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【効果的な訪問リハビリ】自主トレーニングを継続してもらうためのポイント④

自主トレーニングは、多くの研究で有効性が示されており、積極的に利用者さんに勧めると思います。

しかし、セラピストが丁寧かつ熱心な説明をしても、自主トレーニングを継続できない利用者さんがいます。

これは、セラピストの説明と利用者さんの動機が不一致である可能性があります。

今回は、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントとして、セラピストの説明の使い分けを紹介します!

以前紹介した自主トレーニングを継続してもらうシリーズも読んでほしいです!


自主トレーニングに対する利用者さんの動機

自主トレーニングの目的は、セラピスト、利用者さんともリハビリ目標達成になります。

しかし、目標達成に対する動機には下記の2つがあり、セラピストと利用者さん間で不一致が生じることがあります。

心理学者トーリー・ヒギンズのフォーカス理論による目標達成に対する動機
1.ポジティブな結果を求める「獲得型」
2.ネガティブな結果を避ける「防御型」

それぞれの利用者さんの特性についても以下で解説します。

「獲得型」の利用者さんの特性

・楽観的
・リスクやチャンスに飛びつきやすい
・褒められることでやる気が上がり、批判でやる気が下がる
・スピード重視のため、すぐに成果を得たい

「防御型」の利用者さんの特性

・悲観的
・危険回避がモチベーション
・正確さを好む
・粘り強い

自主トレーニングを継続してもらうための説明

自主トレーニングを継続してもらうためには、利用者さんの動機を理解してから説明することが有効になります。

セラピストが大事と考えること=セラピストが好きな分野、言いたいだけの場合が多いと思います。

利用者さんの動機に合わせた説明をできなければ、自主トレーニングの継続は難しくなります。

例えば、自主とレーニングとして立位でのつま先立ち運動を説明をする場合。

「獲得型」の利用者さんに対しては、「普通に立っているだけでは鍛えられない、下っ腹の筋肉を鍛えることで、歩くバランスが良くなり、スピードが速くなります。自分のやれるだけやってみてください!」のように”促進”を強調した説明がおススメです。

「防御型」の利用者さんに対しては、「下っ腹から足全体の筋力が弱くなってしまうと足が浮腫んだり、便通が悪くなってしまうため、1人で歩けるようになるまでは、つま先立ち運動で筋力の維持、向上していきましょう!」のように”予防”=悪化させないこと”を強調した説明がおススメです。

是非、やってみてください!

まとめ

今回は、自主トレーニングを継続してもらうためのポイントとして、セラピストの説明の使い分けを紹介しました。

自主トレーニングに対する説明をする場合は、セラピストの知識や経験を丁寧かつ熱心に伝えるだけでは不十分であると考えます。

それぞれの利用者さんがリハビリ目標達成のためにどのような動機を持っているかを理解し、その動機に合わせて説明を使い分けることが大事であると思います。

目標達成に対する動機には、ポジティブな結果を求めるが、飽きやすい「獲得型」とネガティブな結果を避けることを優先する「防御型」があります。

普段の何気ない会話、利用者さんの話す内容から、利用者さんのリハビリに対する動機を把握し、セラピストの説明では”促進”を強調するのか、”予防”を強調するのかを判断しながら行うことをおススメします。

利用者さんのリハビリや自主トレーニングに対する動機は、心身状態や環境によって変動することもあります。

リハビリや自主トレーニングの説明をする際には、適宜、利用者さんの動機を探ってみてください!

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