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向暑はるの日常 2022年

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2022年の日常です。
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#春

形のないものは美しい

形のないものは美しい

公園の桜の木が徐々に緑に染まってきた。

昨日までピンク色の一部となっていた花びらは、今頃風にでも飛ばされてどこかの道端で今年の役目を終えているのだろう。

今日もいくつかの花びらが今年の役目を終えている。

地面にたどり着く最後の最後まで可憐に舞う生涯は、最後まで美しく生きていたいという強い意志を感じる。

”消えていくもの”や”廃れていくもの”に美しさを感じてしまう心がこの国にはあるらしい。

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今年も胃が破裂する

今年も胃が破裂する

年度末。

お別れが名目の飲み会に参加した。

あくまで名目であって、お酒が入ってしまえば仕事の立場関係なく、私生活の話で盛り上がる。

適当に理由をつけて飲み会を都合良く解釈するのは、どんなに歳を取っても変わらないらしい。

悩みは日に日に老けていく一方、いつまでも子供心はピチピチでいたい。

この時間が一生続けばいいのになんて思ったりもする。

3杯目のハイボールからは、この楽しい時間をできる

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”休日”は明日のことを考えない

”休日”は明日のことを考えない

明日から仕事だよと愚痴をこぼしていた地元の友達。

あの時は、理解する気もなく適当に同情していたけど、今となれば毎週日曜日の流行語大賞となっている。

そんな愚痴をこぼしてしまう日は大抵休めるわけもなく、実質”休日”として機能しているのは1日に過ぎない。

せっかちな人間にとっては休日は2日間では足りないのかもしれない。

次の日のことを考えるだけで心が休まない。

例えば、小学生の頃の夏休みは大

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春を感じた

春を感じた

毛布を丁寧に3枚重ね合わせて、向暑はるはその中に包まれていたはずだ。

寝る前は。

朝起きると、1枚は足の下に、1枚は頭の上に、最後の一枚はベットの下に落ちていた。

どうやら春がきたらしい。

毛布がないと夜を過ごせない季節は、どうやら今年も乗り越えた。

それでも朝はまだ肌寒くて、落ちていた毛布を拾って身体に巻いた後、二度寝についた。

暖かくなっても毛布は気持ちが良いのでまだ当分は離さない

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女の子の日と言っていた

女の子の日と言っていた

スーパーの一際目立つスペースに、”ひな祭り”のあれこれが並んでいた。

流石に早すぎんか。

と、向暑はる以上にせっかちな店の様子を目の当たりにして、特に意味もなく自分が焦ってきた。

でもいつの間にか、ひな祭りもとっくに過ぎてしまって、その後にやってくる素敵な春を待ち侘びるのだろう。

毎年そんな感じな気がする。

安売りコーナーに移ったら買ってあげよう。

向暑はるにとっては、ひな祭りなんてそ

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