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【詩】星空

田舎町のありふれた駅
ニュータウンに帰る人々を
乗せた列車が駅に着く


随分人が減った


駅前通りには
喫茶店とコンビニ


地元に帰る


ホッとする
寂しくなる


おはようございますと言う
小学生は僅かになった


再来年には母校は統合される


橋を渡る
澄んだ水と橋は変わらない
そのままだ


産まれた時から見てる
山だって変わらない
空だって変わらない


一昨日あった近所のおばちゃんは
すっかり腰が曲がってた


ニュータウンの街並みは
変わらない
商店街に店が無いだけで


高速道路を出て浮かんでくる
桃源郷に見えた街並みは
静かに光を失ってる


賑やかなのは土日の
ショッピングモールとアウトレット


友達と野球をしていた公園は
木が生い茂ってベンチには
おじいさんが一人座ってた


東京に行って15年
静かに街から何かが消えていく


車がないと暮らせないのは
昔から


そうじゃない


あったものがなくなり
いた人がいなくなった


夜に車を走らせ
山に向かい
高台に車を停める


この星空はずっと変わらない

ずっと




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