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ブル・マスケライト《仮面の血筋》100ページ小説No.16

いつも読んで頂きありがとうございます😊


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コチラが前回です👇


前回までのあらすじ…

栗原を車で待たせ、安和ナミがひとりで案内人とセナに連れられホールのような場所へ誘導された。そこはオペラの流れる騒がしい会場だった。


…東京のとある駐車場。もの凄い数の高級車が立ち並ぶ場所があった。各国の政界でしか知ることの無いルートを通らなければ辿り着くことも無いその場所。外からでは全面ガラス張りの40階建ての高層ビルの様な円筒状で出来た窓も無い建物。そして中はただの鉄骨コンクリート。そこに並ぶ高級車との違和感は実に奇妙なコントラストを生んでいた…その中央には一つのセキュリティ付きの鉄板の扉があるのみ。そこへ頭から足の指先まで豪華に着飾った貴婦人達が「招待状」を片手に次々と吸い込まれるかの様に入って行く…
 入るとその扉の向こうからは別世界。真っ直ぐ一本の通路になっており透明な歩く歩道が目の前にある。一人ずつ両足を乗せると自動で進み光を放つ。動いている間も目を楽しませる演出がある。両側の壁には数十億の価値がある世界の名画が無数に並び、足元は透明でその下を本物の日本の錦鯉と和彩な光が進む方向へと泳ぎ案内する。到着した先には10人は入れるエレベーターが3つ用意してあり中に入ると海の世界へと変貌する。最初は太陽の光が差し込む煌びやかな優しい海の中を綺麗な魚達が泳ぎ本物の水族館の中にいる様だ。そこへ凶暴なサメが魚を食い尽くし渦に巻かれながら骨が深海へと沈む。真っ暗な深海では絶滅した魚達が無数に泳ぎ廻ると目がギラつき私達人間を襲い食べようとしてきた。そこで扉が開きエレベーターの外から無数の光が差し込む…誘われるように進むと目の前に地下宮殿の大広間が現れオーケストラの音楽が全体の華やかさを包み込み客人達を招いた…
 そこでは上流階級だけの仮面舞踏会が毎年密かに開催されていた。色とりどりの貴婦人達がそれぞれのテーマで着飾っている。そしていわば「偽物」の仮面を付けて踊り楽しんでいた。途中エレガントな曲調から女性のポエムの様なバイオリン中心の曲に変わり貴婦人はゆっくりとはけて行く。そこへ名も知らない仮面の男性数十人が大人数で横に並び貴婦人達をダンスで誘う。貴婦人は男性の目の前に行き膝を曲げ一礼すると手を取り合って中央の広間へと二人で自由に踊り舞う。この日の夜は年に一度の貴族の社交場に酔いしれるその姿はまさに当時のベネツィアそのものであった。
 しかしこの建物はこれだけでなく別の世界へと繋ぐ通路が隠されている。そこは貴婦人達も立ち入ることの出来ない特別な世界…それは「マスケラ」と王族のみが許される世界最高位の場所。そこに一人の男性が特別に招かれていた…
「ようこそ、たちばな様…『あの方』より指示が来ておりますのでご案内致します」
70歳ほどのスーツを着た老人と背後には二人の大男がついて来ていた。そのせいで自然と老人の威厳が伝わり一歩を踏み出す度に緊張感が増す。
何も無い行き止まりの通路まで案内されると彼は立ち止まった。
「マスケラの招待状をお預かり致します…」
一箇所だけよく見ると壁にカードの差込口がありそこへ入れる案内人の老人。
「ピピーッ」
電子音とともにただの無機質な壁から実際の顔ぐらいな大きさの仮面彫刻が現れるとその目が突如輝き始め舐める様に私の体をスキャンした。
「間違い御座いません…ここからは中の方達との御接触はお控え下さいますようお願い申し上げます。貴方様の行動一つで簡単に数百…いや数千億もの日本経済が動くのをお忘れなく。くれぐれも粗相のないように…」
案内人の老人がアゴで二人の巨体大男に指示をした。スーツがはち切れそうな二の腕でその大男二人が全身をくまなくチェックした後、両脇を固めすぐ後ろに立つ。すると仮面の彫刻が割れて壁が透明に透け出し始めた。透明な壁の向こうには奥深くへと続くただ真っ直ぐな通路が見える。恐る恐る私はそのまま前に進みだす。
「カツカツカツ」
透明な壁をくぐり抜けると暗闇の中フットライトの灯りのみが道標となり冷たい床の足音だけが空間を鳴り響かせた。自分の想像だけが進む闇をより深くしていく。
最端の奥まで進むと目の前に下るだけのエスカレーターが現れた。一度立ち止まり私は後ろの大男の顔を振り返る。
無表情で見下ろす二人の仮面…
息を呑み再び前を振り向くと正面に壁画が現れていた…
それは夜空に輝いているオリオン座…
腑に落ちた父はそのまま暗闇の世界へとエスカレーターを降りて行った……

最後まで読んで頂きありがとうございました。


今後の展開…

父の行き先、安和ナミが見た組織の卒業式、たちばなの行方が仮面の世界に影響をもたらしていく。そんな中、たちばな達4人はある1つの約束をした。
「次の10月31日に戸隠神社へ集まること」
それぞれの思いと仮面社会が交錯する中で、仲間を信じ自分の選択を生き抜く4人の今後と「本当の仮面の能力」が明かされる…


⭐️お知らせ⭐️

ブル・マスケライトを読んで頂き誠にありがとうございます。現在までで約9万文字の100ページ小説が終了いたしました。ここでら誠に勝手ながらこちらまででnoteの連載を一時ストップさせたいと思います。
毎週楽しみにして下さっていた方にはすみません。もし、続きが読みたいと思ってくれる方がいらっしゃいましたら、コメントを頂けると嬉しいです😊
ブル・マスケライト以外にも小説を書いていますので、いつか皆さまの目に触れて貰えるようにと現在進めている最中です。
長きに渡り連載小説を読んで頂き、大変ありがとうございました。
これからも宜しくお願いします😊🌈

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