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わかりやすく詐欺にひっかかった話①

まさか自分が。詐欺に合った人はみんな口を揃えて言っているのではないでしょうか。


そのうちの1人がわたしです。

まさか、自分が詐欺に合うなんて思ってもいなかった。

今思い返せば普通に馬鹿だし、なんで騙されるんだろうって思います。



良い人だと思っていた人が、偽善者のマルチ商法マンだった話をしようと思います。



※当時の私は病気が悪化したことにより、未来への不安と、投薬の関係で頭が朦朧としており、正常な判断ができていません。人間は極限まで追い詰められると、正常な判断ができなくなるということを覚えておいてください。


事の発端

前職の広告会社より、一緒にお仕事させていただいていたカメラマンがいました。

その人はフリーでやられている方だったので、外注として契約していました。


一緒に取材先に同行する際にいろいろな話を聞かせてもらう内に、きっとこの人はとても賢くて、経験もあって、すごい人なんだ、と当時のわたしは何の疑いもせずに尊敬していました。


その人には自分の病気のことも話していました。

外出する時は日傘を差さなければいけなかったので、自然と説明せざるを得なく、という形でしたが。


会うたびに身体の心配をしてくださり、本当にいい人だとはその時までは思っていました。


少しおかしいな、と思ったのはその人と仕事をするようになってからしばらくした後のことでした。


治療法についての言及

わたしの病気にはステロイドが欠かせないのですが、ご存知の方もいるようにステロイドは即効性のある薬であり、同時に副作用も多くある薬だと言われています。


そのステロイドの治療法について、その人が言及してくるようになりました。

ある時期から少し体調が怪しく、決して快活ではないわたしの体調を見ていたからそのことを心配してだと思います。


本当にその治療法続けるの?とその人に聞かれました。

ですが、この方法を続けていく他ありません。


その人は散々聞き飽きたステロイドの危険性を説明し、全ての不調の原因は細胞にあると言い始めました。


そして、核酸という物質がこの身体の不調を抑える、と言います。


いや、普通に考えてそれで病気が治るなら、全ての人の病気が治っていませんか?科学的な本当の根拠はわかりませんが…

当時のわたしはそう思い、適当な返しをしてかわしましたが、その人は諦めていないようでした。


退職の相談

その後結局体調を崩し入院することになり、取材も納期の関係上カメラマンだけで行ってもらうことになるなど、いろいろご迷惑をおかけしてしまいました。


フォトスタジオに移籍になった後も、結局体調が優れなく、その頃一緒に働いていた同い年のメイクの子も、体調が優れないため辞めようか悩んでおり、その子も例のカメラマンを崇拝していたので、一緒に相談に行こうと誘われ、その人の家に行くことになりました。


仕事の相談をし、困った時は仕事の紹介もできるから、と言われ、わたしはとりあえず退職後すぐに働きたいので紹介してください、とお願いしていました。

休みの日に相手先とも面談をし、更に上の人と顔合わせをして本契約、という形になりました。


ですがその丁度退職後に体調を崩してしまい、顔合わせに行けなくなってしまいました。

その後退院したことを伝えると、入院している間に別の人に決めてしまったという話でした。

まぁ、所詮口約束だった、ということであまり期待はしていませんでしたが、少し残念な気持ちになりました。


ですが、その後からが問題でした。


強要

仕事の件については曖昧な返しをするくせに、件の核酸が入ったサプリが治療法に役立つといい、使ってみることを強く勧めてきました。

何日も何日も、核酸の効果や事例を長文で送られてきました。


無職になり、悪化というか結果的には別の病気が見つかったのですが、とにかくその時はこのままでは働けない、お金を稼げなければ死んでしまう、とひどく焦っていました。


ハローワークの難病相談員は、今は身体を治すことに専念したら?とわたしに言いましたが、当時のわたしは一人暮らしで、実家にも戻れない事情がありました。

お金がなければ、一人暮らしを続けていくことができない。


早く体調を治さなきゃ。もう一度社会人として働くために病気が治るなら、と藁にすがるような思いで、その人の言葉にうなずいてしまいました。


悪魔の囁き

お試しで、30日分渡すね。

彼はそう言い、受け取る前にサプリを取り扱っている会社の、おえら〜い方にお会いすることになりました。


自宅の近くの喫茶店で待ち合わせ。

そこに現れたのは、肌がキレイで到底50代には見えないような、素敵なマダムでした。

そこでも核酸の良さやその人の人生論について延々と話されました。


元営業という職業病のおかげで、なんとかニコニコその場をしのぎましたが、まぁ勢いがきつかったのは良く覚えています。


「ねぇ、いいでしょう?!」と押しつけがましかった。

うんって言わざるを得ない状況。
わたしは苦笑いをし、その後もしばし談笑したのち、彼女は次の予定があるからとのことで颯爽と去って行きました。


どっと疲れた。
件のカメラマンも素敵な人でしょう?と少し興奮気味で、核酸のサプリのボトルを私に握らせ、帰って行きました。


お金は、落ち着いてからでいいから。
しかし、LINEにはちゃっかり口座情報を送りつけてきていました。


催促

それから毎日毎日、体調はどう?とLINEが来ていましたが、そんなすぐに治る様なものでもありません

そろそろうんざりしてきました。


彼も、痺れを切らしたのか、だんだんお金の話もしてくるようになりました。

その頃には結局生活保護を受けていたので、当然1万円を超えるようなサプリのお金を払っている余裕はありません。


一括で返したいという思いもあり、何度か返金の猶予をお願いしていましたが、だんだん語気が強まってきているのを感じていました。


一括では難しいなので、分割でのお支払いのお願いをしましたが、とうとう相手を怒らせたのか、仕事がないのは甘えだのお金は払うのが当たり前だの、関係ないことまで全部ひっくるめてまくしたてられてしまいました。

お金は猶予をくれるって言ったのに。
お仕事は私の方からも条件を提示して、できそうな範囲でお願いしていたのに。


突然人が変わった様になり、刃物を突きつけられたような気持ちになりました。


なんだ、所詮あの人は偽善者で、わたしはいいカモだったのか。


きっと、あの派遣会社の人からもマージンをもらっているのかもしれません。お仕事もらえた?!と食い込みでなにやら必死だったので。


サプリの会社名を調べてみると、結構名の知れたマルチの会社のようでした。



わたしの負けです。

判断力の弱い人間を洗脳し、誘導する。



にしたって、もう少しお金のある人から巻き上げるべきでは?とは思いますが…。

さすがに関係ないことまで口出しされて頭にきたので、サプリの金額を指定された口座にぶち込み、LINEはブロックしました。

サプリの瓶もゴミ箱に投げつけました。


高い勉強代でした。
病気で判断力が鈍っている+20代前半で世間を知らないから騙されたのだと思います。


うまい話には裏がある、と社会の闇を垣間見た一件でした。


まとまらないまとめ

今は、件のカメラマンは、当時付き合っていた彼女とも結婚し、子供もいるようですが、裏でこのような悪事に手を染めていることに罪悪感を感じないのでしょうか?

まぁ、きっとこういう人達はサイコパスなので、血も涙もないんだと思いますが。


騙される方・信じる方が悪いんですよね、きっと。

高い勉強代だった、という話でした。


もう一種類詐欺にあった話があるので、また次回に。(懲りないねぇ)


※写真はDHCのビタミン剤です。今回の話とは一切関係のないサプリメントなのでご承知おきください。