効くわけない
・老化予防は努力=健康的な生活
・年をとりたくない、若々しくいたい=子どもの欲求
 利己的&利他性・公共性なし
・やみくもな死の拒絶は悲惨な延命治療を生む
 死に向かい始めたら抵抗するのはムダ
・「どうせ死ぬ」を前向きに/だからこそがんばる
🔹現代日本は心配社会ー心配を好む文化
・医療界もメディアも盛んに心配情報を流布
・日本は安心して暮らせる国ー病気以外の心配がない
 心配社会につけこむいつでも元気で長生き業界が心配を煽る
🔹悩ましい現代治療
・医学の進歩によってもたらされた不安や恐怖、懊悩戸惑い
・気楽に60歳前後まで生きるのと心配しながら80歳まで生きるのとどちらがいいのか?
・治療すべきか否かーどちらに転んでも悔いの残る可能性
・産むべきか産まざるべきか(出生前診断)
・胃ろうをする選択・しない選択
・インフォームドコンセントー患者の権利だけが先行(医療者負担)
・EBMー根拠に基づいた医療は1990年代から
 それまでは「思い込みに基づいた医療」
🔹望ましい最期のお手本
・死を受け入れる、準備する(成熟した大人)
 十分に生きたという実感(満足を積み重ねる)
 レニ・リーフェンシュタール/水木しげる/富士正晴
・良い老人力ー満足力/感謝力/忘却力/無頓着力
🔹寿命が尽きる2年前にすべきこと
・健康はお金と似ている
 得ることが目的にすり替わりやすい
・×おびえた人生/○最後は自分のしたいように生きたね
・しなくていいことー医療に近づかない(医療アリ地獄)
・本当にやりたいことができるのが寿命が尽きる2年前=今
 ⇔長生きのための無駄な努力と辛抱

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
寿命ならぬ人生の転機を迎えて2年目、次のステップに向けて行動しようという決意を後押ししてくれた書籍でした。

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