ハッチ(訪問作業療法士)

埼玉県の作業療法士。訪問リハビリの経験が8年目になりました。訪問リハビリにおいて、心理…

ハッチ(訪問作業療法士)

埼玉県の作業療法士。訪問リハビリの経験が8年目になりました。訪問リハビリにおいて、心理学を臨床応用するためのアイディアを週に一本のペースで記事にしています。 今後は、訪問リハビリの利用者さんだけでなく、その家族も活き活きする事業をやりたいです!

最近の記事

【訪問リハビリあるある】転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーション!

訪問リハビリの利用者さんは、自宅内外の転倒予防が依頼目的であることが多いです。 日本では高齢者の3人に1人は1年間に一度以上の転倒を経験するとされ、転倒に伴う大腿骨近位部骨折などの骨折が、要介護の主要な原因の1つと言われています。 訪問リハビリでは、転倒予防のために下肢・体幹の筋力やバランス機能の向上を図りつつ、日常での立ち上がりや歩行の機会を増やしていくように関わります。 しかし、転倒不安が強い利用者さんの場合、リハビリ以外の時間は極力立たない、歩かないことが多く、結

    • 【訪問リハビリあるある】家族にリハビリを見られて緊張してしまう時の対策!

      訪問リハビリでは、利用者さんよりも家族がリハビリに対して意欲的であり、家族がじっとリハビリを見てくることがあります。 そんな時、家族からの視線に緊張してしまい、リハビリに集中できなかった経験はありませんか? また、家族から突然の質問されたが、上手く返答できず、悔しい思いをしたことはありませんか? 今回は、家族にリハビリを見られて緊張してしまう時の対策について、紹介します。 この対策を肝に銘じておくことで、家族との信頼関係を築きやすくなると思います!!! 家族に見られ

      • 【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを始めてもらうためのポイント!

        訪問リハビリでは、セラピストとのリハビリ時間以外にも自主トレーニングを勧めると思います。 自主トレーニングを行うことに対して、積極的な利用者さん<消極的な利用者さんの場合が多いのではないでしょうか? 今回は、自主トレーニングを始めることに消極的な利用者さんに対する関わりのポイントについて紹介します! 自主トレーニングに消極的になる理由訪問リハビリの利用者さんが自主トレーニングに消極的になる理由は以下の2つが考えられます。 ①緊急で困っていることがない ②自主トレーニン

        • 【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント④

          自主トレーニングは、多くの研究で有効性が示されており、積極的に利用者さんに勧めると思います。 しかし、セラピストが丁寧かつ熱心な説明をしても、自主トレーニングを継続できない利用者さんがいます。 これは、セラピストの説明と利用者さんの動機が不一致である可能性があります。 今回は、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントとして、セラピストの説明の使い分けを紹介します! 以前紹介した自主トレーニングを継続してもらうシリーズも読んでほしいです! 自主トレーニングに対す

        【訪問リハビリあるある】転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーション!

          【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント③

          訪問リハビリでは、セラピストとのリハビリ時間以外にも自主トレーニングをするように勧めると思います。 しかし、利用者さんの中には、自主トレーニングを数週間、継続することができていても、いつの間にか辞めてしまっているケースはいませんか? 今回は、そんな利用者さんに対して自主トレーニングを継続してもらうためのポイントについて紹介します! 途中で自主トレーニングを辞める理由自主トレーニングを途中で辞めてしまう理由は、”自己否定感”になります。 自己否定が強い利用者さんは、自主

          【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント③

          【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント②

          自主トレーニングの提案・指導は、訪問リハビリ業務として重要視されています。 しかし、自主トレーニングを継続して行える利用者さんは少なく、セラピストは「どうすればあの利用者さんはやってくれるだろうか、、、」と悩むと思います。 上記のような利用者さん側に理由を求めることはあるあるですが、セラピスト側の理由を考えたことはありますか? 今回は、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントとして、セラピスト側の理由について紹介します! 自主トレーニングが継続する利用者さんの特

          【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント②

          【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント①

          訪問リハビリにおける自主トレーニングは、多くの研究によりその有効性が認められています。 そのため、セラピストは、ほとんどの利用者さんに対して自主トレーニングを提案していると思います。 しかし、利用者さんの多くは、自主とレーニングの必要性や重要性について認識できているにも関わらず、それを継続することは難しいです。 そこで今回は、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントについて紹介します! 自主トレーニングが継続しない理由自主トレーニングが継続しない理由は、脳が変化

          【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント①

          訪問リハビリのセラピストが知っておくべき3つ心得!

          「〇〇(利用者さん)は、もっと努力してほしいな、、、」 「〇〇さんの家族は何も話してくれなくてよく分からないな、、、」 「(利用者さんもそくは、その家族に対して)ちゃんとしてほしいな、、、」 訪問リハビリのセラピストは、利用者さんが困難になった生活動作の自立に向けて運動や動作方法の提案を行うだけでなく、住環境や福祉用具の評価、家族の悩みを聞いたり、相談に乗ったり、介助方法を伝達したり、、、と大忙しです。 決められた時間内で利用者さんとその家族へ完璧に対応することは難しいた

          訪問リハビリのセラピストが知っておくべき3つ心得!

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!番外編!

