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【詩のようなもの】ルーティーン

今日も黙々とルーティーンをこなす祖父


朝は6時に起きてその後は歯磨きと洗顔をし
新聞を読んで7時のニュースを見る


昼ご飯は毎日12時と決まって
その時間に合わないと徐々に怒りのグラフが
右肩上がりになっていく


祖父の一日はルーティーンで出来ており
寝る時間さえルーティーンの一部である


夏の蒸し暑い時期
祖父はコップに水を入れようと
台所に行ったまま倒れた


救急車で運ばれた後
病院のベッドで過ごすうちに
祖父の様子はみるみる変わる


暴言を吐いたり無気力になったり
ルーティーンをこなす穏やかな
祖父の姿はどんどんと消えてゆく


家に帰りたい
家に帰りたい
祖父の言葉は何かの呪文のよう


呪文が効いたのかはわからないが
食事もできトイレにも自分で行ける上に
検査の結果も悪いものではなかったので
若干どころか大きな不安を抱えて
祖父を家に連れて帰った



「病人」の祖父が家に帰ってきたはず

だった



その予想は見事にはずれ
祖父は嘘のように
翌朝から6時に目が覚め
7時にはニュースを見ていた


気のせいか
入院前よりも精力的に
ルーティーンをこなしているように
みえなくもない


どうやら病院は祖父にとって
生活を壊す悪の家だったらしい


祖父はルーティーンによって生きている
それを壊す者はあってはならない
反抗者なのだ


優しい看護師さんには
随分とお世話になった


祖父に代わって
山の様な美味しいチョコレートと
感謝の花束をあげたくなる



きょうも祖父はルーティンを守りながら
穏やかに暮らしている





と多くの方同様に体の調子が
おかしなことになっているのでそれらしく書いてみました。
入院はしておりませんのでご安心下さい笑


皆さまも寒暖差の激しい季節です。
お体大事にしてくださいませ。



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