座り慣れない、横向きの座席。 今朝のバスでは、座ってみた。 慣れないものだから。 発着の時、腰から大きく持っていかれる、置いていかれる。 いつもよりも過敏なのか、 道路の凸凹にも体が大きく揺すられる。 こうして日々、揺られ運ばれているのだと、気づき頭に過るドナドナ。
横断歩道の向こう側に、一際目を引く正装の外国人男性が立っていた。 モスグリーンのジャケットに赤い蝶ネクタイ、ベージュのパンツに、鮮やかな赤いソックス。 海外の映画から飛び出してきたかのようにスタイリッシュなその人からは、すれ違いざまに清涼感のある香水の香りがした。