          訪問リハビリの利用者さんの多くは、始めがやる気に満ちているが徐々に低下してきてしまう人、始めからやる気がなく、何もしたくない人になると思います。 やる気が低下している利用者さんは、リハビリに意欲的に取り組んでくれなかったり、気分不快があると利用をキャンセルしてしまう傾向があります。 先月より、やる気が低下してしまう利用者さんの様々な心理から考えられる対応について、以下の記事で紹介してきました。 しかし、上記のようなやる気に関する知識がなくても、利用者さんのやる気が自然と

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!番外編!

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!その3!

          訪問リハビリの利用者さんは、加齢や廃用に伴う身体機能の低下、脳卒中後の運動麻痺などの後遺障害、パーキンソン病などの進行性障害があることが多いです。 上記のような逆境を乗り越えること=リハビリをすることになりますが、自分ではどうしようもできないと考えてしまうと、やる気を高めたり、維持することは大変になると思います。 そのため、訪問リハビリで働くセラピストは、利用者さんがやる気を高める方法をたくさん考えられると良いです。 今回も、やる気を高めるポイントについて、先週に引き続

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!その3!

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!その2!

          訪問リハビリでは、利用者さんの家にセラピストが訪問してリハビリを提供するため、利用者さんのやる気の管理ができていなければ、気分不快によるキャンセルの連絡が増える、リハビリが進まず成果が出ない、などなど様々な問題が生じます。 上記の理由から、入院リハビリよりも訪問リハビリで働くセラピストは、利用者さんのやる気について考える機会が多いのではないでしょうか? そんなやる気を高めるポイントについて、先週に引き続き、今回も紹介します。 先週の記事をまだ読んでいない方は、是非、以下

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!その2!

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!その1!

          訪問リハビリの利用者さんは、リハビリ病院から退院しやる気に満ちている人、不活発な生活や痛みが増悪したことで動けなくなり、やる気が低下している人などなど、様々な方がいます。 セラピストは、そんな利用者さんと一緒に徒手療法や運動療法、生活動作練習を行っていくため、やる気を管理していかなければいけません。 そこで今回は、訪問リハビリの利用者さんのやる気を高めるポイントについて紹介します。 やる気が低下してしまう理由やる気が低下してしまう理由は、楽な選択肢を選んで生活を送ってい

          【効果的な訪問リハビリ】利用者さんのやる気を高めるポイント!その1!

          【効果的な訪問リハビリ】頼りにしたくなるセラピストの立ち振る舞い!

          訪問リハビリの利用者さんは、体調不良や障害により日常生活で困難が生じ、リハビリを行います。 そんなリハビリを一緒に行うセラピストは、利用者さんにとって頼れる存在になります。 しかし、利用者さんの相談を聞く、リハビリを提供する、的確なアドバイスなどなど、セラピストの専門性だけでは、不十分なことが多々あります。 今回は、利用者さんが頼りにしたくなるセラピストの立ち振る舞いについて紹介します。 頼りにしたくなるセラピストとは訪問リハビリの利用者さんが頼りにしたくなるセラピス

          【効果的な訪問リハビリ】頼りにしたくなるセラピストの立ち振る舞い!

          【訪問リハビリあるある】完璧主義な利用者さんに対するリハビリの進め方!

          訪問リハビリでは、生活の様々な動作で困難が生じた利用者さんに対してリハビリを提供していきます。 そのリハビリでは、困難になった生活動作へ挑戦することが大事な取り組みになります。 しかし、利用者さんの中には、高い目標を持ってしまう、利用者さん自身が考えた体力や筋力、体調などの準備をすべて整えようとする、自分に厳しい評価をしてしまうなど、完璧主義な方がいます。 完璧主義な利用者さんに対するリハビリでは、セラピストの考えや提案に共感してもらえず、何となく利用者さんの言うとおり

          【訪問リハビリあるある】完璧主義な利用者さんに対するリハビリの進め方!

          【訪問リハビリあるある】利用者さんと反りが合わない時の解決策!

          「〇〇(利用者)さんとうまく話せないなぁ」 「〇〇(利用者)さんの家に行くのは緊張するなぁ」 訪問リハビリでは、利用者さんとセラピストの信頼関係が大事であると頭で分かっていても、利用者さんに対して好き、嫌いがあったり、協調できなかったりと反りが合わないことがあります。 そんな時、利用者さんだけに原因を押し付けてしまい、関係性の改善を図らずにいると、お互いの言いたいことを言えない、仮病でのキャンセルが増える、リハビリに非協力的になる、などなど様々な弊害が生じると思います。

          【訪問リハビリあるある】利用者さんと反りが合わない時の解決策!

          9.14 父の死を受け止められた私の話

          2022年9月14日、9:25に私の父は、肺がんで亡くなりました。 享年63歳、肺がんと診断されてから3年でした。 8月一杯で仕事を退職し、自宅で緩和ケアを行う予定でしたが、9月12日に自宅で倒れてしまい、病院で点滴などの処置して元気になったと聞いた直後の訃報でした。 父が亡くなった日に私と妻、娘2人で急いで青森に帰り、葬儀などの準備を行い、あれよあれよのうちに父と別れてしまいました。 私と父は、お互いを名前で呼び合い、煙草を吸っては語り合い、週に1回は髪を切り合って

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