職場で介護をしながら働いている人はどのぐらいいるのでしょうか? 総務省『令和4年就業構造基本調査』(2022年)によると、全国で働きながら仕事をする人は、50代の場合、女性は約90万人、男性で約70万人いるのです。 しかし、一般的に職場で「介護をしている」という話はあまり聞くことがないようです。 考えられる理由として、産休、育休と違い、介護に関する用事は年次休暇(有給)で済ませてしまうため、上司や同僚が気づかないということが考えられます。 そして、もう一つ考えられるのは、「
「認知症とともに歩むまちづくりを」――この人「に」何ができるかから、この人「と」何ができるかへ 福祉ジャーナリスト町永敏雄さんの講演「認知症とともにあゆむまちづくりを」(2024年5月11日)を聞いてきました。 この講演会は、「認知症の人と家族の会福島県支部」が主催、会の設立40周年を記念して行われたものです。 2023年6月に成立し、2024年4月から施行された「認知症基本法」。認知症の人が尊厳をもち、希望をもって暮らすことができるよう、認知症に関する施策を行うための理念
介護で仕事をあきらめないために、職場ができる支援は介護がはじまる前から 「介護は突然始まる」と言われています。従業員が介護のために休みの申し出を伝えてきたとき、職場では備えがありますか? 介護の初期は入院や受診などの医療機関での付き添いから始まりますが、認知症と診断されたり、退院後に介護が必要になる場合、サービスの選択や契約など手続きに時間を要します。 介護保険サービスのしくみや、手続きの流れ、在宅介護や施設利用の違い、要介護度などの基本的な介護の知識を職場の相談先(上司、
ケアマネジャーに伝える内容でケアプランが変わる ケアマネジャーは介護サービスを受けるための介護サービス計画を作成するだけではなく、介護に関係する本人の環境や家族について適切に把握することも大切な仕事とされています。ですから、家族からの相談に対応するのもケアマネジャーの大切な仕事です。厚生労働省では、仕事と介護が両立できるよう、自分のこともケアマネジャーに伝える項目をまとめています。 ケアマネジャーに相談したいと思ったとき、伝えたい内容をまとめたいときの参考にしてください。
介護者を助ける制度「育児介護休業法」 仕事をしながら介護をする従業員のための制度をご存じですか? よく耳にする「育休」と同じ法律の中にあるのが「介護休業」の制度。 就業日数などの一定の条件があれば使える制度です。 「育児介護休業法」は、育児や介護を理由に働く人が離職することなく、両立しながら働けるように支援する目的で創設された法律です。介護休業法の目的は、介護を行う人が、介護と職業生活との両立を図ることができるように支援することです。「育児介護休業法」では、介護休業や介護
今の暮らしや仕事を大切にする 親の介護を考えるとき、「親の介護が始まったら、一緒に暮らさなくてはならないのだろうか?」「親の世話は子どもがするのが当然なんだろうな」「親の面倒を自分が見なければ親孝行じゃないのかな…」という想いがよぎるのではないでしょうか。 一方、親の気持ちはどうなのでしょう。親は必ずしも自分の慣れ親しんだ家を離れて子供と同居したいと考えているとは限りません。また、親は子供が自分の生活を犠牲にしてまで自分の世話をするべきと考えているとも限りません。まずは、
自宅から通って利用するデイサービスや、自宅に訪問を受け入れ利用する訪問介護など在宅介護に含まれるサービスは、ケアマネジャーさんによるケアプラン作成のあとに提供されるサービスです。 では、ケアプランを作成する居宅介護支援事業所はどうやって探すのでしょうか。 ケアマネジャーを探す 入院し、退院後に介護サービスを利用する場合は、病院のソーシャルワーカーからケアマネさんのいる居宅介護支援事業所を紹介してもらうことが多いようです。 自宅で暮らしながら認知症などで介護が必要になった場
介護が必要になった時に、慌てないためにも 事前準備として、何をしておいたほうがよいでしょうか。 親が元気でも介護保険の第1号被保険者になる65歳に親がなったら、介護について一緒に考えてみてはいかがでしょうか。 集めておいたほうがいい情報 (1)介護について相談できる機関 親など本人が住む地域の「地域包括支援センター」の連絡先や場所 (2)介護者が誰になるのか 介護が必要になった時にケアマネジャーさんとの窓口になる「主たる介護者」を決めておく必要があります。(主たる
