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【訪問リハビリあるある】アドバイスの受け入れが悪い利用者さんへのコミュニケーションアイディア!

訪問リハビリでは、セラピストから利用者さん、もしくは家族に向けて安全・安楽に生活が送れるように、自宅環境の調整、動作時の体の使い方、家族の行う介助方法などのアドバイスを行います。

しかし、このアドバイスがすんなりと受け入れてもらう事は、少ない印象です。

アドバイスの受け入れが悪い理由は様々ですが、利用者さん、その家族ともに、今までやってきた行為と環境を変えること、新しいことに取り組むことに抵抗があるんだろうな~と思っています。

すると、アドバイスの受け入れが悪い利用者さんやその家族に対しては、アドバイスを控えるようになっていませんか?

私自身は、専門家として言いたいことを言えないのは、つらい、、、です。

今回は、アドバイスの受け入れが悪い利用者さんやその家族へのコミュニケーションアイディアを紹介します。


アドバイスをするタイミングは2つ

セラピストから利用者さんやその家族にアドバイスするタイミングは、2つあると思います。


タイミング


1.利用者さんやその家族から相談された後に、アドバイスする時。
つまり、〈相手から明確な助けを求められた時〉になります。
2.雑談や問診をした後に、利用者さんやその家族のためと思ってアドバイスする時。
つまり、〈相手から明確な助けを求めていない時〉になります。

アドバイスの受け入れが悪くなりやすいのは、どちらかというと〈相手から明確な助けを求めていない時〉だと思います。

上記の2つのタイミングに合わせたアドバイスの仕方=コミュニケーションアイディアを以下に紹介します。


助けを求められた時のアドバイスの仕方

助けを求められている=セラピストを信頼、信用している証でもあるため、基本的には好きなようにアドバイスしてもOKです。


注意事項


しかし、注意するべきポイントが3つあるので紹介します。

①現状について認める、もしくは現状を褒める。

アドバイスを求められたからといって、利用者さんやその家族の現状を否定していい訳ではありません。
まずは、現状の方法で生活が送れている事実について褒めましょう。
その後に、セラピストの考えとして別の可能性をアドバイスします。


②手間や苦労が減る。

アドバイスする時には、大きな変更が伴わない方が良いと思います。
手間や苦労が減る=やるべきことが少ない、もしくは簡単になるようにします。
つまり、初めから事細かな方法を提示し、完璧を目指すのではなく、やっていくうちにブラッシュアップできる余地を残しておきます。


③利用者さんやその家族の自由意志を尊重する。

この自由意志の尊重は非常に重要になりますが、忘れがちになります。
アドバイスをした後には、「やってみてください。」ではなく、「今の方法で絶対やらなければいけない訳ではないですよ。参考にしてみてくださいね。」のようにやるか、やらないかは自由意志であることを最後に伝えます。

人間は、強制されると拒みたくなる心理があることを念頭に入れておきましょう!!!


助けを求めていない時のアドバイスの仕方

利用者さんやその家族から、セラピストに向けて疑問文で助けを求められていない時には、アドバイスの仕方に工夫が必要です。

その工夫とは、〈利用者さんに向けてアドバイスしない〉になります。

具体的には、下記の3つの流れで行います。

 共感➡ニュース的な情報提供➡知識の確認

例を用いて解説します。

例えば、「歩くとふらふらしてしまう。」と話している利用者さんがいたとします。


ふらつき


ここで、受け入れが悪くなるアドバイスの仕方は、「〇〇(利用者さん)の場合は、歩行器を使うと歩けますよ。」のように、すぐに利用者さんに向けたメッセージを伝えてしまうことです。

大事なのは、共感➡ニュース的な情報提供➡知識の確認の流れを踏むことになります。

「歩くとふらふらしてしまう。」に対しては、「歩くとふらついてしまうんですね。立っている時はふらつきますか?」のように共感しながら会話を進めていきましょう。

そして、歩行器を使うことで安全・安楽に歩けそうだな~とセラピストが考えた時に、ニュース的な情報提供、知識の確認を行います。

「そういえば最近、歩く時にふらつてしまう方で、歩行器を使ってる人も多いみたいですよ。」

「〇〇さん(利用者さん)は、歩行器ってご存じですか?」

「ある利用者さんは、歩行器を使い始めてから自然と前を向いて歩けるようになって、歩くことへの不安が減ったみたいなんです。それから、ドンドン歩く機会が増えて、結果的に歩く力がついてきました。」

上記のようにニュース的な情報提供と知識の確認を繰り返し行っていきます。

利用者さんやその家族にとってセラピストの話の内容は、真新しい情報であることがほとんどです。

残念ながら、真新しい情報を得たばかりでは、実行に移しにくいです。

実行に移すまでには、利用者さんやその家族とセラピストの知識の差を埋めて、実際に行っているイメージができることが望ましいです。

そのため、「歩くとふらつくなぁ。」と何度言われても、少し言い回しを変えたり、エピソードトークを変えたりしながら、間接的なアドバイスと捉えられる情報提供を繰り返して行い、「歩く時には、何か使った方がいいですか?」のように疑問文で助けを求められるまで虎視眈々と待ちます。


忘れる


実は、同じような情報提供を行い続けても、人間は情報のみを記憶し、発信者までを記憶しないことがほとんどです(スリーパー効果と呼ぶ)。

自分にとって重要であると判断された情報は無意図的に記憶されていき、同じような情報に触れた時に何となく知っている=正しい情報として判断されやすいです。

遠慮せずに、やってみてください(笑)。

ただし、毎週のように情報提供をすると、さすがにセラピストが言ってたと記憶されかねないため、私は月に1~2回程度にして、共感は毎回毎回のリハビリの時に行っています。


まとめ

アドバイスの受け入れが悪い利用者さんやその家族へのコミュニケーションアイディアを紹介しました。

利用者さんやその家族がアドバイスを受け入れない時は、求められていないアドバイスをセラピストがしてしまった、もしくは、利用者さんにとって真新しい情報のために抵抗感があると考えています。

アドバイスを受け入れてもらいたいのであれば、利用者さんやその家族からアドバイスを求められるまで待ちましょう。

しかし、セラピストの持っている知識を知ってもらったり、利用者さんやその家族が質問しやすい状況にならなければ、アドバイスを求められません。


シニア2


そこで、利用者さんや家族にとって、有益となる情報提供は継続的に行い、その情報が実はアドバイスにもなっているようにしておくことがおススメです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

下記の記事も、利用者さんやその家族とのコミュニケーションアイディアになります。

読んでほしいです!!!

それでは、また来週!!!




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