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関東第一高校サッカー部での3年間。

昨日、関東第一高校サッカー部としての3年間に、終止符を打った。 自分が、この高校3年間で何が重要だと感じ、何を学んだのか。 それは、いかに「自分と向き合えるか」ということ。 今までにも、色んな大人に言われてきたし、すごく当たり前でシンプルなことだけど、成長のためには、これが非常に重要度が高いと身をもって経験することができた。 誰だって自分の強い所とか、自分の好きな所だけにフォーカスを当てて、生きていきたいと思うし、それだけで生きていけたら何の苦労もいらない。 問題は

    • マクドナルドで後ろの席にいた大学生の不思議な話。

      僕が先日、マクドナルドに行った時の話。 僕の後ろには、大学生の女性3人組のグループが、きゃっきゃしていた。 本当は、よくないがそうゆう人の話を盗み聞きするのが好きである。 主に恋愛の話をテーマに盛り上がっていたのだが、ある1人の女性が始めた話に、僕は惹きつけられた。 それは、その女性の友人の話だ。 その友人は、ある交通事故によって植物状態になってしまった。 2週間、3週間経っても、友人は目を覚ます事は、なかった。 しかし、その事故から1ヶ月後ついに、友人は、目を

      • 良い人間。

        涙を流せる人は、美しい。 それだけ何かに思いを、注げた人なんだろう。 魂を躍らせる事が出来たんだろう。 人に美しい涙を流させる人は、もっと美しい。 それだけ、人を惹きつけ、心を掴み、人を愛した人なのだろう。 「常に、いい人でいなさい。」 恩師から常に言われていた言葉である。 いい人。というのは、つまりどんな人なのだろうか。 常に、笑顔の人。 常に、明るい人。 常に、向上心がある人。 全て正解だ。 僕は、いい人でいれてるのだろうか。 誰かのために、汗を

        • 小説 「桜華」

          3 「キン〜コ〜ンカ〜ンコン〜〜」 教室にいる生徒は速やかに下校して下さい、と校内放送が流れた。 リョウは目を覚ました。 目の前には職員室の文字。 上手く状況を掴めないでいたリョウがボッーと立ち尽くしていた。見覚えのある廊下に教室。 まさかと思って教室を開けた。そこにはたしかに高校時代に過ごした風景があり、その静けさと、窓からの光の入り具合で、あの日の記憶がこめかみから、沸き起こった。 黒板にはクラス全員の名前が書いてあった。 近藤涼と須藤早織の名前もある。 あ

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        関東第一高校サッカー部での3年間。

          小説 「桜華」

          2 「起きて〜〜」 薄汚い声で目が覚めた。 2053年 3月12日 午前9時 妻は決まった時間に決まったセリフで僕を起こす。 顔には決まって白色のフリーメイソンのデザインの美容パックだ。 なぜだろう女という生き物は美に対しての探究心は思春期を超えてから留まることを知らない。そればかりか、それ以外の物事にもとてつもなく敏感に反応できる。 だから嘘はつけない。 最近は寝起きが悪い。酒なのか、生きてることへの疲労感から来るのか、どちらでもいい。 ただ、俺は疲れていた

          小説 「桜華」

          小説 「桜華」

          1 2019年 3月12日 17時5分 ピンク色の道が消えては無くなりを繰り返していた。風が、冷えた思い出とピンクの花びらを連れていた。 「大学では何勉強するの?」 静かな教室にただ2人だけの時間が流れ、時計の秒針の動く音が2人の鼓動と連動した。 「特に理由とかないけど経済学。なんか響カッコいいじゃん。でもオレはまたサッカーで朝から晩まで忙しいし勉強といっても講義では寝るだけなんだろうな。」 「確かに、リョウちゃんはいつも寝てる」 サオリから笑みが溢れた。笑っ

          小説 「桜華」

          小説 「火と水」

          ❶❼ 僕は翌日、テレビのニュース速報に耳を傾けた。 「昨日、東京都葛飾区の一軒家の一室から火災が発生し、その当時、家にいた18歳の女子高校生が今もなお、意識不明の重体です。 不審な女の目撃情報があったとし、その女は雨の日に傘もささず現場をジッと見つめていたという事です。警視庁は、放火の疑いで捜査を進めています。」 僕は、ニヤリと笑った。 おわり。

          小説 「火と水」

          小説 「火と水」

          ❶⑦ あれから、1ヶ月たったある日の朝。 「今日の降水確率は、80%です。お出かけの際には必ず傘を持ってお出かけ下さい。今日も元気にいってらっしゃい」 僕は必ず、このお天気お姉さんのいってらっしゃいを聞いてから家を出る。 高校の最寄り駅に着いた僕は、朝練に遅れそうで、駅から走っていた。 もう少しで正門だという時、 正門に見覚えのある立ち姿で、携帯を見つめている女の子を、みつけた。 紛れもなく、それはリコだった。 ぼくは、あのメール以来リコとは一切あっていなかっ

