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オリーブの本当の価値を巡る旅① /創業70年以上 オリーブ専門会社の社長が書く、オリーブの忘れられた本当の姿

創業73年オリーブの専門家集団「日本オリーブ株式会社」の
5代目 代表取締役社長を務めています、服部芳郎です。

オリーブオイルはいまやどのご家庭でも日常的に使われているのではないでしょうか。
オリーブに携わるものとして、とても嬉しいことです。

しかし、オリーブ漬けの毎日を送る中で、色々疑問がたまっていきました。

  •  日本のオリーブオイルが偽物ばっかりって言われるけど、本当?

  •  オリーブオイルのことを語るのに、酸度(油がどれだけ酸化しているかを表す指標)が低ければ低い方がいい、ということを語るのは正しいの?

  •  オリーブオイルを他の油と比べて健康に良いって言ってるけど、その程度のものなの?

  •  オリーブって木も枝も葉も果汁もあるのに、オイルだけ取って、他を全部捨ててしまうのは正しいの?


そんな疑問の答えを求めて、日々研究を重ねました。

日本のオリーブの歴史、世界のオリーブの歴史、現在のオリーブに関する技術、オリーブを取り巻く環境、、、
更にオリーブのことが書いてある書籍なら専門書はもちろん、聖書、神話、ローマ時代の文献、日本語に訳されていない古代の本まで、、
実地では日本の我が社の農園だけでなく、スペインの自社所有農園、そしてスペイン中の農家さんや樹齢1000年を超える大木まで見て回って触れてきました。

樹齢1550年を超える、オリーブの大木「ラ モルーダ」。
近寄った印象は"巨大で神聖な動物が硬くなって眠っている様"

その結果、わかったのは
『現在一般的に考えられているオリーブは本当の姿ではない』
ということです。

オリーブをずっと育て、研究し、お客様に届けてきた私たちもわかっていなかった本当の姿がオリーブにはあったのです。

このnoteではそんな『一般常識とは違うオリーブの姿』について、
そしてその事実が示唆する『現代のわれわれがしなければならないこと』
について書いていければと思っています。

(0) こういう人に読んで欲しい、参考になるはず

読んで欲しい人、読んでもらえれば何か参考になることがある人、
を具体的に挙げます。

  • 歴史、文化に興味がある

  • 人の知らないこと、気付いていないことを知りたい

  • オリーブの忘れられた姿が何かが気になる

  • 第二の脳、第三の脳という言葉を聞いたことが無い、もしくは聞いたことがあるがよく知らない

  • 人間の肌、皮膚について興味がある

ポルトガル ボーンズチャペル(骨の教会)
神話、宗教とオリーブは切り離せない関係がある

逆に、オリーブオイルのレシピを知りたい、オリーブオイルをお得に手に入れる方法を知りたい、といった方には合わないかと思います。
(上記情報を知りたい方は「日本オリーブ」で検索!)

(1) オリーブを歴史上で一番わかっていたのは誰?

それは「古代ローマ人」です。以上。

結論からいうとそうなのですが、
「え?科学が一番進んだ現代が一番オリーブのことがわかってるでしょ?」
「古代ローマって科学知識なんてほとんど無かったでしょ?」

そんな疑問について解説します。

古代ローマ皇帝アウグストゥスの時代に作られたフランス南部ガール川に架かるポン・デュ・ガール。16階建てのビルに相当する高さを誇りながら、1kmあたり34cmつまり大人の手のひら2つ分の微妙な高低差で1日に何万トンもの水を送っている。2000年もの昔に、古代ローマ人は恐ろしいばかりの文化、技術を有していた。今では失われて再現できない技術(ロストテクノロジー)もそこにはあることが知られている。

オリーブのことを語るのに、古代ローマを抜きには語れないのです。

(2) オリーブといえばオリーブオイル?

「オリーブと言えば?」
という問いを出したとき、多くの人は
「オリーブオイル」
と答えるのではないのでしょうか?

確かに現代ではオリーブ ≒ オリーブオイル、となっています。
しかし、オリーブの本当の価値はオリーブオイルのみでは語れない、否、
むしろオリーブの本当の価値はオイル以外にある
という事実について書いていきます。

陽光を浴び美しく輝くスペインのオリーブ アルベキナ種。
果実とそこから採れるオイルばかりに関心が向くが、果たして真価はそこにあるのか。

(3) オリーブって食べ物?

オリーブはいまや食べ物、調理油として確固たる地位を築いています。
皆さまのご家庭にも1本は食用オリーブオイルの瓶が常備されているのではないでしょうか?

スペイン、ギリシア、トルコといった地中海沿岸地域を訪れると、
オリーブオイルで料理をする、というより
オリーブオイルに料理を浮かべる、と言った方が妥当な料理がたくさん出てきます。
オリーブオイルは地中海沿岸の人々にとって、ソウルフードであることは間違いありません。

しかし、歴史、文化に深く潜ると、食べ物とは全く違うオリーブの本来の姿が見えてきます。

例えば最古のギリシア文学と言われるホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」にも、オリーブの本当の姿につながる重要なシーンが語られている

そんな知られざるオリーブの姿とともに、なぜ歴史・文化に潜るのか、についても書いてみたいと思います。

(4) 第二の脳に続く第三の脳って?

突然ですが、第二の脳、第三の脳、という言葉をご存知でしょうか。

第二の脳が『腸』ということは、近年市民権を得て広く語られるようになりました。
・腸内の健康が人間全体の健康を決める
・腸を整える発酵食品は栄養とは別の観点からも必要だ
・腸内環境、腸内フローラが崩れると、心のバランスにも影響が出る
など、耳にしたことがある方も多いかと思います。
腸は人体のいちパーツではなく、脳同様に人間全体を司る役割を担っていることが分かってきているのです。

ある菌学の権威に薦められて読んだ本の一冊。示唆に富んでいる。
では第三の脳とはどこだろうか?

では、ここで第三の脳と言われる部分はどこでしょうか。
近年、その重要性が今までと全く違う次元で語られるようになった器官である『皮膚』こそが第三の脳と言われています。

この『皮膚』とオリーブは実は密接な関係があるのです。
皮膚の持つ力と、そこにオリーブが果たす役割、ここには現代だからこそ必要な事柄が詰まっています。

(5) 終わりに

このnoteに書いていく予定の事柄は、最初に述べた通り、オリーブの専門会社の社長である私の疑問、それもオリーブだらけの仕事・生活をしている中で湧いてきた
「どこにも答えが載っていないオリーブに対する疑問」
についての研究内容です。

そこにあったのは、研究し続けた私が驚くほど、現在私たちが考えていたオリーブの姿とは全く違う姿でした。

しかし、科学はもちろん、歴史、文化を調べれば調べるほど、
そして歴史、文化から得た仮説を科学に照らして研究すればするほど、
それが正しいという確信が深まっていきました。

このオリーブに対しての研究の結果、得た知見を世の中に広く伝えたい。
それが私がこのnoteを書く理由です。

どうぞ今後、お付き合いいただけましたら幸いです。

日本オリーブ株式会社 代表取締役社長 服部芳郎




↑ "オリーブの本当の価値を巡る旅"についての次記事はこちらです!

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