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「こんな1on1はイヤだ」マネージャーが知るべきアンチパターン8種

どうも、JX通信社CXOの細野です。突然ですが、皆さんの会社では1on1をうまく活用できていますか。

数十人の社員を抱えるJX通信社では、今や1on1は社内に欠かせない重要な場として組織に根付いた感があります。

僕自身も役員&マネージャーとして、社内のさまざまな人に1on1を定期的に実施してきました。セールス、エンジニア、デザイナー、インターン生etc。

こうした経験を通して、マネジメントに関わるすべての人は1on1のスキルを磨くべきだと考えるようになりました。ぶっちゃけ、できていない人が大半ではないでしょうか。

・形式的に「とりあえずやっている」
・特に目的もなくダラダラ喋っている
・1on1を実施しても何の成果も出ない
・ただの「お悩み相談室」になってしまう
etc

1on1に「正解」はありません。社風やマネージャーの個性によって、あるべき会話の設計が変わるからです。このnoteも「こうすべき」という主旨では書きません。

だからこそアンチパターンを最低限理解した上で、自分なりに答えを見つける努力をしましょう。

①進捗報告の場になってしまう

上司「さて、1on1をはじめようか。先週、打ち合わせをしたA社さん、感触良かったよね。あの商談ってどんなステータスなの?」

一番よくあるパターン。マネージャーが思わず聞きたくなる気持ちも分かります。

でも、こういう話は別の場所でできるでしょう。

単なる進捗報告の場になってしまうのは、1on1を実施する目的が不明瞭だからかもしれません。

1on1を行うことで何を達成したいのか、何を解決したいのか、今一度見つめ直してみるといいと思います。

②上司が話したいことを話し続ける

当たり前ですが、1on1は上司が話したいことを話す場所ではありません。相手の意見を棚卸しし、相互の深い理解を実現するためのものです。

部下「最近なかなか商談がうまくいかず悩んでいて。」
上司「あぁ、俺にもそういう時期があったよ。10年前のことだけどさ。いわゆるブランクってやつかな。今覚えば。当時は100人の営業部隊で1位だったのよ。それがいきなり成果が出なくなった。あのときは悩んだよ。ほんとうに悩んだ。でもさ、ある時に気づいたんだけど、」
部下「なるほど(聞いてもないのに語りだすなよ)」

基本的に1on1はインタビューのように話すほうが良い。傾聴する姿勢を持ちましょう。

相手の考えをうまく引き出して喋ってもらうにはコツがあります。

③雑談に終始してしまう

これも"あるある"かもしれません。

上司「この前に誘った飲み会、君も来ればよかったのに! とても盛り上がったんだよ。Aさんが酔っ払っちゃってさ。介抱するのが大変で。でも楽しかったし、また次回に誘うから。今後こそおいでよ! でさ、二次会が〜」

はっきり言いますが、1on1は雑談する場ではありません

アイスブレイクとして雑談が有効な場合もありますが、仕事になんら関係のない話をずっと続けても、ただの時間の無駄です。

もし、部下の機嫌を損ねないように気を遣って雑談をしているなら、根本的にコミュニケーションの質と量が不足しているのが真の問題です。1on1以外の場で解決してください。

お互いに忙しい時間の合間を縫って1on1をするわけですから、しっかり実りある機会にしましょう。

④言いたいことを言えない空気

上司「最近は仕事がうまくいっていないようだね。僕で良ければ相談乗ろうか?」
部下(あなたと働くのがストレスです、とは言えねえ…)

1on1は、素直な思いを棚卸しする場所。なのに、相手の発言を狭めるようなことをしてしまっては逆効果です。

また、大前提として心理的安全性のケアも必須。喋った言葉を受け止めてくれるだろう相手への信頼と、きっと理解してくれるだろう相手への期待。それらが伴うと、心の奥底にある思いを自由に話してくれるようになります。

⑤上司の思いつきで不定期に実施する

「とりあえず1on1をやっとくか」の浅い考えが見え透くと、部下から信頼されるわけがありません。

上司「1on1が重要だって聞いたから、また開催してみたよ」
部下「2ヶ月前に1on1してからだいぶ時間が経ちましたね」

こうした軽率な態度は、積もり積もって1on1の価値を損なうだけでなく、部下からの信頼を手放すことにつながるでしょう。

⑥「特に話すことがありません」

マネージャーの役割は言葉を引き出すこと、思考の言語化をサポートすること。

上司「さて、1on1をしようか。なにか話したいことある?」
部下「えっと、うーん。今日は特に話すことがありません。」
上司「そうか、それならいいけど。じゃあ今日は終わり。」

仕事をしていれば、毎日いろいろなことが起きているはず。部下はとっさに「何も話すことはありません」と言ってしまいましたが、絶対にそんなことはない

こういう場合は、マネージャーがうまく話を引き出す工夫が不可欠です。具体的な問いや、日々の業務を想起させる工夫をすれば、自ずと思いを話してくれるようになります。

問い方の工夫については、以下のnoteにまとめています。

⑦上司が頭ごなしに否定する

これは絶対にやってはいけないこと。部下がせっかく心を開いて素直な思いを語っても、安易に否定してしまったらもう2度と心を開くことはないでしょう。

部下「最近の悩みは、社内で稟議資料を作るときにモヤモヤしてしまうことです。無駄なステップが多くて、毎回かなり時間がかかってしまいます。も時間をかけるべきところに時間を割きたいというか…」
上司「それ、単純に仕事が遅いだけなんじゃない? そんなこと、俺は思ったことないけどな。」
部下「・・・。」

もし部下が明らかに間違っているときは、野放しにするのもよくありません。そんなときは、なぜそう考えるようになったのかを、トリガーとなった出来事を聞いてみるところから始めましょう。

部下「最近の悩みは、社内で稟議資料を作るときにモヤモヤしてしまうことです。無駄なステップを減らせませんか?」
上司「最近、頑張って資料を作ってたよね。ちなみに、無駄だと考えるようになったきっかけは何だった?」

少なくとも、部下が仕事をする中で「そう感じた」のは紛れもない事実です。だからその意見は1つのファクトとして、真摯にリスペクトしなければいけません。

相手が何かを感じていたら、そこに至ったストーリーを追体験しながら、一緒に点検してあげるといいと思います。

⑧前回話したことを忘れられている

1on1は率直な意見を棚卸しする場。その人にとっては人生のターニングポイントになりうる場でもあります。

なのに、せっかく話したことが忘れられると、小馬鹿にされたような気持ちになるでしょう。

部下「前回の1on1でも言ったんですけど、やっぱり仕事のやりがいを見つけるのが難しくて悩んでいます。自分の目標がない状態でだらだら仕事をしているのが何となく続いているような…」
上司「あれ、そんな話あったっけ?
部下「は、はい。(大事な話なんだから覚えとけよ)」

1on1での会話には、その人のキャリアや人生を左右するものをしばしば含みます。むしろ1on1はそういう場でなければいけない。

だからマネージャーは、相手の人生を左右しうることを想像しながら1on1に対峙すべきです。

最後に:理想的な1on1とは

1on1を通して、以下の要件を達成できれば理想的です。

①思考を棚卸しする
②思考を言語化する
③”現在地”を把握する
④未来の”差分”を計画する
⑤自分を深く理解する
⑥相手を深く理解する
⑦納得感と自信を得る

→自走できる+成果が最大化できる

これを体系図にしてみました。

1on1の極意_体系化

具体的に気をつけるポイントも。



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