霧笛

未亡人日記●22「霧笛」

あの頃はみんな、レイ・ブラッドベリを読んでいましたよね?

みんなというのは語弊があることをわかりながらそう書いてみる。
「たんぽぽのお酒」とか「10月は黄昏の国」とかね。
(あらゆるものがインターネットにのっている今と違って、特定のある雑誌や特定の筆者がすすめる新刊などは、だいたい、そのような趣味を持ち、本を読んでいる若者にとっては共通だったというぐらいの意味です。)

10月の夜のせいでそんな

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遠い春雷

冷たい部屋で待つといふ
 そのひとの姿を見たものはない
 天使の水圧で海はひどく歪むで見えたでせう

 海峡の二時は淋しいと
 岬の別荘を競売にする
 眠れない女と夜明けに飲むエスプレッソ
 いつか見た映画のカット・バック

 エセーニンはエイゼンシュテインのやうに暢気ぢやなく
 エッセネ派のやうに生きることを望んだのだ
 それが稀有の望みであるとも知らず

 カエサルのものは太陽であれ月であれ

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ありがとうございます
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「霧笛」と隔たり

子供の頃から「時間」が恐ろしかった。

自分が死んで消失することよりも、死後無限に時の流れが続くこと、また、ある地点でぷつりと時間が停止し、それっきりあらゆる変化が消えてしまうこと。どちらも恐ろしかった。

これは観念的な恐ろしさではなくて、もっとフィジカルな実存的恐怖で、本当に居ても立ってもいられなくなり、考え続けようものなら無限という観念(停止もまた無限に続くだろう)に脳が焼き切れそうになり冷

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くるしゅうない!
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霧笛



―潮騒―
―潮騒止むー

<僕の語り>
「むかしある日男がひとりやってきて、大海どよめく、日のささぬ寒い浜辺に立ってこう言った。『この海原越しに呼びかけて、船に警告してやる声が要る。その声を作ってやろう。これまでにあったどんな時間、どんな霧にも似あった声を作ってやろう。たとえば夜更けてある君のそばの空っぽのベッド。また、訪のうて人のいない家。また、葉の散ってしまった晩秋の木々に似あっ

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霧笛とクジラ

霧の日にはクジラが鳴く。

あたりはすべて白い霧に覆われ、世界の輪郭までぼやけてしまう。

ここはどこなのだろう。

誰かいないのか。

呼びかけるように、悲しく、低く、鳴き声を響かせる。

霧に覆われた町に、遠くから霧笛の音が響く。
僕はその音を、クジラの鳴き声だと思っていた。

僕の父親は遠洋漁業の漁師をしていた。
それゆえに家を長く空けることが多く、母親も収入を補うためにパートで働いていたか

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やったー!
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ネコと一緒にワインを飲みながらファドを聴く……

ファドは、ポルトガルの民族歌謡です。

運命とか、宿命という意味だそうです。

日本でいうところの、演歌でしょうか?

大航海時代に、港の酒場で娼婦たちが男たちの帰りを待つのを歌った……と理解されることもあるので、全体的に暗い歌が多いといわれますが、明るい歌も多いです。

が、矢張りファドは、酒場で酒を飲みながら……というイメージなので、私は暗い歌のほうが好きなのですが……。

ファドと出会ったの

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Special Thanks!!
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鉱物資源

唐突に「石油って本当に地面から出てくるのか??」と思って調べたら、出てた(解決)
漫画でしか見たことないけど、本当に出んだ

油って物質が突然不思議になって構成とか調べちゃった
生き物の死骸が泥の中で分解されて何層も圧縮されたりしてできるらしい
(それは"鉱物資源"なのか……????)
(鉱物資源なんだろうな)(学者の言うことに素直)
グリセリン、脂肪酸、エステル
4000ページ!過去と同じだけ続

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寂寞岬の灯台

今日ちょっと本の整理をしていたら萩尾望都先生の『ウは宇宙船のウ』が出てきたので読んでいました。レイ・ブラッドベリが書いた小説の漫画版です。

村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

『ウは宇宙船のウ』はブラッドベリのSF短編集のタイトルなんですが、わたしはこの中の『霧笛』という小説がとても好きです。
創元SF文庫から出ている文庫版だと20ページを切るくらいの短い話だったと

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ありがとうございます! 明日も良い一日になりますように!
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