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【訪問リハビリあるある】転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーション!

訪問リハビリの利用者さんは、自宅内外の転倒予防が依頼目的であることが多いです。

日本では高齢者の3人に1人は1年間に一度以上の転倒を経験するとされ、転倒に伴う大腿骨近位部骨折などの骨折が、要介護の主要な原因の1つと言われています。

訪問リハビリでは、転倒予防のために下肢・体幹の筋力やバランス機能の向上を図りつつ、日常での立ち上がりや歩行の機会を増やしていくように関わります。

しかし、転倒不安が強い利用者さんの場合、リハビリ以外の時間は極力立たない、歩かないことが多く、結果として生活での運動量が少なくなり、転倒リスクが高いままになってしまうことがあります。

そこで今回は、転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーションについて紹介します!

転倒不安が強い利用者さんの特徴

転倒不安が強い利用者さんは、常に脳が警戒モードになっており、そうでない人と比べて「歩くと転んでしまう」、「ふらついて転んだら骨折してしまう」のようなネガティブに考えやすくなっています。

そのため、不安や心配事が頭から消えず、悩んでいる時間が長く、解決策を実行することが難しくなっていることが特徴です。

また、心配事が多かったり、ずっと考えてしまっていると睡眠を妨げてしまうため、寝つきが悪い、寝ても疲れが取れないなどの訴えが聞かれることも多いです。

転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーション

転倒不安を軽減させるためのリハビリとして、「安定して○○ができた」という成功体験を積み重ねたり、転倒しない環境調整にて利用者さんの安心して動ける範囲を増やすなどが王道であると思います。

しかし、セラピストと一緒にリハビリをしている時間は、心配事が一時的に消えているだけで、一人になるとまた悩んでしまい、動かずにじっとしてしまうことが多々あります。

そのため、転倒不安が強い利用者さんとは、じっくりとコミュニケーションを取ることも重要になります。

コミュニケーションのポイントは、「転倒シチュエーションを紙に書き出すこと」になります。

心配事や不安は誰かに話すだけでも気持ちが楽になり、すっきりしますが、実際に紙に書き出す方がさらに効果的になります。

心配事や不安がある場合は、頭の中で考え込んでいるために様々な因子が複雑に絡み合っている=混乱が起こってしまうため、自分自身で解決策を見つけることが難しくなります。

そこで、転倒に関する心配事や不安=転倒シチュエーションについて、いつ、どこで、どんな風に転ぶかを想像してもらい、紙に書き出します。

例えば、「夜間にトイレへ行く時、廊下で足を滑らせて尻もちをつく」、「台所で振り返った時に横に倒れる」などになります。

利用者さん自身が具体的な転倒シチュエーションを思い浮かべることが難しそうであれば、セラピストが住環境から考えられる転倒について利用者さんに提示し、共感が得られれば紙に書き出していきます。

実際、紙に書くことで心配事や不安が明確になり、利用者さん自身が解決策を考えやすくなったり、考え過ぎだったと思う直すチャンスになります。

また、事前に転倒シチュエーションに関して考えておくことで、実際に転倒してしまった時の状況把握が正確にできたり、精神的なダメージも少なくなります。

まとめ

今回は、転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーションについて紹介しました。

転倒不安が強い利用者さんは、常に不安なや心配事が頭から消えず、悩んでいる時間が長くなっています。

そして、悩んでも悩んでも問題がまとまらず、頭の中がいっぱいいっぱいになっています。

そこで、転倒不安が強い利用者さんとのコミュニケーションでは、利用者さんの頭の中を整理するために、転倒シチュエーションの詳細を紙に書き出していきます。

シチュエーションに分けて書き出すことで、転倒に関する不安や心配が明確になり、悩むフェーズが終わり、解決策を考えるフェーズに移行しやすくなります。

解決策を考えると安心し、不安が軽減します。

また、自分自身に対して心配し過ぎだった、考え過ぎだったと思うことができるだけでも、不安が軽減します。

是非、やってみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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