秋山ユウヒロ

株式会社石巻日日新聞社の専務です。地域の皆さんの豊かな暮らしに寄与できるよう、情報発信…

秋山ユウヒロ

株式会社石巻日日新聞社の専務です。地域の皆さんの豊かな暮らしに寄与できるよう、情報発信に努めています。ローカル新聞社の裏話と思って始めたnoteですが、脱線しまくりです。大好きな海のこと、ふるさとの思い出、東日本大震災のことを主に書いています。どうぞよろしくお願いします。

最近の記事

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何度でも

経験を教訓に。 東日本大震災の地震発生から津波に遭って逃げるまで。 だいたい1時間の間で見たことを改めて書いてみます。 災害が起こって、悲しいことが起こる。時間をあの時まで戻したい。 そんなことを考えてしまいます。 自分の経験が、少しでも、誰かの“間一髪”に役に立てばと思います。 私は宮城県石巻市の地域新聞社で働いている。 東日本大震災が発生した当時は記者だった。 あれから何度、この日付をパソコンの画面に打ち込んだだろう。 2011年3月11日。おだやな午後だっ

    • いらぬお世話のかば焼き

      最近は、何かにつけ、●●ハラスメントやら、●●差別やら話題になっていますが、ニュースなどで触れるたび、違和感まではいかないけど、釈然としない気持ちになることが少なくありません。自分が変わっているのかなと思う時もあります。しかし、定規で測ったようにはいかないのが、社会生活ですし、暮らしていれば一つや二つ、「うーん」っていうこととか、「それが人間だもの」みたいな時ってありますよね。 我慢すべきかどうかとか。自分も結局、言えずじまいで、寝る前に思い出して「ウォー!」となるのが日常で

      • 98→99

        いやー、探した探した。このインターネット時代に書店のはしご。自分が住んでいる石巻市と近隣市町の書店は全滅。仙台市まで行って、ようやく「2巻」を手に入れることができました。「3巻」も出たらしい。また書店めぐりが始まるけど、見つけた時の「おお、あった!」が快感にすらなっています。 何かというと、仲宗良ハミ先生によるコミックエッセイ「しなのんちのいくる」。昭和から平成初期にこども時代を送った同世代の思い出の真芯を捉える作品だと思います。シールやゲーム、プラモなど、内容の懐かしさも

        • 毎年同じ。でももう二度とない一日。

          11月なのに暖かい。 今年はホントに変な気候ね。 こんなことを毎年、ずっと言っている気がする。 ちなみに昨年はどうだったかと、新聞をひっくり返してみると、高温の影響からか、柿の実の変形が発生したという話題で持ち切りだった。 おそらくその時も「今年は変な気候」 そう言っていたと思う。 しかし、暑くても、寒くても、季節が変わる準備をする必要がある。 東北地方に住んでいれば、そろそろタイヤ交換という時期だ。 東日本大震災前。もはや12年以上前。 タイヤを置いていたことから実

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          In the perfect silence

          先月受けた健康診断の結果が届いた。 通信表を受け取る感覚に近いかな。 別に頑張っていないけど、ドキドキする。 ……………… ……………………………… ……………………………………………… はい、セーフ。と思うようにする。 まあ、メタボは仕方がないし、判定Bもね。いくつかはね。 昨年より良くなっているところもあるしさ。 まあ、良かったんじゃない。という例年の安堵を今年ももらった。 しかし、なんという夏。 先日、どこかの新聞さんが書いていた。 高校野球、宮城代表の

          In the perfect silence

          書きたいと伝えたいの違い

          つまる、ひっぱる、ひっかける、おっつける、たたく、とらえる、ながす、すくいあげる、はこぶ、はじく、あてる、かえす、みまう、しとめる、あげる、ころがす。 どのようなときに使う言葉か。皆さんわかりますよね。 そうです。野球です。その中でも「打つ」という言葉の言い換えです。思いついただけで、これだけの数がありましたので、本当はもっと多いと思います。 なかでも好きな言葉がいくつかあります。 ひとつめ。「おっつける」 これは、なんといえばいいのだろう。 打つときに、体を開か

          書きたいと伝えたいの違い

          暮らしのかおり

          石巻日日新聞で連載中の「はまにて」 ボランティア活動をきっかけに石巻市の牡鹿半島の漁村に移住した夫妻と子どもさんの暮らしが、ほっこりする。石巻にいてそう思うのだから、都会の人たちからみたらどうなのか、聞いてみたい。 連載2回目は「浜の春」がテーマ。漁村の暮らしをやわらかく煮詰めたような奥様の優しい文体を、写真家で漁師の旦那さんの写真が鮮やかに彩る。 ちょっとだけは、noteで無料で見られるのだが、雰囲気を感じてもらいたい。おすすめですよ。 素晴らしいトップの写真は、ひじ

