栄養サプリではアトピーは治らない 〜 アトピー治療で"やめた"こと(2)
今回は、アトピー性皮膚炎に効くと言われている栄養サプリについて記事にしました。
アトピーに効くと言われる栄養サプリ
亜鉛、DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸、ビタミンC、ビタミンD、タンパク質など、アトピー性皮膚炎に効果があるとされる栄養サプリは様々にあります。
私自身も片っ端から試してきました。
亜鉛
皮膚や髪の毛などタンパク質の合成に関わる
皮膚の炎症を抑える効果がある
現代の食生活で不足しがち
亜鉛が不足すると健康な皮膚が保てなくなり、皮膚炎やかゆみなどが生じやすくなったり、傷が治りにくくなると言われています。私はサプリで摂っていました。
DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)
抗炎症作用、アレルギーを抑える効果がある
現代の食生活で不足しがち
人間は体内で合成できない
青身魚やその油、根菜類などに多く含まれています。私は食生活を魚中心に切り替えて、サプリでも補完していました。
ビタミンC
コラーゲンの生成に重要(コラーゲンは皮膚や血管、軟骨などを構成するタンパク質)
抗酸化作用と酵素を助ける作用があり、免疫力(血液中の白血球)を助ける
シミの原因となるメラニン色素の産生も抑えるなど美肌効果もある
人間は体内で合成できない
水溶性で過剰分がすぐに尿などに排出されるため、こまめに摂取する必要がある
ちなみに、私は美肌効果というものはアトピー治療では考える必要はないと思っています。
なんとなく言葉の印象からアトピーにも効果がありそうに聞こえてしまいますが、アトピーなのに美肌効果を求めるのは、埋め立て前の泥沼を綺麗に整地しようとするようなものです。
アトピーが治癒した後で、さらに肌を綺麗にするために考えるべきものだと考えています。
ビタミンD
自然免疫細胞のマクロファージを活性化して免疫機能を高める
炎症を引き起こすサイトカインというタンパク質を抑制する抗炎症作用
殺菌・抗ウイルス作用のある抗菌ペプチドの産生を促進する
カルシウムの吸収を促進する
神経伝達物質セロトニンを調整し、ストレスを緩和する
紫外線を浴びると体内合成される。紫外線が減る冬場は減少しやすい。
ちなみに、免疫機能を高めるといってもアトピーに直接効果があるかは不明です。抗菌ペプチドのうち、β-ディフェンシンというものは皮膚バリア機能を高めるそうで、こちらはアトピーへの効果は多少あるのかもしれません。
タンパク質
肌や髪、筋肉などを構成している。
免疫力を担う抗体もタンパク質で構成される
必要量が多く、食事のみで充分量摂取は大変
私はタンパク質をプロテインで補っていました。筋力を維持するためにもたくさん摂取する必要がありました。
アトピーに効く栄養素は”たくさん”ある
こうして見ると、様々な栄養素がアトピー性皮膚炎に対して(どれくらい改善するかは不明だが)効果があると言えます。ここに挙げた栄養素以外にもたくさん見つかるでしょう。
それはつまり、皮膚が様々な仕組みとたくさんの栄養素で出来ているだけのことかもしれません。
たとえばタンパク質が不足すると、皮膚の再生(ターンオーバー)が出来ず、回復力が下がり、アトピーも悪化してしまいます。
そうすると「アトピー改善に最も効果があるのはタンパク質だ」とも言えてしまいます。
その栄養素が欠けて皮膚に影響が出てくるものはアトピーに効果があると言えてしまうのです。
サプリ代と時間を費やした結果
私の場合、サプリを取ってアトピーが劇的に改善することはありませんでした。
特定の栄養素がアトピーに効くかどうかは「人による」というのが、当たり前ではありますが私の結論です。大事なのはその効果の大きさだと思います。
実際、肉・魚、野菜などを適度に食べていてもアトピーになる方がいますし、私も偏食ではないのに酷いアトピーでした。
こういった食事や栄養分を見直す療法は、小さなプラス効果がある”だけ”かもしれないため、固執しすぎないよう逆に気をつけないといけないと私は思っています。
食事や栄養分を見直してアトピーがほんの少しだけ良くなっても、それは回復力が向上してほんの少しアトピーが治りやすくなっただけかもしれません。
むしろ私はそのようなケースの方が圧倒的に多いのではと思っています。アトピーの原因なのではなく肌の回復を若干カバーしているに過ぎないと思うのです。
情報は得るよりも捨てる方が難しい
もちろん、ある栄養素が不足していてアトピー性皮膚炎になっているケースもあるかもしれません。自分に特定の栄養素が著しく不足していないかを試してみることは良いことだと思います。
私の場合、栄養素の不足が大きな原因ではないとわかった時点で、サプリはやめてしまいました。そして問題なく別の方法でアトピーは治りました。
私が欲しかったのはアトピーの原因特定とその対策です。若干のプラスになったところで、それが根本解決でないのであれば、気休めでしかありませんでした。
むしろ、少しだけのプラス効果があると、その方法に捉われてしまいがちです。もっと頑張れば効果が出ると思って、時間とお金を浪費してしまう方が、治療全体からみてマイナスになってしまいます。
目に見える大きな効果が出なければ、それはひとまず効果が無かったと割り切ることの方が大切というのが私がこれまでの経験から学んだことでした。
アトピーの根本原因と治療方法について
アトピー性皮膚炎の根本原因を科学的・論理的に解説しています。こちらもご参照ください。
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