          小説 「火と水」

          小説 「火と水」

          ❶⑥ 11月に入ったある日僕は決断した。 なぜか、朝目覚めてから、今日言わなければという気持ちになった。 僕は、メールした。 指の震えが、告白した時の感覚と似ていた。 周りくどい言い方で、丸く収めようと考えたが、しっかりと、真っ直ぐで純白な答えで僕らの関係は終わらそう。そう決めていた。 携帯を開いてから、脈は異常なまでのスピードで波うっていた。 「僕らはもう、終わりにしよ。 リコは受験もあるし、僕らはこれでおしまい。」 「わかった。 今までありがとう

          小説 「火と水」

          小説 「火と水」

          ❶❺ 僕は、悩んでいた。 それはもちろんリコの事だ。 このままにしておくのは、違う。 ただ、受験を控えている彼女に、これを切り出して心を壊したくない。 別れようはいつか言わなければいけないのは、わかっていた。ただ、いつが1番良いタイミングなのかが、自分でも、分からないでいた。 僕は今までの事を田中に全て話した。 「おもしろそう」 「おもしろいよ、でも何というか誰にも言えなくて。」 「あいつには言ったのか」 「言える訳ないだろ」 「まぁそうだよな。」 「それ

          小説 「火と水」

          小説 「火と水」

          ❶❹ 「ねぇ、そういえばちゃんと振ったよ。」 「なにが」 「なにがって、ヨシの事。」 僕は、安堵した。 これで完全に僕だけのものになった。 これで、もう僕のだ。 この女の中には僕で溢れているんだ。 ものすごくレベルの高い快楽にぼくは溺れかけていた。 マミちゃんが、僕に何か話しかけていたが、僕は、唇でマミちゃんの口を塞いだ。

          小説 「火と水」

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          ❶❸ 今日は、文化祭当日。 僕らの高校で、にぎわいをみせる一つのビッグイベントだ。 僕たちのクラスは、フランクフルトを売る事になってた。 前日、リコから文化祭一緒に回ろうと言っってきた。もちろん、僕はそれを、承諾していた。 テントの下で僕は、フランクフルトを鉄板の上に並べて焼き始めていた。 「やっほ〜」 前から、半袖を腕まくりして、腕を組んだ女子2人組が、こちらに手を振りながら笑っている。 リコと、マミちゃんだ。 ものすごく晴れていたのだが、僕の胸には分厚い積乱

          小説 「火と水」

          小説 「火と水」

          ❶❷ 明日は、久しぶりのOFF。土曜日に休日は、僕たちサッカー部にとっては、異例中の異例であった。 いざ、明日何もないとなると、する事が思いつかない。そんなもんだ。いきなり、休日だといわれて、する事が埋まる方が稀である。 「ちょっと相談がある。」 ヨシからだ。僕は、何故か背中が熱くなるのを感じていた。僕にとって、良い事が待ってる訳がないと身体が1番分かっていたからだろうか。 僕たちは、渋谷のハチ公前に、集合して2人でたわいもない話で繋いだ。センター街をしばらく歩いた所

          小説 「火と水」

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          ❶❶ バスから横断歩道が、見える。 赤信号で、止まっている5人が、全員携帯とにらめっこ。何を、見てるのだろうか。SNSで、誰かの事をあーでもない、こーでもないと批評しているのか、コンビニの店員の態度が気に入らないとか、母親が面倒くさいとか呟いているのか。 人の心情を可視化できるようになったいま、手軽にどこにいてもシンパシーを感じることが出来る。 それは、特に女性にとっては性格上とても便利な世の中になり、理性を保ちやすくなった。 あの件以来、ヨシと会うとき何だか変な感じがす

          小説 「火と水」

          小説 「火と水」

          ➓ 動くたびに、ベッドが鳴いた。甲高い不協和音が、部屋中を駆け回っていた。カーテンの隙間から、差し込む光が、僕の背中に当たってほんのり温もりを感じる。その光は、次第に2人の汗を同時に光らせた。 「ごめん、このベッド従兄弟から貰った古いやつだからさ」 「上にいるお母さんに、聞こえないようにゆっくりして」 頬を赤くしながら、濡れた前髪を人差し指と中指ですくいあげた。目を閉じると、よりいっそう、まつ毛の長さが際立つ。 僕は、後ろめたさを感じていないわけではない。ただ、僕が

          小説 「火と水」

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          ❾ あれから2ヶ月がたち、 W杯の熱気のピークも去り、夏への準備を始めていた。 「2人で合わない?」 マミちゃんからだ。 W杯以来、頻繁に連絡をるようになったのだ。夜遅くになっても、たわいもないない話が長く続いた。だが、それが苦痛でなかった。むしろ、トークの画面を開いたままずっと繋がって居たいとさえ思っていた。 「いいよ」 リコの事がチラつき、自分に問いかけたが、自然と頭はクリアだった。この時、何かが弾けた音が胸の中で、轟いた。

          小説 「火と水」