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新鮮なベランダ

新居のベランダが広くて好きだ。 5階に住んでいるから、まあまあ高い。 よく地面を見下ろしては、差し迫る鮮やかな本能的恐怖を感じている。 私はここから飛び降りることができない。 13の時に「死にたい」と思ってから、早10年が経とうとしている。 人生はささやかな絶望でできている。 希望なんてのは、夏の夜の夢で、だいたい起きたら消えている。 こちらの記事で紹介した友人と、最近歩幅が合わなくなってきた。 十年の仲で、最愛で、家族よりも上位存在だった彼女は、あまりに呆気なく、私

    • 大切な誰かを置いていくこと

      3年前に知り合った友人が、実は大事な友達を数年前に自殺で亡くしていたことを最近知った。 いや、もとからやんわりと知ってはいたが、詳細を聞いたのは最近だった。 それは私が思うよりずっと重く、心が壊れ、歪み、そして現在に至るまで心に大きな何かを残している出来事だったらしい。 私自身希死念慮持ちなので、泣いてほしくない人より泣いて欲しい人の方が多いわけだけど、今回この一件を聞いて「自殺で友人を置いていくこと」の罪深さを知った。 彼は専門学校で一緒だった友人と共に企業に引き抜かれ

      • ゲームが楽しめない損

        いまどきゲーム機がなくともスマホさえあればゲームが楽しめるようになった。 RPGのようなソシャゲをしたり、ぷよぷよをしたり、FPSのようなものをやってみたり… 今まで多くはないが複数のゲームで遊んでた経験がある。 ぷよぷよに関しては3年くらいでやり込んでたから売れば高そうなデータが残っている。 でも、ゲームは別に好きではない。 こんだけやっているが、明日からやめろと言われたらやめれるし、今すぐデータよこせと言われたら「まあいいか」となるくらいどっちでもいい。 ただ時間を溶

        • つぶやきごと

          最近、視界の端を何かが横切ることが多い。 でも振り返っても何もない。 白い大きな猫みたいな、雰囲気的にはそんな感じのものなんだけど、ニャンコ先生みたいな何かが私にも憑いているのだろうか。 世では守護霊という概念があるので、何かから守ってくれているのかもしれない。だからそっとしてくれてるのかな。 私は霊的なものはあまり信じていないし、残念ながら霊感もないのでそういったものと出会えたこともない。 でもひとりでは到底立っていられないので、そばに誰かがいてくれたらそれに越したことは

        新鮮なベランダ

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        • ひとり交換日記
          8本

        記事

          本を買う前に話を聞け

          現在就活中なのだが(民間志望ではないので遅い)、一緒に頑張ってる友達が病みまくっている。 朝7時に「面接カードが書けなくて眠れない」と電話がかかってきたり。 震えが止まらず、ペンを持つ手がガタガタ。 眠れずレッドブル。からの眠剤。 そして今日は「自殺マニュアルの本を買った」と。 いや、まず話を聞いてくれ。 どうして人は病んでしまうのだろう。 私も人のことは言えないけれど、彼女の病みと私の病みはちょっと種類が違う気がする。 私は生育歴からくる慢性的なもので、彼女のは就活からく

          本を買う前に話を聞け

          告白されそうなので脱兎

          もう、毎度いつものことなのだけど。 最近は「告白された」という肩書きにこだわらず……要は告白された事実を確認する前に離脱することができるようになってきた。 世間一般でいう「モテ」とかはさておいて、そこそこ人に好かれる。 絶世の美女でもないしめちゃくちゃ聖人なわけでもないから、やはり「そこそこ」なのだ。 付き合った人は5人、告白されたのは9人。 告白したのは1人。 好意を寄せられていて、告白される前に逃げたことは何回もある。もう忘れたのもある気がするし数えてもない。 私は異

          告白されそうなので脱兎

          夜、あるいは

          もしあなたの感じてきた悲しみが、全て嘘に対するものであったと知ったら、あなたはどうするだろう。 私は不当に人を恨み、事実ではない現実を見て悲しんできたことが突然発覚した。 何の前触れもなく伝えられた事実が、今までの二十余年間をたったの3分でひっくり返した。 もはや何を悲しめばいいのかわからないくらい塵のような現実が転がっている。 呆然とした。 今こそ、今ならば多少の我儘が許されてもいいと思った。 世界一大好きな友達に連絡を入れた。 怒るはずもないことは知っていて、でもハッ

          夜、あるいは

          海辺を蹴る

          自分が好きな言葉を並べる。 海、青、快晴、最後、夜 夜明け、花、死 今、喫緊の課題として「希死念慮」がある。 とりあえずやろうと思っていた英単語帳はやめて、その20分をこの記事を書くことに充ててみる。 お題は救いについて。 希死念慮に必要な対処法は、結局のところ即効性の高い救いだと思う。 よくある方法に、気を逸らすことや他のことをやって忘れることがあるけど、これは問題解決になってない。 ただ今この命が今日から明日に行けると言うだけで、心の辛さに変わりはない。 私のことを

