秋山ユウヒロ

石巻日日新聞社。 海の取材が好きです。

秋山ユウヒロ

石巻日日新聞社。 海の取材が好きです。

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    何度でも

    経験を教訓に。 地震発生から津波に遭うまで。 見たことを改めて書いてみます。 誰かの役に立てばと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私は宮城県石巻市の地域新聞社で、 記者として働いていた。 2011年3月11日 14:46 地震が発生。 揺れは3分ぐらい続いたと思う。建物が倒壊するとか、テレビが飛ぶとか、阪神淡路大震災の再現ドラマやニュース映像などで見聞きした驚異的な揺れではなかった。ただ、それまでに体感した中で最も大きい揺れ。それが

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      • サヨナラだけが人生だ

        あの透明なコーラ。 なんていう名前だっけ? クイズ番組に出ていた白髪の男性がCMをして流行ったやつ。 ぜんぜん、出てこない。ここまでも、そこまでも出てこない。 けれど、インターネットで調べるということは極力しない。 できるだけ文明の利器の力は借りない。 自分の記憶と対決するゲームの始まり。 ほら、銀色の缶で、実家の近所の新宅商店に入った時には感動したでしょ? 飲んだら大しておいしくはなかったけれど、流行りに乗って、「割と好き」と言ってみたりしてたでしょ。 実際、こ

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        • 季節は空から。

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          • はげしくはげましたい

            毎朝の歯ブラシ。鏡をふと見て、ほうけた顔。 白髪が増えてきたな。分け目も薄くなってきてる? 大丈夫?という話ではありません。 新聞記事を書いていてよく間違える“あるあるワード”に「げきを飛ばす」があります。 これの意味は「励ます」ではないのです。 私たちの聖典、記者ハンドブックを引用しますが、 ~「げきを飛ばす」は本来、激励の意味ではない。自分の主張を強く訴え広く決起や同意を促すことで「檄文(げきぶん)」はその文書~とのこと。 新聞では、わざわざ、ひらがなで書くように決

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            たまには自分をいましめる

            ルーチン的に流れてくる周囲のニュース。 今は円安、物価高、そして参議院選挙。 そんな感覚。 あんなに連日連夜、報道していたウクライナの情報も徐々にトーンダウンの様相。チェルノブイリ原発制圧ぐらいが最も緊張感をもって報道されていたように思える。ニュースがないわけではない、検索さえすれば、海外の通信社を含め、わんさか情報を得ることができる。 見ている時間に流れてこないのか、なんなのか。 ニュースってなんのために見ているのだろう。 心を動かすため? ガムのように味がし

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            近惚れの早飽き

            仕事の中に隠された技を見つけることが好きだ。 あっという間だけど、ほどけないロープの結び方。 輪を作ってキュッと。ちゃちゃっとした素早さだ。 正確無比は当たり前。 なおざりにみえて、まずほどけない。 しかし、ほどくとなると一瞬だ。 護岸に係留された不安定な小舟。 飛ぶように船べりを走る漁師の身軽さ。 京都の五条大橋の牛若丸とか。そんな感じ。 努力のたまものだけど、早送りのようなカキむき作業。 愛用のナイフがカキの殻に入り込む。 楽しそうにカキの身がぴょん

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            色と香

            10年以上前、これぐらいの季節だったと思う。 プロの方々のムービー撮影に付き添う機会があった。 ある映像作品の素材を集めるため、石巻の山の中の道路を撮影する。 何度も何度も。車を止めて撮影。また移動して車を止める。 外から見れば風光明媚なリアス式海岸でも、 中から見れば、鬱蒼(うっそう)とした林、森、林。 もはや、飽きてきた。こういう繰り返しがどうしても苦手だった。 「根気がない」「集中力がない」 通信簿の常とう句だった。 「そう言えば、ここは冬に撮影したデ

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            家も窓もないけれど。/『世界の家窓から・お国訛りで』

            今回は番外です。 今、寝起ぎすてるマンションでもいいんだげっども、どうせなら漁山村の家窓の風景を。普段から方言丸出しでしゃべってるがらが、改まってお国言葉を意識すたとたん、文章を書げねぐなる面白さ。修行不足だと思う。 すかす、宮城弁は文字変換がでぎね。皆さんのお国言葉もそうなんだべか。関西弁なんて、もはや標準語だおんね。 上の写真は、実家があった場所で撮ったやづ。振り返れば海まで走って30秒だげっとも、まっすぐ走れば山にも30秒。大自然の中で、わっしゃをすながら、おっき

