8、事前に準備しておくとよいもの
介護が必要になった時に、慌てないためにも
事前準備として、何をしておいたほうがよいでしょうか。
親が元気でも介護保険の第1号被保険者になる65歳に親がなったら、介護について一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
集めておいたほうがいい情報
(1)介護について相談できる機関
親など本人が住む地域の「地域包括支援センター」の連絡先や場所
(2)介護者が誰になるのか
介護が必要になった時にケアマネジャーさんとの窓口になる「主たる介護者」を決めておく必要があります。(主たる介護者になったからと言ってほかの家族が一人に介護を押し付けないようにしましょう!)
家族や兄弟姉妹間で話す機会を設けておくことをお勧めします。女性は仕事を持っていても介護者になる傾向がありますので、近くに住んでいるという理由で一人に負担が大きくならいように、チーム戦で介護をすることも検討してみましょう。
(3)親(本人)の情報
介護サービスを利用する本人についての情報も集めておくとよいと思います。
□食べ物の嗜好
□趣味
□楽しみ
これらは介護サービスを利用しながらも良い人生を送るための大切な情報ですし施設での過ごし方などに生かされます。
□健康状態
□通院の状態
□かかりつけ医
要介護認定の申請を行うときに必要な医師の意見書を作ってもらうためにもあると安心です(日頃通院していない場合は、申請時に受診すれば大丈夫です)。
□服薬しているもの
本人が服薬管理できているかどうか
特に、
□筋力低下や意欲の低下がないか
□認知症の傾向があるかなどの変化
は、介護が必要になるかどうかにつながる大事な情報です。
親の考えをさりげなく聞いておく
□親の介護についての意向、
□親の生き方についての意向、
□親の医療的ケアに(延命措置など)ついての意向
どれも正面から向かって聞くのが難しいテーマですが、知っておいたほうがいい情報です。
日常会話でさりげなく聞いてみる、そのテーマのニュースを見ながら自分たちの場合について話してみる、写真やアルバム整理をしながら話を聞く、自分史づくりのイベントに一緒に参加するなどの機会を活かしてみてください。
「『大切なことを伝えるノート(エンディングノート)』があると助かる」と伝えてもいいかもしれません。
親自身がまだ元気な場合、介護を受けるということが想像できず「介護はいらない」「お前の世話にはならない」と言うかもしれません。その意思も尊重しつつ、実際に介護が必要になった時には親自身が誰かの手助けを欲しいと感じるようになるかもしれませんので、その時には地域包括支援センターなどに相談し、専門家の意見を聞きながら、ご本人とご家族にとってより良い選択ができるように柔軟な心構えを持つことをお勧めします。
(4)友人や近隣の人との関り
親が近隣の人たちと関わりがあり、急に帰れない時など一時的な見守りを頼めるかどうかは、離れた場所にいる親の介護するときには知っておきたい情報です。
また、時々会って話したり出かけたりする友人や、仲間がいるかも親の健康度に関わってくる情報ですので、聞いておくと良いでしょう。見守りに協力してもらえる配達や、親が一人暮らしの場合は民生委員とつながりがあるかどうかも知っておきましょう。
保管場所の把握も
(5)大切な書類の場所
熱射病や低体温症、急性の病気、体調を崩してしまう、ケガをしてしまったなどで病院に連れて行かなければならない時、保険証や病院の診察券がどこにあるかを知っておくといざというときに慌てずにすみます。
65歳以上であれば、介護保険証が届いていると思いますので、併せて保管場所を知っておくと、介護サービスが必要になった時の申請時に必要になります。その他、契約に必要な印鑑、年金手帳、生命保険や損害保険の保険証、預金通帳なども知っておくと良いでしょう。
(6)財政・家計
今後の親の暮らし方と関わってくるのが、親の家計状況や、資産状況です。介護サービスを受ける場合も、介護保険サービス内でとどめるのか、保険外サービスの選択も考えるのか、高齢者用の住宅で暮らすことを考えているのか、なども含めてあらかじめ聞いておくと、介護が必要になった時の選択の参考になると思います。
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