          暮らしのかおり

          42でも、おがる。

          花粉による目のシャバシャバもなくなってきたし、山にも海にも、街にも様々な色がみられるようになってきた。 暑さ寒さも彼岸までというけれど、本当だ。 彼岸と言えば、墓参り。 同じ市内だけれど車で、川を越えて、いくつかの山を越えて。 約1時間の道のりだ。 実家は津波で海の中だし、あった場所はすでに更地。 拠点はお墓しかない。 同級生とか友達も多くは仙台とか東京に出ていて残っていない。 自動的に盆と彼岸だけのふるさと、になってしまう。 なので、顔見知りの同じ浜(集落)の皆さん

          42でも、おがる。

          毎日のやさしい戦い

          冬のはじめの日曜日の探しもの。 何年か前、こづかいを貯めて買ったコート。 「あーこんなところに」と見つけたけれど、 何だか片側だけが日に焼けて、淡い色になっている? 掛けていた場所が悪かったらしい。 分からないかな。着られるかな。蛍光灯の下に行ってみたり、ベランダに出てみたり。いろんな場所で、いろんな角度から観察してみる。 はい。全部だめ。 どこからどのように見ても、変な状態になっている。 頑張って買ったのに………。 ショックは隠して、強がるしかない。 でもさ。

          毎日のやさしい戦い

          無限のループ

          緊張と緩和。 笑いの基本と聞いたことがある。 ただ自分にとっては、それが文字通り、「頭痛の種」だった。 根を詰めて、仕事をした後、 ようやく終わったぁ。とかそんな瞬間の発生が多い現象。 目のギラギラ。 これでわかるあなたは経験者だと思いますが、そうじゃない方のためにもう少し説明させていただくと、見ようとするところが見えなくなるというか。 ん〜。わかりやすく表現できないけれど、新聞を広げて、読みたい文字、読もうとする行は見えないのに、その周りの文字は見える。ような

          無限のループ

          ずっとあわただしい

          この季節、いろんなものが干されている。 この作業を見ているのが好きだ。 写真の干し柿は何年か前に取材したときの写真。丁寧に皮をむいた渋柿を、これまた丁寧にひとつずつ、ひもに結わえ付けていく。じっくり天日を浴びて、ゆっくりゆったり甘くなる。北国の正月の楽しみだ。 そして昆布。これも初冬の日差しで旨味をぎゅっと凝縮。丁寧に削り出してとろろ昆布に。(初物が出回ってますよ先輩) 隣まちの女川では、サンマの丸干し。やっぱり丁寧な仕事で、吊るし並べられていく。 ほしたふとんはひな

          ずっとあわただしい

          サヨナラだけが人生だ

          あの透明なコーラ。 なんていう名前だっけ? クイズ番組に出ていた白髪の男性がCMをして流行ったやつ。 ぜんぜん、出てこない。ここまでも、そこまでも出てこない。 けれど、インターネットで調べるということは極力しない。 できるだけ文明の利器の力は借りない。 自分の記憶と対決するゲームの始まり。 ほら、銀色の缶で、実家の近所の新宅商店に入った時には感動したでしょ? 飲んだら大しておいしくはなかったけれど、流行りに乗って、「割と好き」と言ってみたりしてたでしょ。 実際、こ

          サヨナラだけが人生だ

          季節は空から。

          季節は空から。

          はげしくはげましたい

          毎朝の歯ブラシ。鏡をふと見て、ほうけた顔。 白髪が増えてきたな。分け目も薄くなってきてる? 大丈夫?という話ではありません。 新聞記事を書いていてよく間違える“あるあるワード”に「げきを飛ばす」があります。 これの意味は「励ます」ではないのです。 私たちの聖典、記者ハンドブックを引用しますが、 ~「げきを飛ばす」は本来、激励の意味ではない。自分の主張を強く訴え広く決起や同意を促すことで「檄文(げきぶん)」はその文書~とのこと。 新聞では、わざわざ、ひらがなで書くように決

          はげしくはげましたい

          たまには自分をいましめる

          ルーチン的に流れてくる周囲のニュース。 今は円安、物価高、そして参議院選挙。 そんな感覚。 あんなに連日連夜、報道していたウクライナの情報も徐々にトーンダウンの様相。チェルノブイリ原発制圧ぐらいが最も緊張感をもって報道されていたように思える。ニュースがないわけではない、検索さえすれば、海外の通信社を含め、わんさか情報を得ることができる。 見ている時間に流れてこないのか、なんなのか。 ニュースってなんのために見ているのだろう。 心を動かすため? ガムのように味がし

          たまには自分をいましめる

          近惚れの早飽き

          仕事の中に隠された技を見つけることが好きだ。 あっという間だけど、ほどけないロープの結び方。 輪を作ってキュッと。ちゃちゃっとした素早さだ。 正確無比は当たり前。 なおざりにみえて、まずほどけない。 しかし、ほどくとなると一瞬だ。 護岸に係留された不安定な小舟。 飛ぶように船べりを走る漁師の身軽さ。 京都の五条大橋の牛若丸とか。そんな感じ。 努力のたまものだけど、早送りのようなカキむき作業。 愛用のナイフがカキの殻に入り込む。 楽しそうにカキの身がぴょん

          近惚れの早飽き