          海辺を蹴る

          世界一愛してる友人へ

          今のいままでこの関係を言葉にしようと、Googleをサーフィンしまくったが結局徒労に終わった。 特別な友達って誰にでもいるわけではないし、私と彼女の文脈が稀有でありすぎるのだろう、似た例が見つからない。 ならば仕方ない、もう自分で言葉を見つけるしかない。 私は彼女ともう10年目の付き合いになる。 出会ったのは10年前の春、入学したての頃、初めて座った席、隣にいたのが彼女だった。 私は右利きで右側に、彼女は左利きで左側に座っていた。 腕が当たらなくて良いと彼女が話していたのを

          世界一愛してる友人へ

          人生を楽しく過ごすために

          タイトル怪しすぎる!!!!!! まあいいか。 自分のために自分が楽しいと思うために大切なことをかいてこー! 楽しくない時は何がダメなのかのヒントにしていこう。 うまい!うまい!と言おう。 味を感じよう!食べてみたことないものを食べてみよう。まだ知らないあじ。 どんなあじかな? 家で食べるのもいいけど店の席に座って食べるのはまた違った感じがしていいよ! 最高だよな!! やっぱ楽しい気持ちになるよなあ。 あつくなったり、尊くなったりしよう。 意外に好きなんだよな!日のあった

          人生を楽しく過ごすために

          ひとり交換日記#E

          今回は#大学編となる。 まだ大学2年なので、これまでの2年を振り返る形で送る。 拝啓 私へ お元気ですか。 相変わらず死にたい病ですか。 これからどうなるんでしょうねえ。 大学に入学する数ヶ月前からコロナが流行り始めた。 春を迎えても、夏を迎えても終わることはなかった。 春先に一年付き合った彼女と別れた。 高校の頃ずっと好きだった男の子に告白して振られた。 落ち込みはしなかったが恋が終わった事実だけ残った。 私は一度も学校に行かないまま夏休みを迎えた。 孤独だった。 ひた

          ひとり交換日記#E

          ひとり交換日記#Q

          今回は#?編。 なぜひとり交換日記を始めようと思ったか、ちょっと掘り下げてみる。 実は、これは遺書だ。私の遺書。 結構不意に死にたくなるので私はいつもラストノートみたいなものを書きたいと思っていた。 でも仲良くしている人なんてその時々で違うし、言いたいことも違うかも。 いちいち遺書更新するのも面倒だし…という具合に、めんどくさがりなので回顧録のようなものを遺書として残すことにした。 きっと身内になら人の頭文字で誰かわかるだろうと思っている。この文を読めばその人が私にとって

          ひとり交換日記#Q

          ひとり交換日記#K

          今回は番外、#ネット編。 拝啓 私へ お元気ですか? あなたがなぜ関西弁を話さないか知っていますか。 それはあなたが生きてきた証だと思います。ここではない、ネットの世界で。 私は大阪出身大阪育ちなんだけれど、あんまり関西弁をしゃべらない。 両親も関西人なのに、私だけ標準語だ。浮いてる。 それはネット上の友達に出身を明かさないためだった。 小学生のころからキーボードを叩いて電子の世界に身を投げていた私にとって、ネットは第二の居場所だった。 初めて手をつけたオンラインゲーム

          ひとり交換日記#K

          ひとり交換日記#Y

          どんどんいこう。 今回は#高校編で。 拝啓 私へ お元気ですか? 青春の代表格、華の高校生だったころのこと。 まだ最近ですから覚えているはずです。 どうか忘れないでね。 私はとても楽しかったから。 高1のとき、私は高校選びを間違えたことに気づいた。 1番最初のテストから学年トップ10入りを果たしていたが、いかんせん周りが動物園だった。 遊べる進学校がうちの裏の売りで、文化祭も体育祭も派手。制服がなく、校則は緩い。ピアスOK、髪染めもバレなければ。スマホもOK、授業中に鳴っ

          ひとり交換日記#Y

          ひとり交換日記#S

          車校に来たら暇だと思っていたのに思いの外あんまり暇ではなかったし、noteを開く気分にもならなかった。 が、5日目にしてやっと気乗りしたのでちょっと書き進めよう。 今回は#小学生後編で。 背景 私へ お元気ですか。 小学校高学年のこと、よく覚えていますか? ちょっと渋い顔をしてるかもしれませんが、黒歴史も含めてしっかり思い出しておいてください。 今後の人生の戒めです。 さて、4年生の頃の話からしよう。 どうにも記憶が薄いのだが、おそらく何回か恋をしたrくんと一緒のクラスに

          ひとり交換日記#S

          どら焼きを食べて泣いた話

          私を可愛がってくれている大学の教授がいる。 もう50そこそこで、白髪と黒髪の混ざった髪型、優しい目元の皺が特徴的な、社会学専門の教授だ。 私は教授の研究室に何度か招いてもらい、色んな話をした。 つい先日も、夏休み中だが研究室を訪ねた。 いつもより口数が少ない私を気にしているのかしていないのか色んなことを止めどなく喋ってくれた。 ヤンキーの兄がいること、阪神淡路大震災のあの日のこと、甘いものが好きなこと、他にもたくさん。 彼はその中で、福知山線脱線事故の話をした。 もうずいぶ

          どら焼きを食べて泣いた話