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            クールをきどる

            10年以上は経っただろうか。 最後の時は、もういつだったか覚えていないけれど。 大学時代の真夏のバイト、社会人になってからも真冬の取材、 20代、パチンコでこっぴどく負けたときもだ。 いつも一緒だった。 頼りにさえしていた相棒と言える存在。 再会は突然。夜のコンビニだった。 雰囲気が変わっていた。なぜ今まで気づかなかったのだろう。 580円? 300円だったはずだろう? クールライトBOXよ。580円?? はい、ごめんなさい。 タバコの話です。 止めろと言

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            アンチャンとおんちゃん

            たまの平日休み。歩いてぶらぶらとコンビニに向かう道すがら。 「おい、アンチャン! アンチャン!」 思わず振り返ったものの、自分ではなかったようす。工事現場の作業員の間で会話が続いていた。 美人の人に手を振られ、手を振り返したら、自分の後ろの人と手を振り合っていた、よりは恥ずかしくない。でもなんだかいたたまれないぐらいの感じだ。 面白かったのは、「アンチャン」というフレーズに自分はいつまで反応するのかな、と思ったこと。 自分が子どものころ。昭和から平成になっていく時代

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            自由へのあこがれと少しの寂しさ

            「世界初の電動無人貨物船」というニュースを目にし、ふと思い出したことがある。 10年以上前の取材。本州最後の霧笛の廃止式だ。 春先から夏にかけ、三陸沖は湿った風の影響で霧が出やすい状況になる。 五里霧中という言葉の通り、何の目印のない海上では目を閉じているのと同じような状況になる。 なかでも女川湾は暗礁や小島が多く存在し、地元漁師でさえ油断ができないという。 〝板子一枚下は地獄〟と言うように命がけで航海に臨んでいる漁師たち。なじみの音で方角を知らせてくれる霧笛という

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            眠れない夜は、宙を飛ぶ

            最近はめっきり減ったけれど。東京での仕事。 出張帰り、北に帰る夜の新幹線。 350ml.のビールが空いたぐらい。 都会が終わって、田園が広がる。 ひたいを窓につけ、流れる景色を見ていると、 ぽつぽつと家の明かり。 人が暮らす光だ。 おそらく、自分とは今後、関わりのない人たちだけれど、ぬくもりを感じる生活のともしび。 みんなで晩ご飯かな。親子でお風呂にでも入っているのかな。 もしかすると悲しみや大変さのなかにいるかも。 でも、あっちから見れば、新幹線の光なん

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            求めればすぐに。求められれば確実に。

            暑ければ、冷たいものが欲しくなるし、 寒ければ、温かいものがありがたい。 束縛されるほど、羽は伸びてくるし、 隠されているものほど、 知りたくなるのが人情というもの。 求めよさらば与えられん、なんて太古の時代の言い回しが、ものすごくタイムリーに感じるほど、食べ物でも、服でも、靴でも、時計でも何でも手に入る。 お金さえあればだが。 もちろん、自分がナリワイにしている情報もだ。 得たい情報を便利にゲットできる時代。 ここ数年、スマートフォンが相棒になり、 「あー、

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            良い子悪い子普通の子

            「おう秋山、何か景気の良い話はねえのか?」 いまも昔も取引先で尋ねられることが多いフレーズだ。 しかし、そのようなことを聞いてくる人ほど、 景気が良さそうにみえるのは不思議なのだが、余計なことは言わない。 「誰も○○さんほど、儲けてないですから。わっはっはっ」 と返せば、社長さんも「はっはっは」と、だいたい喜んでもらえる。 大人の世界はそんなものだ。 景気。 広辞苑を引くと、「⑥売買・取引などの経済活動の状況」 これがイメージに合う意味かな。 ここでもう一

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            雪道の歩き方

            「なんだべ。 道路、黒ぐなってっから、濡れでるだけだと思ったっけ、 たっぺ張ってるんだべや。危ねぐ、ガードレールに刺さるところだ」 「そいづが、ブラックアイスバーンだ。 ニュースでいっつもやってっぺ。 んめは、新聞読まねがら何も分かんねんだ」 この季節、石巻ではよくある会話だと思います。 自分は、雪道や凍結路の運転が大嫌い。 免許を取って20年以上になるが、まったく慣れない。 「冬が嫌いな理由トップ10」を挙げるとすると、 ○1 9999点 雪道の運転

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            忘れるのは、忘れたいから

            1995年の1月17日。阪神・淡路大震災が起こった日。 毎年のこの日。 テレビで放映される早朝の祈り。 追悼式場の映像では「忘」という光の文字が浮かび上がっていた。 今年で27年だという。 1万日に近い時間。 ニュースでは、街も人も大きく変わっていることを伝えていた。 「忘れないよう、伝えていきたい」 「語り継いでいく」 インタビューでは、若い人を中心にこのようなことを語っていた。 風化。 こちらで東日本大震災を経験してからは、この風化についても様々な考

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