訪問リハビリあるある！初回訪問時の自己紹介で、信頼を高めるためには？

初めてお会いする利用者さんに対しての自己紹介をみなさんはどのようにしていますか？

以前の私は、名刺を渡しながら、
「今日からリハビリよろしくお願いします」と名前を言うだけでした。
その後は、ニーズや悩み、体調や身体状況、生活について質問攻めを行っていました。
これでは、
「この人は信頼できる、何でも話せる」
と感じさせることは難しかったです。

利用者さんとリハビリスタッフは、協同作業で自立支援を行っていくものであり、信頼関係を築くことは必須になります。

それでは、初回訪問時の自己紹介で信頼関係を築くために考えるべき、
３つのポイント
①初頭効果
②ペーシング
③RAS効果
を紹介します！！！

ポイント①　初頭効果

初頭効果とは、第一印象が長い間残り続けることです。
この時、重要になるのは、リハビリスタッフが利用者さんに、どのように見えるかなどの身だしなみを考えることではありません。

自分が利用者さんと同じ境遇なら、
どうな気分で、
どんな人とリハビリをやりたいと考えるかを
想像することが重要になります。

例えば、
回復期リハビリテーション病院から自宅退院された利用者さんの場合は、
ポジティブな気分で、「家に帰ってもリハビリを頑張りたい」と
考えていると想像できます。
そのため、リハビリスタッフも
「一緒にリハビリ頑張りましょう！」と
明るい笑顔で初対面を迎えることが望ましいでしょう。

しかし、訪問リハビリの利用者さんの中には、何とか動けていた方が病状の悪化や身体機能などの低下に伴い、どうにも一人では動くことが難しくなり、訪問リハビリの利用に至る場合もあります。
この時には、ネガティブな気分で無気力状態かもしれません。
そこで、リハビリスタッフがはつらつとした態度で接してしまうと、
円滑なコミュニケーションを図ることが難しくなります。
こんな時には、穏やかであったり、やさしい表情で初対面を迎えることが望ましいでしょう。

ポイント②　ペーシング

意図的に利用者と「波長を合わせる」ことが、「ペーシング」になります。
ペーシングを行うことで、利用者に「この人とは、気が合うな」と
感じさせることが期待できます。

初回訪問時の自己紹介では、声のペーシングが有効になります。
声のペーシングでは、３つのポイントがあります。
１つ、話すテンポを合わせる。
２つ、音程を合わせる。
３つ、音量を合わせる。

例えば、初回訪問時の自己紹介では、下記のようなあいさつが交わされると思いますが、この時に声のペーシングを行います。

リハビリスタッフ「おはようございます。お邪魔します。」
利用者「おはようございます。どうぞ、お上がりください。」

ここで利用者の声のペーシングを行い、

リハビリスタッフ「失礼いたします。本日から、リハビリを一緒に行います。〇〇〇〇と申します。よろしくお願いします。」と、
利用者さんの声のテンポ、音程、音量に近づけて話します。

ポイント③　RAS効果＝網様体賦活系効果

RASは、視覚や聴覚などの様々な器官より脳の入ってくる膨大な情報を過去の経験や今の状況に沿って選択し、
自分にとって必要な情報以外を認識しないようにする機能です。
また、
必要と感じている情報であれば、脳が率先してその情報を取りに行く機能
とも言えます。
この機能は、知らず知らずのうちに私たちは経験しています。
例えば、人込みの中で、自分の聞き覚えのある声で、自分の名前を呼ばれると気づくことができます。これは、RAS効果によるものです。

この脳の機能を活かし、スタッフは名前を名乗った後に
リハビリスタッフは、どんなことをしてくれる人なのか
を説明することが望ましいです。

例えば、歩くと腰痛が生じ、外出できなくなった利用者がいたとします。

・ストレッチなどの筋骨格系へのアプローチが得意なスタッフの場合
「筋肉の硬さや姿勢の改善を行い、腰痛の軽減させるリハビリを
進めていきたいと思います。よろしくお願いします。」
実際のリハビリ内容は、ストレッチ＞歩行練習になると思います。

・立ち上がりや歩行などの動作分析が得意なスタッフの場合
「腰痛の原因になっている歩き方を修正しながら、外に行けるようにリハビリしていきましょう。よろしくお願いします。」
実際のリハビリ内容は、ストレッチ＜歩行練習になると思います。

まとめ

信頼関係を築く絶好のチャンスは、初回訪問時の自己紹介にあります。
リハビリの仕事内容は、まだまだ世間に周知されていません。
利用者さんは、「リハビリの人ってどんな人？」と分からないことが多いです。
そのため、
①初頭効果
②ペーシング
③RAS効果
を考慮した自己紹介を行い、
「この人は信頼できる、何でも話せる」と感じさせることが重要です。