【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第五章「盲愛の寺」 76
同じ頃、花隈では動きがあった。
荒木村重らが立て籠る最後の砦 ―― 花隈を取り囲んでいた池田恒興・元助・照政(輝政)親子であったが、照政の先兵が偵察として進み出ると、これを城方が追い払い、そこに元助、恒興が助力に入り、最後の一戦と火ぶたが切られた。
大手門前で、一進一退の戦闘が繰り広げられたが、池田の別動隊が搦手を突破し、城内に侵入、大手門を開いて城方を挟撃、ここに後詰めの織田方についた雑賀衆が加わり、城内に乱入、ついに花隈は落ちた。
「でかした! して、摂津(村