「介護」イコール「老人ホーム」ではないということ 介護が必要になったら、「施設」を探さなくてはと焦ってしまうのではないでしょうか。 すぐに長年暮らしている、慣れ親しんだ地域を離れ施設に入るのは、環境の変化からくる本人のストレスを考えると最優先ではありません。 かと言って、これまでの住まいで暮らすというと、自分が(子供が)つきっきりで見なければならないというわけではありません。家にいながらデイサービスに通ったり、ヘルパーさんに家事を助けてもらったり、短期間宿泊したりする「在宅
介護保険のしくみ 40歳以上になると、私たちは介護保険に加入します。 会社員の場合は毎月給料から保険料が引かれていると思います。私たちの払った保険料が介護保険財源の50%となり、残りの50%が公費(国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%)からの支出となっています。 40歳~64歳が第2号被保険者、65歳以上が第1号被保険者です。保険料は第1号第2号どちらの被保険者も支払っています。65歳以上の第1号被保険者は、年金から引かれます。 65歳になり第1号被保険者となった
要介護認定を申請しましょう 介護が必要だと考えたら、どんな手続きをしたらよいのでしょうか。 以下の手順を追っていきましょう。 (1)地域包括支援センターに相談し、要介護認定を申請する 地域包括支援センターに相談した結果、介護が必要だと判断した場合、本人または家族等が、本人がお住まいの自治体にある介護保険窓口(市役所の介護保険課など)に「要介護認定」の申請をします。 申請は、本人や家族以外でも、成年後見人等、地域包括支援センター、居宅支援事業所(ケアマネジャーがいるとこ
初めは自分が何とかすると考えていませんか 親や大切な人に介護が必要になった時、本人の希望だからと、「最初は家族である自分だけでなんとかしよう」とか、「離れて暮らしているなら親を呼び寄せて自分が介護しよう」と考えてしまいやすいと思います。 平成24年時点の調査では、在宅で介護している人のうち、介護サービスを利用していない割合が3割弱になっていました。 介護サービスのことを知らないままになっていたのです。 自分だけでなんとかしようとすると、プロの視点を入れないままの対策になり
「地域包括支援センター」に相談すると 記事、1,介護がはじまる… では、介護の初めは「まずは相談すること」と書きました。 介護が必要なのか迷ったとき、介護が必要と感じたときに相談するのが介護サービスを受けるご本人が住んでいる地域の「地域包括支援センター」。 相談によって介護が必要だと判断された場合は、市町村窓口に行う「要介護認定」の申請方法を教えてくれます。 (本人が遠隔地に住んでいるなど、家族の申請が困難な場合は申請代行もしてくれます。※申請代行は、成年後見人等、介護支援
介護っていつから始まるのでしょう。 厚生労働省の「介護」の定義を参考にすると、「歩行、排せつ、食事、入浴等の日常生活に必要なことを提供すること」が必要になったときと言えます。 様々なきっかけで介護が必要になりますが、主なケースについて解説します。 介護を抱え込まないためにも 急に介護が必要になった場合、同居の家族な度身近な人で介護をしようと考えるかもしれません。離れて暮らしている場合、親の元に帰って面倒を見ようとか、親を呼び寄せようと考えるかもしれません。介護保険サービス
いつか(親を、家族を、大切な人を)介護するときがくる…。 介護にかかわることで何が始まるのか、暮らしにどんな変化が来るのか、 仕事は続けられるのか、どんな手続きが必要になるのか、見通せず、不安になると思います。 皆さんは介護についてどんなイメージを持っていますか? 「施設に入所する」「デイサービス」「リハビリ」「ヘルパー」「介護保険」「要介護」……という言葉や「面倒を見る」「日常生活の世話をする」、「看病する」というシーンを思い起こすのではないでしょうか。 介護に関する様々