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2、介護が必要なときはいつ?

介護っていつから始まるのでしょう。
厚生労働省の「介護」の定義を参考にすると、「歩行、排せつ、食事、入浴等の日常生活に必要なことを提供すること」が必要になったときと言えます。
様々なきっかけで介護が必要になりますが、主なケースについて解説します。

介護を抱え込まないためにも

急に介護が必要になった場合、同居の家族な度身近な人で介護をしようと考えるかもしれません。離れて暮らしている場合、親の元に帰って面倒を見ようとか、親を呼び寄せようと考えるかもしれません。介護保険サービスの利用が整うまでの期間であればいいのですが、あまりお勧めしません。
介護されるご本人、介護する人のためにも「介護のプロ」が介在したほうがいいのです(その理由は後で書きたいと思います)。

ご家族だけで介護を抱え込まないためにも、どのように公的な介護保険サービス利用に進むのか、読んでいただけると幸いです。

[入院したとき]

高齢のご家族の場合、何らかの疾病で入院し、退院後に後遺症や体力の低下で今まで通り暮らすことが難しいという状態が予想される場合は介護保険サービスの利用の検討が必要になります。
そのようなときには、病院の看護師や医療ソーシャルワーカーなどのスタッフから介護保険サービスについて話しがあると思われます。家族からも相談できますので、疑問点は遠慮なく聞いてみましょう。
介護保険サービスを受けられるまで1カ月ほどかかりますので、介護保険サービスの利用申請は退院する前からはじめましょう。
リハビリなどが必要な高齢者は、病院から一度退院し、自宅に戻る前に老人保健施設に入所する場合もあります。その時は老人保健施設を退院する前に介護認定を受けるなど、介護保険サービスを受ける申請が必要になります。

[様子の変化]

久しぶりに実家に帰ってみたら、以前と親の様子が変わっていたと思うことがあるかもしれません。また、同居している親が徐々に元気がなくなっている、など心配なときも介護保険サービスを受ける必要性があるかもしれません。
・体力の低下や食欲がなくなった、という場合は原因に病気が隠れている場合もあります。まず、かかりつけ医の受診をすすめましょう。
・歩く速度がとても遅くなった、という場合は疾患だけではなく、筋力の低下による「フレイル(虚弱)」と言われる状態かもしれません。歩行機能を維持するためにも介護予防が必要な状態ですので、介護保険サービスについて相談してみましょう。

 依然と様子が違うなと感じた時には、以下の理由があるかもしれません。
 
意欲の低下 体力の低下に伴い意欲が低下することが高齢者には見られます。高齢者の鬱である可能性もありますので、病院受診、介護保険サービスでの介護予防が必要な場合もあります。

難聴 耳が遠くなり、会話のやり取りや、日常生活に支障がでているという場合は、耳鼻科を受診しましょう。補聴器を利用することで会話がスムーズにできるようにすることは、認知症予防のためにも大切なことです。

[認知症の疑い]

「同じ事ばかり何度も聞くようになった」「冷蔵庫に同じものばかりあり、消費期限切れになっている」「部屋の片づけができなくなっている」「財布や鍵など大事なものの置き場所がわからなくなる」などの変化が見えたら、かかりつけ医や、地域包括支援センターに相談しましょう。早期に診断することで、服薬や認知症への家族や周囲の人の対応の工夫ができ、症状の進行を遅らせることにつながります。
介護保険サービスの利用開始までには「主治医の意見書」が必要だなため、病院受診が必要になります。かかりつけ医がなく病院受診を嫌がるときは「〇〇歳になったから、健康診断を受けなくてはならないんだよ」と軽い気持ちでいくようなそぶりで一緒に診察に誘ってみたり、自分が病院に行ときに一緒に診察してもらうなどひと工夫することも必要です。
認知症の症状がある本人が、かたくなに病院受診を嫌がったり、介護サービス利用を拒否したりする場合は、各自治体に「認知症初期集中支援チーム」があります。こちらの利用も地域包括支援センターで相談ができます。

【参考】認知症かな?と思った時のチェックリスト

一般社団法人 日本認知症予防協会®HP
https://www.suplex.jpn.com/diagnosis/

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