訪問リハビリあるある!セラピストの提案に難色を示す利用者さんには、どう対応するの?
訪問リハビリでは、 自宅で生活困難を抱えた利用者さんに対して様々な提案を行っていきます。
例えば、歩く時にふらついてしまい 転びそうになる利用者さんに対しては 歩行器のレンタルを提案していきます。
立ったり、歩いたりすることができてきた利用者さんに対しては、家での活動量が少ないので、デイサービスの利用を提案していきます。
しかし、利用者さんの中には セラピストの提案に難色を示す方がいらっしゃいます。
セラピストは、利用者さんの困り事を解決するために提案しているにも関わらず、利用者さんが説得に応じてくれなくて、困ったことはありませんか?
今回は、セラピストの提案に難色を示す利用者さんの正体を考察し、その対応方法を紹介します!
セラピストの提案に難色を示す利用者さんとは?
訪問リハビリの利用者さんは、今までできていた事ができなくなっているめに、生活困難を感じています。
そこで、多くのセラピストは、利用者さんにとって最善と考えられる提案をしていると思いますが、その内容は断定的で正論になっていることが多いと思います。
訪問リハビリの利用者さん多くは、生活を送ることに少なからず不安や恐怖感があります。
つまり、セラピストの提案に難色を示す利用者さんは、不安や恐怖感があるために、他者の話に耳を傾けにくくなっていると考えます。
そのように考えると、利用者さんの感情ベースで会話して、安心してもらってから提案することが大事になります。
セラピストが経験や知識を基に考えた提案よりも、利用者さんがイメージしやすい提案の方が、受け入れてくれやすいです。
そこで、提案する前に利用者さんの感情ベースで会話するためのポイントを2つ紹介します。
このポイントに気をつけながら、利用者さんと会話を行い、十分に安心感を感じてもらえてから提案や説得を行うと良いと思います。
提案前の会話 ポイント1
ポイントの1つ目は、「新しい情報として伝えない」になります。
人間の脳は、新しい情報を警戒してしまい、拒否しやすい傾向があります。
つまり、事実や説得力よりも、自分自身がイメージできる=体験したことが大事と考えてしまいます。
そのため、セラピストの提案が最新かつ科学的に正しいとされていることであっても、利用者さんの警戒心が解けるまでは、核心的な内容は口に出さない方が良いです。
例えば、歩く時にふらついてしまい 転びそうになる利用者さんに対して、歩行器を提案する場合を考えてみます。
セラピストからいきなり、「〇〇さんであれば、キャスター付きの歩行器が良いと思います。」のようにズバッと言ってしまうと、歩行器というワードが利用者さんにとって新しい情報になる可能性があります。
そして、歩行器を使いたくない、もしくは歩行器の存在や意味を知らない利用者さんであれば、難色を示す可能性があります。
まずは、以下のような質問を投げかけて自身の現状と歩行器の知識に関して会話を進めていきます。
「歩く時に転びそうになることはありますか?」
「掴まって歩くとふらふらしなくなると思いますが、片手と両手ではどちらが安心しますか?」
「歩くことを助けてくれる道具は、ご存じですか?」
この質問を通して、利用者さんには歩行補助具には、①杖 ②歩行器 ③歩行車があることを紹介し、イメージを膨らませてもらいます。
利用者さん以外の方が歩行補助具を使用している場面を見たことがあったり、使用している人の印象などを把握すると良いと思います。
提案前の会話 ポイント2
ポイントの2つ目は、「脅威を与えない」になります。
会話の中に脅威を与えるような内容があると、提案を受け入れにくくなります。
これは、何気なく言ってしまうことが多いと思います。
例えば、歩く時にふらついてしまい 転びそうになる利用者さんに対して、歩行器を提案する場合を考えてみます。
「このままだと歩けなくなるよ。」、「尻もちついたら、腰の骨を骨折しちゃうよ。」などを利用者さんに言ってしまったら、その後の提案には、難色を示すと思います。
家族やケアマネジャーが冗談のように言ってしまうことは良いとして、セラピストは絶対に言ってはいけないです。
むしろ、励みになる言葉をかけることが効果的です。
「安心・安全に歩くことを続けると、力になりますよ。」
「歩行器を使って歩けたら、次は杖の練習もしましょう。」
まとめ
セラピストは、利用者さんの困り事を解決するために様々な提案していきます。
しかし、いきなり核心的な提案をすることは望ましくないです。
訪問リハビリの利用者さんは、加齢や疾患による身体機能の低下から、生活を送ることに少なからず不安や恐怖感があります。
この不安や恐怖感を取り除いてあげなければ、セラピストの提案を受け入れにくいです。
そこで、提案前に利用者さんを安心させるような会話を行いましょう。
ポイントは、2つあります。
1.「新しい情報として伝えない」
利用者さんがイメージできるように段階づけて会話をしていきながら、情報を少しずつ公開していきましょう。
2.「脅威を与えない」
「歩けなくなりますよ。」、「転んじゃいますよ。」のような声かけは、冗談でも言わないようにしましょう。
上記のポイントに気を付けて提案前に会話を進めていき、利用者さんの感情に共感し、利用者さんの知識を共有してから、提案するとスムーズに説得できると思います。
是非、試してみてください!!!
最後まで、読んでいただき、ありがとうございます。
また、よろしくお願いします!!!
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